ザ・会員権
春の本格的シーズンを前に市場環境も好転へ
今が購入の好機とみて、問合せレベルから脱却
春のシーズンへ向けての需要からか、様子見していた法人筋や個人から全価格帯に入会希望が入っている。プロツアーの開幕もアマチュアのプレー意欲の高揚を後押し、それが購入に繋がっているのだろう。3月は2月に比べ、購入希望の問い合わせが早かったが、4~5月に掛けてはさらに加速されそうで、早晩、平均相場にも反映されるだろう。
相場環境の変化は、法人筋が名門や準名門、老舗クラスを積極的に探し始めたことで見て取れる。また、個人では、リッチシニア層が優良コースの土曜日プレー可能な平日・週日会員権を探している。これらは、相場価格が正会員権の50~60%程度で入手できるため名義変更料を含めても予算内に入ってきたことも作用している。法人、個人ともにコース選択に際して共通しているのは、老舗や名門・準名門コースはきちんとメンバーシップ制が守られ、コースメンテナンスも行き届いているからということだ。
平均相場は安値安定路線から上昇波動の兆しに
景気の行方次第では大きくジャンプする局面も
関東エリアの平均相場は、昨年末から3か月会員権相場は順調な回復をみせているが、関西エリア(年初来80万円前半に張り付いたまま)や中・四国・ローカルの平均相場は平行線を保ったままだ。会員権市場の定説として、関東エリアの波及は2~3か月のタイムラグを持って関西以西に及ぶというものがある。関西エリアでも法人やリッチシニアが動き始めた5月以降の受注に期待感が持てる動きとなったことで、長い停滞から抜け出せるかも知れない。
市場の価格分布をみてみると、値上がり、横ばいコース(値上がり予備軍を含めて)が90%を超えている。じりじりと相場を下げるコースも散見されるが、下げ率も縮小傾向にあり、全体的に落ち着いた局面にあることが見て取れる。
関西エリアで買い注文が多いのは、優良中堅クラス(名変料を含まない150~200万)の価格帯と50万円以下の割安感のあるコース。また、補充募集での新規会員募集にも注目が集まっている。これらは、ほとんどが全額入会金制のプレー会員権だが、姉妹コースの平日メンバー扱いで利用できる様々な特典を有したものが多く、ゴルフライフの広がりや利用メリットに魅力を感じて応募する人も多い。既設相場と補充募集が混在する市場だが、選択肢も多いため、シーズンインを機に会員権市場も活発化する公算が強い。上昇波動に移りつつある今が、購入の好機と言えるだろう。