ザ・会員権

NICE ON 10月号【Vol. 444】


会員権市場は閉塞感を脱し、シーズン・インを前に入会問い合わせは日々増加。
アスリート、リタイア組みが準名門コースを物色し、平均相場も徐々に上昇波動を形成。

7~9月は、酷暑、天候不順、豪雨でゴルファーのラウンド意欲も大きく落ち込んだためゴルフ場関係者も頭を抱え込む場面が多かった。例年この時期は入場者数が減少する傾向にあるが、今年は酷暑を敬遠するゴルファーが目立った。先頃、今年上半期(1~6月)の全国ゴルフ場入場者数が発表された。それによると、総数は2214万人で、一昨年比1.6%、昨年同期比4.5%の増加となっている。関東と中部で入場者が伸びたのが増加の原動力となったが、地方でも伸ばす県が多くゴルフ人気は全国的な広がりで進んでいると言えるだろう。

ゴルフ人気といえば、渋野日向子効果は否定できない。ギャラリー数の増加、テレビ視聴率アップなど、確実に裾野拡大に繋がる起爆剤となった。渋野に続けと女子プロゴルフ界では黄金世代だけでなく熟練世代も発奮、また、男子プロゴルフ界にも火をつけ、石川遼を筆頭に試合にも熱が入ってきた。こういったゴルフ人気がやがては会員権市場に反映されるだろうと業界関係者は期待感を強くしている。
関西エリアの会員権市場の状況を見てみると、単純平均相場は80万円を大きく割ったまま75万円と底をついており、これ以上の値下がりはないと見る向きが多い。総額表示が定着すれば、シーズンとともに入会希望が問い合わせレベルからはっきりと実需に変わるため2~4%のアップという指標になるだろう。

法人筋も不要会員権の最終処分を検討しており、決算期を境に買い替え、ランクアップに向かうだろう。個人でも年会費の複数負担に伴う処分も大方一巡した帰来があり、低額コースから入会問い合わせ(買い注文)が増えて来た。名門・老舗コースは売りが先行しているが、人気コースは品薄のコースも見られる。
入会希望の多いコースを県別に見てみると、滋賀県では、タラオCC、彦根CC。京都府では、京都GC、日清都CC。奈良県では、奈良国際GC、飛鳥CC、KOMACC、オークモントGC。大阪府では、アートレイクGC、天野山CC(ロイヤル)、関西空港GC、太子CC、阪奈CC、伏尾GC。兵庫県では、芦屋CC(平、婦人)、有馬ロイヤルGC、小野グランドCC、キングスロードGC。和歌山では補充募集のコースに問い合わせがある。
入会希望が多いのは、預託金の返還をきちんと履行しているコース。

選択の基準がこの項目に当てられるケースが際立ってきたのも特徴的。コース改造や施設改善に積極的なコースも見直されている。また、平日会員権の見直しも目立つ。特に準名門クラスの週日(土曜可能)会員権は、予算を上積みしても入手したい人が増えている。アスリートゴルファーやリタイア層を中心にグループで探す傾向も見られる。昨今、平日会員を対象とした競技会を開催するコースも増えており、そうしたことから一クラス上の平日会員権を探す傾向が強まってきたのだろう。
シーズンを前に上昇波動を見せ始めた市場、こういった時が入会(買い時)の絶好機であり、ゴルフ場の動き等(運営面、施設面での改革)を会員権業者やメンバーの方に相談するのも一考である。

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