京都新聞社 編集局 ニュース編集部 部長代理
藤田 和平さん
Wahei Fujita

NICE ON 12月号【Vol. 410】

今回のゲストは、京都新聞社編集局ニュース編集部部長代理の藤田和平さんです。
仕事、ゴルフ、絵画、食を愛し30年以上変わらぬ生活スタイルを貫いておられます。
4つのジャンルに序列は無く、全てがシナジー(相乗効果)しているとのこと。
京都生まれ京都育ち。地元で仕事し地元で遊び、地元のものを食し、地元を描く。
地産地消を是とし、二十四節気を日々の生活に取り入れた自然体の生活を心がけて
おられます。

取材日:2016年11月11日/場所:京都新聞社


新聞社のこと

どのようなお仕事をされておられるのでしょうか?

藤田 編集局ニュース編集部という所に所属しています。紙面全体の統括、編集をする部署で、部長代理をしています。さらに細かく申し上げればその中でも紙面デザイン、グラフィックスにかかわるセクションです。図解、地図、イラスト、似顔絵なども担当しています。裁判法廷での容疑者の似顔絵スケッチを見られたことはおありでしょう。あれを描くのもうちのセクションです。

とても興味深いお仕事ですね。

藤田 取材もしますし、撮影をし原稿も書く。またイラストや似顔絵を描いたり、紙面全体のデザインを考えたり…と産業的に見ても面白い仕事だと思います。事件現場に行っている記者と連携を取りながら、限られた時間内で複雑な構造物や事件の流れなどを図解にしたり。これが朝刊、夕刊と一日で2サイクルあります。スリリングで刺激的な仕事です。もう30年以上やっていますが、面白くないと思った事は一日もありませんね(笑)。

新聞の未来は明るくないとも巷間言われていますがそのあたりのことはどのようにお考えでしょうか?

藤田 確かにそういう意見もありますね。だから我が社でもデジタル版や、新聞写真から映像が起動するAR(拡張現実)報道もしています。単純に紙媒体はインターネットやSNSなど瞬時に情報が駆け巡る媒体と比較すると確かに速度は劣ります。けれど取材し、紙面を作り込み、そして印刷してトラックや配達員の力で読者の元へ一軒一軒届けるというプロセスの中で淘汰された情報は信頼度が違います。文字を一つ間違えただけでも再編集し、時に輪転機、トラックまでも止める。だから間違う事は許されないという極限の中での作業を24時間365日行っています。私どもは京滋の主読紙としてまもなく創刊138年を迎えます。他のメディアが台頭しようとも信頼と安定感は逆に益々評価されると僕は思っています。

絵画のこと

藤田さんは「水彩画愛好家」としても活動されておられますね。いつ頃から絵を描き始められたのでしょうか?

藤田 仕事とは全く切り離したプライベート活動で、もう30年になりますね。

素晴らしい筆致で愛好家の域を超えておられるように思いますが、どなたかに師事されたのでしょうか?

藤田 師は持たず、すべて自己流ですのであくまで水彩画愛好家です(笑)。

どのようなものを題材とされておられるのでしょうか?

藤田 動物、風景、人物とモチーフは問いませんが、現地へ出掛けてスケッチするのが基本スタイルです。勿論自宅アトリエでも描きますが、風や陽の光を感じながら野外で描くのが大好きです。人生はライブですから(笑)。自然と一体となったライブ感はゴルフと似ていますね。

お仕事もお忙しいと思いますが、いつ描かれるのでしょうか?

野外スケッチ中の藤田さん

藤田 いつも小さなスケッチブックと絵具を携帯していて「あ、これ描きたいな」と心が動くとその場で立って描いてしまいます。小さいものだと所要時間は大体10分〜15分くらいでしょうか。

そんなに短時間であれだけのものを描かれるとは・・・。ゴルフ場でもスケッチされますか?

藤田 描きたいとは思いますが、どうしてもプレーが楽しくてその暇がないんです。でも、一度はきちんと描いてみたいなとは思っています。

楽しみにしております。ところで、カルチャーセンターの講師もされておられると伺いましたが・・・。

藤田 はい。今20名ほど生徒さんがおられるんですが、僕のモットーはとにかく習うよりも慣れろ方式で、初心者の方にもどんどん描いていただくようにしています。他の教室とは違い、まず僕が生徒さんの前で毎回ライブで描き、その後同じ事をして頂くというスタイルを取っています。だから、皆さんとても楽しいとおっしゃって下さいます。

展覧会もされておられるのでしょうか?

藤田 個展はこの30年で4回、グループ展は3回、社会福祉事業団体のチャリティー美術展への出展などの実績があります。また、講談社の年鑑日本のイラストレーションというところで2度受賞歴があります。ただ、受賞や販売が目的ではなくて、僕の足跡を見ていただきたいという思いでやってきただけですが、それが評価されるのはうれしいことです。ホームページもありますので、一度ご覧下さい。
www.waheistyle.com

藤田さんのみごとな水彩画作品

ゴルフのこと

ここからは藤田さんのゴルフライフについてお伺いしたいと思います。ゴルフを始められたきっかけからお聞かせ下さい。

藤田 なじみの居酒屋さんでやってみないかと誘われたのがきっかけです。実は入社当時、上司に誘われて少しかじったのですが、バブルの頃でプレーフィが高く経済的に厳しくてやめてしまいました。その後、40歳の時に2回目の出会いがありました。

それで本格的に再開されたわけですね。

藤田 そうなんですが、思うようには行かず初ラウンドのスコアは何と152。まわりのみんなは100くらいで、もう神様だと思いました(笑)。ただ、負けん気が強いもので、よし、とことんやってやろう!と逆に発奮しました。

そこから、どのように上達されていったのでしょうか。

藤田 本、DVDの購入は勿論の事、出勤前の早朝練習、帰宅後の練習と毎日毎日最低でも250球を7年間打ちました。自己流ですが幸い周りにシングルプレーヤーがたくさんいたので、100を切るのは早かったですね。でも手のひらはボロボロで、この頃は絵筆を持つのが苦痛でした(笑)。

それだけの練習を続けるのは、なかなか出来ないことですね。現在はどのくらいのペースでラウンドされておられますか?

