ザ・会員権
秋のシーズン利用に備えた事前入会相談が活発に
老舗、優良中堅クラスなど運営重視の選別が顕著
6月はボーナス需要で入会相談が急増し、取引も活発だった。平均相場も上昇傾向に推移した。「夏相場」は、いくぶん低調気味となるのが常だが、今年は堅調さを保っている。この時期、例年は初入会を目指す人の相談・購入が多いが、今年は2つ目以上(セカンドコースを含めて)のコースを探す内容重視派が目立っているのが特徴的。入会したけれど、予約が取りづらい、クラブライフになじめない、競技会の開催が極端に少ないなどを理由に、新たに会員重視の運営をしているコースをといったように、コースレイアウトの良し悪しよりも、むしろ運営内容重視でのコース選択が多い。
会員権価格が求めやすい水準になったとはいえ、全ての希望を満足させるコースに出会うのは難しいのが現状。当社ではこういった事例を回避するため入会希望者に対し、ご相談窓口を設けてアドバイスを行っている。
7月初旬までは動きの少ない期間もあったが、中旬頃から秋のシーズン利用に備え、早めの入会相談が入り始め会員権相場も復調の兆しを見せた。
低額・中堅も高額クラスの動きに連動
法人の見直し買いも徐々に現れる傾向
単純平均相場が堅調さを保っているのは、老舗・名門コースや優良中堅コースに強い入会希望が入り、売りの希望値がプラスに転じているためだ。特に会員権価格250万円以上の人気コースは2ヶ月連続でアップした。
割安感を背景に法人の見直し買いが現れ始めた事、またリタイアを控えたリッチシニアが再び会員権(メンバー志向)に目を向け始めた事が背景にあるようだ。
これまで平均相場を後押ししていた低額・中堅クラスはやや失速感が否めないが、割安感のある優良コースも多くあるところから、入会のための購入問い合わせが増えてくるようだと、今後は高額クラスの動きに連動する場面も出て来よう。
当社への問い合わせ内容で、増加傾向にあるのは電車で行けるコース、施設が充実したリゾートコースなどだが、ランキングのトップはメンバーシップ制の堅持、会員本位の運営が出来ているコースだ。一時の停滞期を脱して上向きに転じている市場状況ではあるが、会員権選びは慎重さも必要になってくる。
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