100切りこそコースマネジメントを勉強しよう

NICE ON 8月号【Vol. 430】


「100切りこそコースマネジメントを勉強しよう」
〜ミスショットでもスコアは作れる〜

梅雨も明けて暑い夏の季節に入って来ましたが、皆さんはスコアをよくする為に普段どんな事を考えて練習していますか?
ゴルフ練習場でスイングをよくする為にスイング作りすることは、とても良いことですし必要なことです。スイングが良くなると球筋やインパクトの安定が生まれてくる事がありますが、実はスコアメイクがうまくなることはありません。

今回のテーマは
「ゴルフはゴルフというゲームであるという事を再確認する」です。つまり、ミスショットでもスコアをいかに作って行くかというゴルフ脳を今回はテーマに考えましょう。

① ゴルフはミスも踏まえて考えるべき。
実際トップアマチュアと言われる人達はどれ位の割合でナイスショットを打っているのでしょう?
私の経験やトップアマチュアの選手達とのセッションの中で感じる割合で言えば、3割と言ったところでしょうか。5割から6割ナイスショットであれば、ベストスコアに近いスコアを出す事ができるでしょう。
この数字を見てのご意見は賛否両論だとは思いますが、何を言いたいかといえばスコアメイクは、良いスイングだけでは作り出せないという事をわかって頂きたいのです。
ティーショットは、第2打を打てる場所にあればOK! セカンドショットは、グリーンエッジに行けばOK! いかにOBを出さないでラウンドを終了する事が出来るか本気で考えたことはありますか? 転がってでも良いからグリーンの近くに持って行くにはどうしたら良いか本気で考えてラウンドしたことはあるでしょうか?真でボールを取らえられない事がミスだとするならば、ミスをいかに踏まえてスコアメイク出来るかを本気で考えて行くことこそがスコアメイクをしていく第一歩なのです。

② 決断をして打っている限り、「まぐれ」でも「ミス」でもない。
コースレッスンで私は生徒さんによく質問する事があります。「今どこをねらっているのですか?」「それはなぜですか?」
皆さんはどうでしょうか?自問自答してみて下さい。コースは自然の中に作っている事が多いですが、決して自然にできたものではありません。スコットランドのリンクスコースなどはかなり自然に近いとは言っても、最終的には人の手が入り如何に美しく面白いコースにするかがコース設計家の腕の見せ所です。つまり、造る側とプレーする側が共に思考を巡らし合うところにゴルフというスポーツの一つの魅力があるのですが、このことにあまり触れずにゴルフに向き合っている方のなんと多い事でしょうか。
ゴルフは「ミスのスポーツ」とはよく言いますが、この意味を少し掘り下げたところに「ミスを受け入れることの出来る心の持ち主が楽しめるスポーツ」という意味が私は隠されているように思うのです。
「コースリーディング」という言葉があります。まさに「コースを読む」ということですが、言い換えれば「設計者の意図を読み解く」ということにもなるでしょう。このコースリーディングに精一杯の努力を傾けマネジメントして行く。そこにはしっかりとミスをした時のリスクもヘッジして本気でショットに望んだ時そこで生まれた結果は決して「まぐれ」でも「ミス」でもないのです。これこそが「ザ・ゴルフ」なのだと思います。
これをラッキーと呼ぶ人はコースリーディング出来ていないことになるのだと思います。

③ ミスの原因はコースをよく見ていないことから生まれる。
私はよく「コースと会話しなさい」と言います。
なぜそこにバンカーがあるのか?
なぜそこに池があるのか?
なぜこのホールは右に傾いているのか?
なぜあそこにマウンドがあるのか?
などなど、あげていけば切りがありませんが、このようにしてコースと会話して行くと少しずつコースが教えてくれます。
昔、アメリカのサンディエゴで毎日のようにラウンドしている時、マンネリ化した練習をなんとかしようと3番ウッドと7番アイアンとパターのみでラウンドしてみた事がありました。これがなんと面白いことに以外とパーやバーディーがくるではありませんか。この時は50ヤードを3番ウッドで転がしてみたり、7番アイアンでトップボールを打って向かい風に対抗したり・・・・。
こんなにもゴルフって楽しいんだ!と思った事を今でも鮮明に覚えています。
この時コースが教えてくれた事、それは「ミスはミスじゃない!」ミスだと暗い気持ちになって14本ものクラブを使いながらボギーやダブルボギーを作り出していたのは自分の心なんだと。
「よくコースを見る」この事を皆さんも今一度心に刻みコースと向き合ってみて下さい。
必ずやコースが本当のゴルフの楽しさを教えてくれるはずですよ!

志村 博康プロ(しむら ひろやす)

 志村 博康プロ(しむら ひろやす)

スイングファクトリー代表。高校卒業後アメリカ・サンディエゴに渡米し、USPGAプロのパトリック・E・ショウ氏に師事し、最新のゴルフ理論を学ぶ。カリフォルニアミニツアーにも参戦。京都初のTPI(Titleist Performance Institute)認定プロコーチ。メディカル、フィジカル、テクニカルにおけるゴルフのスペシャリストとして世界基準認定を取得しております。
現在、よしみねゴルフクラブ(京都市西京区)にて完全個人指導にこだわったマンツーマンレッスンを実施。

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