藤田 休日のうち半分はゴルフ、半分はスケッチです。ハーフとか早朝ラウンドとか時間の合間を縫って行くこともあります。

今までで印象に残っているゴルフ場はおありですか?

藤田 ゴルフ場は全て好きです。でもホームコースの皇子山カントリークラブが一番好きです。滋賀県で二番目に出来た、歴史と伝統のあるコースです。コースレイアウトだけではなくて、とにかく全体的な雰囲気がいい。でもこういったことは、メンバーにならないとわからないものではないでしょうか。

心強いお言葉です(笑)。

藤田 よく友人に「プレーフィーもかわらないしネットですぐ予約できるし会員権を買う意味ってないよね…」と言われますが、全然違います。競技、メンバーさんとの交流など、お金では買えない素晴らしいメンバーズライフが待っています。ゴルフ会員権の問題と、先ほどの新聞の未来はとても似ているとも思っています。これを説明するのが難しいので「とりあえず長くつき合えそうなコースを探して買いなさいよ!そこから未知の世界が広がるから!」と抽象的で怪しげなアドバイスをしています。霊感商法みたいですが、本当ですから(笑)。

ゴルフ仲間と白山ヴィレッジへ泊りゴルフ

やはりメンバーになって初めて様々な方と深いお付き合いができるのが醍醐味でしょうか。

藤田 皇子山CCではたくさんの先輩にもまれ、お付き合いをして頂くうちに研修会にも入れて頂く事ができ、個展前までは休みの日は必ず皇子山にいると言った感じです(笑)。三大競技に加え会長杯、スクラッチ競技にも欠かさず出場しました。2011年にキャプテン杯を獲得した時は興奮して、しばらく絵を描けませんでした。月例やスクラッチ、会長杯も取る事ができ、今ハンデは7ですが、近い将来やっぱりクラチャンを狙いたいと思っています。クラブの代表選手としてKGUのインタークラブ競技にも3年連続出場させて頂きました。まだまだ恥ずかしい腕前ですが、クラブの先輩や会長、支配人、友人などたくさんの方に育てていただいたと感謝しています。錚々たるポジションの方たちとでもゴルフという共通点があれば、フラットな関係でお付き合いできるのも大きな魅力ではないでしょうか。

若い方たちのゴルフ離れが問題視されていますが、どのようにお考えですか?

藤田 ゴルフをやりたいという若い方はたくさんおられると思いますが、日本の社会は全般的に労働時間が長いのでなかなか垣根が高いのではないのでしょうか。ですから一朝一夕に解決することは少々難しいのかもしれません。ただ、ゴルフほど老若男女全ての人が大自然の中で楽しめて、奥が深いスポーツはないと思います。皆さんゴルフが贅沢な遊びだと思っておられるようですが、今はプレー費用も安くなっていますし、僕たちのようなサラリーマンでも十分に趣味として取り組めると思います。

私どもも大いにPRしていきたいと思います。しかし、これだけアクティブな毎日を送られていて、お疲れはどのように癒されているのでしょうか(笑)。

藤田 銭湯に行ってゆっくりと湯船につかって心身ともにコリをほぐすことです(笑)。また、なじみの料理屋さんが何件かありますので、お店の方も交えて気の合う友人たちと会話を楽しみながら、旬の旨い料理を思う存分堪能することでしょうか。

ゴルフ仲間の同級生や祇園の料理屋の大将とゴルフ話で盛り上がる藤田さん

食のこと

藤田さんは食への造詣も非常に深く、「旬」をとてもたいせつにされているそうですね。

藤田 僕を取り巻く仕事、ゴルフ、絵、食の4つの世界には、太陽暦の二十四節気七十二候を取り入れています。まず一年を二十四で割り、その一つをさらに3つに割る。例えば12月上旬なら二十四節気は大雪(たいせつ)。七十二候は閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)です。季節を知る物差しとして古くから使われてきましたがこれがぼくにはしっくり来る。「ああ、空気も寒いし大雪が降る季節だなあ。今夜は蟹すきを食べたいな…」とか「冬至だな。かぼちゃを食べなきゃ…」という具合に。「旬の物は旬に食え」という座右の銘を実践しています。すなわち、自然のリズムを生活の中にうまく取り入れる訳です。ゴルフを始めてからこういった生活をし、病気や体調不良が減った様に感じます。医食同源ですね。それがゴルフのプレーや絵のモチーフにも影響して来ますのでみなさんにもおすすめしたいです。ただ家人には「料理屋さんに呑みに行く言い訳でしょ!」とよく言われますが(笑)。

本日は楽しいお話しをありがとうございました。

京都新聞社 編集局 ニュース編集部 部長代理
藤田 和平さん

Profile
京都市伏見区在住
1963年(昭和38年)9月4日生まれ 満53歳
●ゴルフ歴  約13年
●所属コース 皇子山カントリークラブ
●ハンディ  7(皇子山カントリークラブ)

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