宝塚ゴルフ倶楽部(兵庫県)

NICE ON 10月号【Vol. 408】


関西地区屈指の名門、全国区でも誉れ高き名コース。
90年の星霜が育んだ品格と伝統。会員制倶楽部の源流を成す。

開場は1926年(大正15年)8月7日。日本のプロ1号の福井覚冶が設計した3ホールが原点。その意志を受け継いだ広岡久右衛門氏が設計し、待望の18ホールが完成したのは1930年(昭和5年)10月5日だった。
宝塚ゴルフ倶楽部が、他の名門と一線を画す色彩を放つのは、ゴルフの大衆化を目指しながら、それでいて高級感あふれる名門コースとしての歩みを着実に進めてきたことだ。
昭和28年10月5~7日には、初めての日本オープンゴルフ選手権の会場となり、その存在感は、ゴルファーの衆目を集めた。
1959年(昭和34年)11月10日、大橋剛吉氏設計の新コース(18H.・6728Y・P72)が完成、西日本初の36ホール規模のゴルフ場として注目を集めることになる。
1995年(平成7年)には、不幸にも阪神淡路大震災でコースに被害が生じたため全コースをクローズ。1996年(平成8年)に新コースイン改造及び新コースの高麗グリーンを全てベントグリーンに改修完了、設計は服部彰氏が担当、36ホールでの営業を再開したという経緯がある。
コースは、広くて長い緩丘稜に36ホールがゆったりとレイアウトされている。
自然の持つ地形を巧みに活かし、なだらかに描かれたスロープが戦略性を形づくり、宝塚GCの独特な味わい深さを演出している。
特に、旧コースは一見フラットに見えるが、六甲山系の丘陵地帯にある位置関係からなだらかな高低差があり、傾斜が読みづらい特徴がある。
特にグリーンはその影響が顕著に見られパッティングクオリティも高い。
一方、新コースは距離もあり、クラシカルな風情と近代ゴルフの面白さがうまくミックスされたレイアウトになっていて、こちらも独特のリズム感が楽しめる。

【1階フロント】

【レストラン】

新しいクラブライフのスタイルを提案
本物の倶楽部ライフを実践する伝統

宝塚ゴルフ倶楽部の運営の原点は、「みんなが心から楽しめるクラブ」という精神に根差している。アスリートレディースが他のクラブに比して多いのもその表れ。地域に対しても開かれた名門だ。不幸にも阪神淡路大震災でコースやハウスに大きな被害を蒙りながら、いち早く被災者に大浴場を開放し、生活給水に心を配ったのも記憶に新しい。また、ジュニアの育成にも力を入れており、ゴルファー育成の基本精神は今もなお、時を経て輝きを増している。
2003年には、新コースで日本シニアオープンゴルフ選手権、2009年に関西オープンゴルフ選手権を開催、2006年には「兵庫のじぎく国体」ゴルフ競技の会場ともなった。
グリーンの改造をはじめ、数々の改良を繰り返しながらも新しさとオールドスタイルの良さを温存、戦略性の高さと重厚なコースの表情が相まって、コースの評価も高い。2012年4月にはハウスの改修工事が完成し、リニューアルオープンした。2013年4月には、一般社団法人に移行している。

【旧コース2番(Par3)】

【新コース15番(Par3)】

コースデータ

  • コース規模=36ホール、12,929ヤード、パー142
  • グリーン=旧コース、新コースともにベントグリーン
  • ラウンドスタイル=全組キャディー付。電磁誘導カートによるプレー
  • 交通アクセス=中国自動車道・宝塚ICより4km
            阪急今津線・逆瀬川駅下車・タクシーで約3分
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