有限会社前田珈琲 代表取締役

前田 剛さん
Go Maeda

NICE ON 9月号【Vol. 431】

今回のゲストは有限会社前田珈琲代表取締役 前田剛さんです。前田珈琲は喫茶店の激戦区京都にあって、その独特の存在感で創業以来40年間京都人に愛され続けてきた老舗喫茶店です。元呉服店の建物を改築した本店をはじめ、閉校になった小学校跡地の公共施設、重要文化財やお寺の門前通りにお店を構えるなど店舗展開もユニークで、前田社長の着眼点の鋭さと人脈の広さが感じられます。ご趣味のゴルフにはあまり行けていないとのことですが今年初めてゴルフ会員権を取得されたことでもありますので、ぜひラウンド回数を増やしていただきたいと思います。

取材日:2018年7月20日/ 場所:前田珈琲本店


前田珈琲への思い

前田珈琲さんのご創業はいつ頃でしょうか?

前田 1971年です。先代の父が京都の老舗コーヒー店で修業したあと、私が生まれる1年ほど前に母と一緒に店を立ち上げました。四条大宮を下がったところのカウンター10席とボックス席1席の本当に小さなお店でした。

前田社長がお父様の後を継がれたのは?

前田 代表に就任したのは2004年です。最初継ぐ気は全くなかったんです。大学は工学部でコンピュータの勉強をしていたもので全く畑違いで・・・。ただ、卒業して店を少しずつ手伝っているうちに喫茶店の面白さに魅かれていくようになったんです。当時は、スターバックスが銀座に1号店をオープンさせ、今まで喫茶店とかコーヒーショップという言葉しかなかったところにカフェという新しい業態が生まれ始めた頃でした。私もその風を受けて、父がやってきたことを大事にしながらも若い方たちに受け入れられる新しい感覚の店をオープンさせたいと考えるようになりました。そんな時、京都市が閉校になった旧明倫小学校を改修し、様々な分野の芸術家たちの活動を支援するために京都芸術センターを作ったので、そこの1階に「明倫店」を出店したんです。父は当初反対でしたが私がどうしてもと押し切った形でした(笑)。若い方たちが個性的な店を立ち上げ始めた頃でしたので、私の店もメディアに取り上げられて話題になりました。20年前にこの「明倫店」を手掛けたことで、当時館長だった裏千家の現在のお家元をはじめ狂言、日本舞踊などの伝統芸能に携わる方たちや音楽家、国内外のアーティストや文化人の方たち、また京都市、京都府などの行政の方々と知り合うことができたことは、私にとって大きな財産になりました。

社長ご自身も様々な影響を受けられたのではないでしょうか?

前田 はい。裏千家のお家元に「前田君、お茶もその昔は今のコーヒーのような存在だったからお茶をやってみては?」と勧められて茶道教室に入れられ(笑)、そのうち、より多くの人にお茶を楽しんでもらおうと茶の湯サロンを作ってみたり、高台寺をはじめとしたお寺さんとのご縁ができたことでお寺の駐車場を使ってイベントを開催したり、「明倫店」の店内をアーティストの方たちの作品展示やパフォーマンスを披露する場所として提供もしました。なにかひとつアクションを起こすことによってそこから様々な方たちをご紹介いただいて、また新しいことが展開していくんです。そうやっていくうちに私自身、コーヒーを媒介とした文化サロン的な色合いのある喫茶店を目指したいなと思うようになっていきました。

現在は京都市内に何店舗展開されていますか?

前田 9店舗です。たとえば「文博店」は国の重要文化財 京都文化博物館別館内の旧日本銀行京都支店の金庫室です。また、「京博店」は京都国立博物館内に、「茶房前田」は世界遺産二条城内にある茶室「和楽庵」に店舗を構えています。さらに、高台寺の門前通りに「高台寺店」も出店いたしました。こちらは高台寺御用達の称号をいただいています。また、京都だけではなく北京にも2店舗出店しています。

本店(烏丸蛸薬師橋弁慶町)
本店店内

中国でもコーヒー文化は受け入れられるのでしょうか?

前田 かつてはコーヒー文化が全くなかったようですが、近年経済発展が目覚ましくて今では日本のカフェに負けないくらいのおしゃれなお店がすさまじい勢いで増えてきています。

それはちょっと認識不足でした。
HPを拝見するとオンラインショップも運営されておられますね。

前田 より幅広い層の皆様に当店の商品をお届けするために開設しました。前田珈琲オリジナル焙煎のコーヒー豆やスイーツなどを取り扱っております。

「龍之助」「富久」「弁慶」「牛若丸」とコーヒー豆のネーミングがおもしろいですね。

前田 ショップをスタートするのを機に印象的な名前を付けてはどうかと考えたんです。弁慶と牛若丸はここ(本店)の所在地が、橋弁慶町であることにちなんで名づけました。龍之助と富久は私の祖父と祖母の名前です。祖父は戦前、日本と中国を行き来して商売をしていたようですが、戦争に行ってシベリア抑留でモンゴルへ強制収容されました。後年、ウランバートル近くのホジルボランという場所の墓地で遺骨が見つかったとかで、私が中学2〜3年の頃、実家に当時の厚生省の方が遺骨を持ってこられました。そんな若くして亡くなった祖父と祖父亡き後、家族をやさしく見守ってくれた祖母への思いを込めて名前を借りたんです。

スペシャルブレンドコーヒー「龍之助」

前田のチョコぼうろ

これからも京都のコーヒー文化を守り、育ててください。

前田 「コーヒーを通じて全ての人に感動と喜びと幸せを」という理念のもと、昔ながらの古い喫茶店の良さを守りつつ、若い世代のお客様に受け入れていただけるよう、温故知新の心を大切に、新たな喫茶文化を創造していきたいと思います。

ゴルフライフのこと

それではここからは前田社長のゴルフライフについて伺いたいと思います。ゴルフを始められたのはいつ頃でしょうか?

