ナイスオン健康コラム

NICE ON 6月号【Vol. 440】

このコーナーは京都工場保健会様のご協力により掲載しています


活性酸素 《酸素は敵か味方か》

皆さんは「酸素」というとどのようなイメージでしょうか。生きていくために必要なものですよね。アスリートが酸素カプセルに入って、超回復やパフォーマンス向上をしているという話もあります。
では、「酸化」というと、美容や健康のため「抗酸化成分」が注目されているように、酸化はあまりよくないイメージになってしまいます。物質が酸素と結びつくことが酸化だったら、酸素カプセルに入ったら全身が酸化してしまうのでは?という疑問も出てきますね。

ご存知のように、私たちは絶えず呼吸をして、酸素を体に取り込み生命を維持しています。しかし一部の酸素は不安定で、ほかの物質と反応しやすい「活性酸素」に変化します。この「活性酸素」は重要な役割(細胞内での情報伝達・免疫・代謝の調整など)もありますが、一方で細胞を傷つけてしまいます。
体内でも、取り込んだ酸素の数%は活性酸素になっていて、一部で過剰に生じた活性酸素が細胞を傷つけてしまいます。タンパク質が変性したり、酵素が失活したり、過酸化脂質が生じます。遺伝子と反応すると分解や突然変異が生じます。結果として、老化や癌、動脈硬化などの原因となるわけです。
それでも私たちが生命を保つことができるのは、酸化から自分を守るための防御システム「抗酸化作用」が備わっているからです。活性酸素の発生を抑えたり、生じたダメージを修復したりしています。しかしこの能力以上に酸化のストレスがかかると、さまざまなダメージが積み重なってきます。そんな活性酸素が発生する原因と、抑えるためにできることをご紹介します

●活性酸素が多く発生する原因
ストレス、紫外線や放射線、大気汚染、タバコ(受動喫煙含む)、薬剤、過度の飲酒、酸化された食べもの(特にマーガリンなどのトランス脂肪酸、ファストフード、加工食品、時間のたった揚げ物、インスタント食品やスナック菓子など)
●活性酸素を抑えるためにできること
ストレス解消、禁煙、飲酒を適量にする、抗酸化作用の高い食べものを摂る(代表例として、ポリフェノール:緑茶やブルーベリー、 ビタミンA:かぼちゃやニンジン、 ビタミンC:イチゴやブロッコリー、 ビタミンE:ナッツやアボカド、ほかにも色の濃い野菜や香味野菜など)

また、適度な運動は健康にメリットがありますが、過度な運動は酸化ストレスを高めてしまうそうです。
ちなみに、購入できる環境がある方には京野菜もおすすめです。というのも、京都府農林水産技術センターと京都府立大学の研究によると、京野菜の多くは一般野菜よりも抗酸化能力が高いものが多いそうです。特に堀川ごぼう、花菜(なたねのつぼみ)、紫ずきん(黒大豆の枝豆)、などで高い抗酸化性が確認されています。私も地のものが好きで、近所の直売所で万願寺とうがらしや京かんざし(金時にんじんを早取りしたもの)を購入しますが、なんだか市販の青とうがらしやにんじんより栄養素がたっぷり、濃い味がするような気がします!
活性酸素が細胞を傷つけている原因なので、酸素カプセルに入って酸素をたくさん体に取り入れることとは少し違いそうですね。老化やがんを防いで元気に過ごすためにも、日々の生活で酸化ストレスをためないようにしたいものです。


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