日本のジュニアゴルファーが目指すべきゴルフ

NICE ON 6月号【Vol. 404】


日本と世界のゴルファーの今

今期は、皆さんご存知のとおり松山英樹選手の目覚しい活躍が光りますね。
全世界のゴルフ人口は、2008年に英国の調査機関が発表したデータによると約6400万人。

第1位はアメリカの2860万人そして、2位はなんと日本の950万人、ついでカナダの640万人と続きます。つまり、アメリカに次いで日本はゴルフ人口が多い国なのです。

にもかかわらず世界で活躍している日本人は現在2、3名です。
この現状は、ゴルフを指導させて戴いている立場として、またアメリカのゴルフ環境を経験した者として、何か間違っているのでは?と感じざるを得ません。

当然!日本にも多くの素晴らしいジュニアゴルファーは沢山存在します。
しかしながらジュニアの試合を見てみると世界を目指すゴルファーがどれだけいるのだろうと考えてしまいます。

韓国勢の世界における活躍は目覚しいものがありますが、韓国の選手はゴルフを始めた時から世界を見据えていると聞いたことがあります。韓国はなかなか国内での活躍の場が少ないという現状が逆に世界で活躍する選手を多く輩出しているのでしょう。

現在の日本の若者はグローバルな視点で物事を見ていないのでは?という意見もお聞きしたことがありましたが、ゴルフの世界でもまさにその様です。

楽しむ事の本当の意味

「日本で、「楽しむ」という言葉を使うと様々な解釈をされます。

本田宗一郎さんは昔、朝まで仕事をしていた。ご飯も食べずに一所懸命働いたと聞きました。これって辛かったのでしょうか?以前に本田宗一郎さんの本で「やりたいことをやれ」という本を読んだ事がありますが、本田さんは機械いじりがただ好きだったのです。

ご飯も食べずに仕事したのではなく、ご飯を食べるのも忘れるぐらい機械いじりが好きで楽しかったのです。心から好きでたまらない!もしそれがゴルフであったならご飯も食べずに打ち込むのです。

大切なことは、自主的にするか?やらされているか?です。

ジュニアに1番影響を与えるのはやはり親?

「親」という漢字を見てみると「木」の上に「立って」大きな目で「見守って」くれているという事になります。

いかがでしょうか?総体的に現代の親は木の下に降りて来て見ているだけでは無く、手まで出していないでしょうか?今のジュニアゴルファーの根幹を担っているのは、ジュニアゴルファーの親たちなのかも知れません。

ゴルファーである前にアスリートであれ

TPI(タイトリストパフォーマンス研究所)は世界をリードするゴルファー育成の専門機関ですが14歳まではゴルフに特化しません。

30歳でメジャーチャンピオンになるプログラムを組んでいます。焦り過ぎてただボールを打てる子供より世界に通用するアスリートをまずは目指し、小さいころは他の球技や体操競技に積極的にチャレンジしてほしいものです。

是非、世界を見据えた子供たちが一人でも多く立派なゴルファーであり大人になって頂きたいと心から願います。

志村 博康プロ(しむら ひろやす)

志村 博康プロ(しむら ひろやす)

スイングファクトリー代表。高校卒業後アメリカ・サンディエゴに渡米し、USPGAプロのパトリック・E・ショウ氏に師事し、最新のゴルフ理論を学ぶ。カリフォルニアミニツアーにも参戦。京都初のTPI(Titleist Performance Institute)認定プロコーチ。メディカル、フィジカル、テクニカルにおけるゴルフのスペシャリストとして世界基準認定を取得しております。
現在、よしみねゴルフクラブ(京都市西京区)にて完全個人指導にこだわったマンツーマンレッスンを実施。

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