前田 30歳の頃ですので、今年でゴルフ歴は15〜16年ですね。

きっかけはどのようなことだったのでしょうか?

前田 それまでは、仕事ばかりであまり興味がなかったのですが会社を継いで4〜5年たった頃にふと周りを見回すとゴルフをやっている方が増えてきて、これはそろそろやらないといけないかなと思い始め、友人と一緒に始めました。

当初はどなたかにレッスンを受けられたのでしょうか?

前田 最初はレッスンを受けず、友人と一緒にほぼ毎朝出勤前にしょうざんゴルフクラブへ通って練習していました。お互いにビデオを撮りあって研究したりして・・・(笑)。その後は現在の72ゴルフクラブの山田光次先生と知り合って教えていただいたりしました。

毎日早朝練習とはなかなかできないことです。ゴルフを極めたいという思いがおありになったのですか?

前田 ある程度のところまでは行きたいと思っていました。私は小学校から大学までずっとサッカーをやっていてスポーツ全般、何をやってもうまい方だと思っていたので、ゴルフも何とかなると思っていました(笑)。でも実際やってみるとなかなか一筋縄ではいかなかったですね(笑)。

止まっている球を打つだけのことなんですがこれがなかなか難しいですね(笑)。
初ラウンドの思い出はございますか?

前田 はっきりとは覚えていないのですが、京都大原パブリックコースだったと思います。季節がよかった時期で、とにかく景色の美しさが印象に残っています。

現在はどのくらいのペースでラウンドされていますか?

前田 多い時で月3回くらい、少ない時で月1回ですから年間でいうと20数回といったところでしょうか。

どのような方とラウンドされますか?

前田 圧倒的に多いのはロータリークラブのメンバーさんです。あとは喫茶組合の方とか、私が今年から所属している京都ゴルフ倶楽部のメンバーの方たちともよくラウンドします。また、ここ橋弁慶町の町内で毎年開催されるゴルフコンペにも参加しています。私がずっと幹事をつとめておりますもので・・・。私どもの町内は祇園祭の後祭の先頭を巡行する橋弁慶山の鉾町で結束が固いんです(笑)。

平成26年度祇園祭にて
くじ改めを行なう前田社長

今までラウンドされた中でお好きなゴルフ場はおありですか?

前田 橋弁慶町コンペが開催されるジャパンエースゴルフ倶楽部ですね。その他瑞穂ゴルフ倶楽部も良いですね。この2か所は明日からも頑張ろうという気分にさせてくれます。

ベストスコアをお聞かせください。

前田 日清都カントリークラブで昨年、80を出しました。39・41で、まぐれだったと思います(笑)。

とても難しいコースで、そのスコアはさすがですね。ゴルフを始められてよかったこととかゴルフの魅力はどのようなところにあると思われますか?

前田 老若男女誰もが一日中童心に戻って楽しめるスポーツであるということです。私は年配の方ともラウンドすることが多いのですが、70代の方たちには正直、本気でやっても勝てないですよ(笑)。確かにドライバーの飛距離は若いものの方が勝っていますが、グリーン周りでの器用さには勝てません。やはり年の功といったところでしょうね。他によかったことと言えば健康的であるということでしょうか。

ロータリークラブチャリティーゴルフ大会にて

経済同友会コンペにて

ゴルフの他にも健康維持のために何かされていることはおありですか?

前田 最近は御池通にあるワールドウィングで初動負荷トレーニングというのをしています。ゴルフにも結構有効なのだそうで、骨の周りの小さな筋肉を鍛えて可動域を広げていくんです。

筋力アップはどのスポーツにも効果がありそうですね。
社長は今年京都ゴルフ倶楽部に入会されたとのことですが、実際に会員権を取得されて何かお気づきの点などはおありですか?

前田 実は今まで、あまり会員権には興味はなかったんですが、実際会員になってみると自分のホームグランドができたような安心感であるとか、月例への参加を通して競技ゴルフへの関心が高まったり、マナーが向上したりハンディ取得への意欲が高まることなどを実感するようになりました。さらに、系列のゴルフ場があればそこでも会員価格でラウンドできる場合もあるようで、そういったメリットをもっとPRしていただければ会員権に興味を持つ方も増えるのではないかと思います。

そのことについては、私どももPRにつとめていかなければならないと実感しています。
最後になりましたが今後の目標や社長の座右の銘などがございましたらお聞かせください。

前田 座右の銘は「過ぎたるは猶及ばざるが如し」ということです。私は何でもすぐ夢中になってしまうんですが、仕事もゴルフも8割程度で留めておくほうがいいかなと思います。特にゴルフはやりすぎるとかえって腹が立って仕方がない(笑)。練習をしすぎない方が多少失敗しても仕方がないと諦められるでしょう。ゴルフはよく人生に例えられますがいい時もあれば悪い時もある、というくらいに構えていた方がいいと思います。心に余裕を持って生きていきたいですね。

本日はありがとうございました。

有限会社前田珈琲
http://www.maedacoffee.com
代表取締役 前田 剛 さん

Profile
京都市中京区在住
1972年5月29日(満46歳)
●ゴルフ歴  約15年
●所属コース 京都ゴルフ倶楽部

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