ザ・会員権

NICE ON 5月号【Vol. 427】


商況は活発化、単純平均相場も4ヶ月間安定推移を示す
低額・中堅クラスで夫婦や友人同士での入会が巻き返し

1月に急伸した相場も2月には調整に入った。これは入会希望(買い注文)が一巡したためと、天候不順によるプレー機会が減ったため。3月後半に入り、プロツアーの開幕と共に、プレー意欲が高まり、例年通りシーズン前の入会希望が戻ってきた。様子見していた人たちが、相場の安定推移を見て成約に向けて動き出したからだ。
単純平均相場は83万円で、前月比で上下動は見られない。上昇波動をはらみながらの安定推移だけに、今後シーズンインと共に急伸する場面も出てくるかも知れない。

300万円以上の高額コースには好業績を背景とした法人が、社交用、接待需要で購入している。法人の動きは、こうした高額コースに限ったものではなく、優良中堅や割安感の出ている老舗コースなど広い価格帯での購入が見られるようになっている。半面、個人では単独入会が主流を占めていたが、低額コース(50万円以下)や割安感が強い中堅コース(100~150万円)に夫婦や友人同士で入会するグループ買いが巻き返してきた。夫婦でゆっくりクラブライフを楽しみたい、親しい仲間や家族でクラブライフを充実させたいというメンバーとしての価値が改めて見直されてきたためだ。
新名神高速道路の開通(高槻IC~神戸JCT)で、ゴルファーの流れが変わる可能性がある。京都・滋賀、北摂方面のゴルファーも兵庫県下のゴルフ場に足を伸ばす事が至便となったためだ。
従来、高速道やICの開設は周辺コースの相場を上昇させるエネルギーとなったが、現在はその兆候はまだ見られていない。いずれはこの流れが相乗効果を生み出す可能性はある。

法的整理は減ったものの入会には情報収集が不可欠
コース選びにもその傾向がはっきり表れてきている

今ではあまりマスメディアの見出しを飾ることは少なくなったとはいえ、会員権購入で押さえて置かねばならない点を挙げておきたい。法的整理は縮小傾向にあるもののその課題がクリアされたわけではない。平成29年の法廷整理申請件数は9件(前年比44%減)。申請件数は20年ぶりに1桁台となったが、これまでにメンバーコースの約半数が法的整理を申請している。経営環境が厳しい中、今後、廃業や事業転換,再建を賭した法的整理も視野に入れなければならない。そこで、会員権購入・入会には専門業者の持っている情報が欠かせないだろう。

現在、個人の入会・会員権購入の傾向(志向)は、①予算を上積みしてワンランク上の良いコースを選ぶ ②割安感があり、予算内で自分に合ったコースを選ぶに2分されている。ただ、いずれの場合も①経営会社の信頼性 ②コースレイアウトの良さと改造・改修に積極的 ③交通アクセスの良さ ④親睦会や競技会など会員間の交流が活発 ⑤会員重視の運営をしている等を重きに置いている。
全ての項目を満足させるコースは少ないが、どの項目に重きを置くかでコース選定は変わってくる。
会員権は大切な財産。自分の目で確かめ、選択肢を絞り込むことが肝要だ。今こそ、専門業者のアドバイスが必要。まめに電話を入れ、情報収集に時間を割きたい。メンバーの価値が改めて見直されてきた。売り注文・買い注文がバランスよく市場に出ている。こういった、市場構造は、入会・購入には絶好の局面と言えよう。

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