ザ・会員権
高額・名門や中堅優良コースの引き合い増は相場回復への兆し?
補充募集への応募一巡で、流通市場で動くコースの見直しが進む
9月の会員権相場は、売り買いとも動きが少なく流通が停滞したため、弱い夏相場のあおりを受けて前月比でさらに1.8%落ち込んだ。
10月に入ってからは、これまで相場の推移を眺めながら様子見していた人たちが、シーズン直前に購入や入会に間に合わせようとする動きが出てきた。それは相場動向が停滞したまま動きが見られず、またそれ以上に下がる傾向も見られないため、潜在購買者の入会希望が活発化したためだ。
とくに、中旬から下旬に掛けては西宮や京都、琵琶湖など老舗や高額コース、各エリアで250~350万円台に踏みとどまっている中堅優良コースの入会希望がにわかに増え相場回復への兆しをみせた。
購入希望者の多くは、業績好調の法人や個人のエグゼクティブ層に限定的ではあるものの、こういった動きが市場ムードを大幅に改善させたのは実際だろう。
停滞から相場回復へ、様子見から買い出動へ、とボーナス需要を喚起させる動きといえる。
会員権相場は、例年11月になると相場金額が落ち込み、12月になるとボーナス需要や新年に備えての購入・入会希望の需要が増え徐々に上昇、2月に高い値を示すという傾向が強くなる。
今後は、こうした経験則を生かした入会希望者が膨らんで、会員権市場はゆるやかな上昇波動を描いていくだろう。上昇の動きを見せ始める12月はそういったことからも、入会への好機と言えるだろう。
既設コースの補充募集は一巡、低額募集が増加傾向に。
募集は継続するも会員の種別も多岐にわたり、長期化する可能性が高い。
関西地区で会員を募集しているコースは60コースを越え、首都圏でも100コースを悠に超えている。関西、首都圏に共通するのは募集金額が50万円以下のコースが多く、低額設定コースは増加の傾向にある。会員権の種別(形式)も経営交代や法的整理を行ったコースが多いことから、預託金なしの、いわゆるプレー会員権が多いのも特徴的。こういったコースが多いことが既設相場の上昇を妨げているとみる向きも多いのは確か。また、平日会員や年次会員(1年~ごとの更新)、友の会会員など形態も細分化されている。
これらのコースへの一般公募には、初めて入会する人やセカンドコース取得を主目的とする人が多い。選択肢が拡がるなかで、募集期間が長期化する可能性もある。
募集を行っているコースの中には、バブル時には名門や優良、完成度の高いコースと評価が比較的高いコースもあり、応募も好調さを示している。
ただ、入会は一巡したという見方も多く、今後は既設の預託金コースへ目が向けられる可能性が高い。