ザ・会員権
「夏相場」特有の中だるみを脱し、シーズンを前に潜在需要の強さが積極的な入会に繋がる!上半期は昨年を上回る上昇率を示したが、今後は安定した相場推移が予測される展開になるだろう。
平成30年7月の豪雨におきまして、被災地及び周辺地域の被害にあわれた皆様に謹んでお見舞い申し上げます。一日も早い復旧、復興を心よりお祈り申しあげます。
酷暑続きでゴルフ場入場者も影響を受け、7月、8月は会員権市場も取引が萎んだ。例年この時期は、不需要期といわれ市場は閑散となるが、今年は例年にない猛暑がゴルファーの入会意欲を低下させたといえる。ただ、市場への問い合わせは多く、秋のシーズンに向けての強い潜在需要は感じられる状況だった。酷暑期が落ち着けば早晩ゴルフ場にもプレーヤーが戻り、会員権市場も活発に動くだろう。
関西地区の単純平均相場も7月末時点で82万円(173コース平均)と前月比を1万円(1.23%)上回った。全国平均は72.4万円、影響力のある関東エリアは93.8万円といずれも堅調で、関西の平均相場のそれは全国平均のアップ率1.67%とほぼ同調の歩みを見せている。
関西の市場の上半期を振り返ってみると、処分を上回る新規入会や買い替えが多く見られ、昨年1年間の上昇を上回った。目立ったのは業績好調の法人の接待需要からの名門や準名門コースの需要増だ。個人でも、200~300万円(名変料込み)の準名門コースへの入会希望が活発だった。
ゆっくりと、安心のクラブライフが送れるホームコースへのランクアップも多くみられた。
最も多い需要価格帯の70~100万(名変料込みで150万円まで)は、複数所有者の年会費負担を避けるための処分売りが目立ち、やや相場を落としたものの会員権価格が50万円以下の低額コースは新規入会者の根強い買い注文が増加、下げどまりの兆候を示した。
関西エリアの今後の相場推移を予測してみると、6月下旬の株主総会を終えた法人の新規購入やランクアップによる買い替え需要が再開されたことから当面中堅から高額クラスの相場が伸びるため、比較的安定した相場推移を見せるだろう。京都・滋賀・奈良の老舗コースの見直し、兵庫、大阪の準名門コースへの入会希望は堅調だ。売り希望が少なくなっていた高額クラスも今が、売り時とみた人が市場にボツボツと出してきている。このクラスでは、上値追いをする人も多く、成約はスムーズに進むだろう。新名神高速の延伸がゴルファーの流れを変えたが、同時に入会希望のコース選択にも如実に表れてきている。選択肢の広がりも安定には欠かせない要素だ。
市場での問い合わせの雰囲気はというと、『相場が適切で、しかも安定上昇が見て取れる状況。ここ数年間で最も安心感のある局面だ』との意識が強く感じられる。
市場は、明るさを取り戻し、相場は上昇トレンドがしばらく続くだろう。