優良コースへの入会復活が相場動向を支配。単純平均相場も80万円割れで入会には好機！入会希望が一服し調整局面に入る。低額クラスにも選別の２極化が現われるだろう。

8月初旬は連日35度越えが続く猛暑などで、ゴルフ場入場者数は例年の夏場より大幅に減少した。ただ、コースには出ないまでも練習場は賑わっている。秋のプレーシーズンに向けてじっくり練習をしておこうとの愛好者で入場者はむしろ増加している。
増加の原動力となっているのは女性ゴルファー。これまで、リタイヤ層の年代が多かったが、キャリアウーマン層の参加率が高くなっている。また、この層はメンバー志向が高く入会希望の情報集めにも熱心だ。これを受けて、ゴルフ場でも女性施設を充実させるところが増えてきている。

会員権市場は、安値安定で推移していたが、入会希望コースへの買い注文が一巡したことから調整局面に入っている。退会希望（売り注文）が先行する銘柄が増え、コースによっては売り一色のところもある。
単純平均相場も80万円を割り、8月第1週で前月比6.54％下げの75万円となった。優良銘柄（48コース）でも同様な下げ率となっており退会希望が増加した。これは、例年不需要期となる「夏相場」の習性といえるものだが、年会費の重複負担（数コース所有している人）を嫌い、あまり使用していないコースを退会する人が増えたためだ。法人筋でも同様な傾向が見られ、所有コースを見直す企業も出てきている。

その影響が平均相場を下げる要因となったといえる。低額クラスは満遍なく入会希望が入っていたが、ここにきて選別の２極化が見え始めている。
優良コースの相場が下がったことで、低額クラスの入会希望者が一クラス上にターゲットをシフトさせている。今後は、優良コースへの入会復活が単純平均相場を押し上げるエネルギーとなるだろう。閉塞状況にある市場、相場水準の局面は、むしろ入会希望の絶好機でもある。
消費税増税による駆け込み需要は見られないが、会員権相場の売買情報が総額表示になることで、数字的には上昇気配を感じさせるだろう。ただ、振れ幅も小さいため大きな影響はない。潜在需要は多くみられ、調整局面を迎えたとはいえ、このまま大きく相場を下げることはないだろう。

関西エリアで入会希望が多いコースは、滋賀県では、タラオＣＣ、彦根ＣＣ。京都府では、京都ＧＣ、日清都ＣＣ。奈良県では、奈良国際ＧＣ、飛鳥ＣＣ、ＫＯＭＡＣＣ。大阪府では、枚方ＣＣ、アートレイクＧＣ、天野山ＣＣ（Ｒ）、茨木国際ＧＣ、関西空港ＧＣ、太子ＣＣ、阪奈ＣＣ、伏尾ＧＣ。兵庫県では、芦屋ＣＣ、有馬ロイヤルＧＣ、小野グランドＣＣ、キングスロードＧＣ、センチュリー吉川ＧＣ、宝塚ＧＣ（法）、三木よかわＣＣ、よみうりＣＣ。和歌山県は、売り注文が多くある。
電車で行けるコースへの問い合わせも増えている。また、女性会員権（売買などで入会制限のないコース）への問い合わせも多い。都市近郊コースやコース改造や施設改善に積極的なコースに人気が集まっている。会員権購入（入会）に際しては絶好機が到来しているが、選択肢も多く銘柄選定には迷いを誘う局面でもある。こういった局面は、専門業者のアドバイスが参考になる市場ともいえよう。