株式会社ハンナン 代表取締役会長

金井 寛也 さん
Kanya Kanai

NICE ON 2月号【Vol. 424】

今回のゲストは国内有数の中小ものづくり企業の集積地、東大阪市に本社を構える鉄鋼線材加工メーカーの株式会社ハンナン代表取締役会長 金井寛也さんです。同社の主力商品のひとつである「ナマシ鉄線」は、「ハンナンのやわらかいナマシ」として全国的なネームバリューがあり、国内最大規模の生産量を誇るとともに1969年には「ナマシ鉄線」分野で初めてJIS表示認定工場としての認可を受けられました。若い頃から鍛えられたゴルフの腕前は現在も健在で、月7回はラウンドを楽しんでおられるとのこと。スコアアップのためにグリップやスイング方法を研究中とのことで、ご趣味のゴルフでも職人気質の一面が垣間見られました。

取材日:2018年1月11日 / 場所:株式会社ハンナン本社


お仕事のこと

株式会社ハンナンさんは1948年に創業されて今年で70年、人間に例えれば古希を迎えられる大変歴史のある会社です。始めに事業内容についてお聞かせください。

本社(東大阪市高井田)

金井 私どもは鉄鋼第二次線材加工メーカーとして本社及び松本工場でナマシ鉄線、普通鉄線、鉄筋用結束線、足場用結束番線、丸くぎなどを主に製造しております。特にナマシ鉄線の生産量は国内最大規模となっておりまして、独自の加工技術で「ハンナンのやわらかいナマシ」としてお客様よりご好評をいただいております。最先端の熱処理炉を導入し、精度と品質、省エネ、省人化、環境対応には徹底的にこだわっております。またナマシ鉄線分野では初めて1969年にJIS表示認定工場としての認可も受けております。

どのような製造工程になるのでしょうか?

イエローラベルが目印。OKブランドのナマシ鉄線

金井 まず一次メーカー、私どもの場合は電炉メーカーの合同製鐵株式会社さんなどですが、そこから鉄線を仕入れます。それを様々な加工方法によって、お客様からオーダーいただいた線径(鉄線の直径)までプラスマイナス0.01㎜の精度にこだわって細く長く伸ばしていくわけです。最も細い商品としては0.8㎜のものまであります。

用途によってさまざまな種類の鉄線があるのですね。

金井 そうやってできたものが、普通鉄線です。普通鉄線は主にコンクリート管、ヒューム管、U字溝、コンクリートパイルといったコンクリート二次製品の補強用や、機械部品、釘等に使われます。
 ナマシ鉄線というのは、焼きなましといって普通鉄線を750℃くらいの高温で24時間焼き、自然冷却した比較的やわらかい鉄線のことです。用途としては、主にロープのような結束線として使われるほか、建築現場で資材や丸太などで足場を組む際の結束線、古紙類の自動梱包用結束線などに使われます。また、皆さんの身近な例でいえばナマシ鉄線に均一に亜鉛メッキを施したものが針金に、ビニール被服を施したものがビニール線になります。

御社のような独自の技術を持つ中小企業が日本のものづくりを支えておられるのですね。頼もしい限りです。

国内で初めて導入された「炉体移動式高性能熱処理炉」
(写真上)普通鉄線
(写真下)ナマシ鉄線

ゴルフライフについて

それでは、ここからは金井会長のゴルフライフについてお伺いします。ゴルフを始められたのはいつ頃でしょうか?

金井 1970年、昭和45年頃です。

きっかけをお聞かせください。

金井 先代の社長である父親の勧めです。ゴルフを始めるとほぼ同時に父がメンバーだった田辺カントリー倶楽部の法人会員として私も入会しました。最初の頃は父の運転手代わりでゴルフ場への送迎をしていましたが、そのうち「お前もやれ」ということで始めたんです。ただ、当時はゴルフと言えば接待がほとんどの時代で、私は父やお客様の運転手の役目を仰せつかっておりましたもので(笑)、朝迎えに行ってゴルフ場へお送りして、ラウンド後はお風呂に入る間もなく宴会のお世話をしてまたご自宅へ送っていく・・・という感じでした。あまりにも忙しくてゴルフを楽しめるような余裕はありませんし、土日もつぶれてしまいますので、最初の頃はあまりゴルフが好きではありませんでした(笑)。

当時は、ゴルフができないと仕事になりませんでしたからね(笑)。

金井 そうです。とにかくまずゴルフでした。それでもスコアは初めから大体100を切るくらいは出していて、父からは「まあまあやないか」(笑)と言われていました。

それはすごいですね。アマチュアの方で100を切るのは結構長い年月がかかりますよ。どなたかに教えていただいたのですか?

金井 私は人に習うのは好きではないほうですので(笑)、本を読んだりテレビを見たりとほぼ見様見真似でやっていました。ただ、当時田辺CCに所属しておられたプロの方たちと一緒にラウンドして、彼らからテクニックを学んだり練習に励んだりはしました。そのうちにすぐハンデも20くらいになり、最高で10まで行ってシングルプレーヤー目前まで行くほどになり、だんだんとゴルフが面白くなっていきました。しかし、その後は大体10〜12、3くらいでずっときていたのですが、基本ができていないもので(笑)、65歳くらいからは下がり始めました。今でもグリップやスイングを変えたりしていろいろ研究はしているんですが、なかなか・・・(笑)。

まだまだ進化中ということですね(笑)。ぜひ今後はエージシュートを目指してください。

金井 だといいのですけれど(笑)。若い頃はなまじ上手いもので、怖いもの知らずでしたが、年齢を重ねてくると謙虚になって真摯にプレーをしなければと思っています(笑)。

今までのベストスコアをお聞かせください。

金井 田辺CCで80というのがあります。後にも先にも1回だけ、40歳の頃でした。70台を何とか出したいのですけれど・・・。現在弊社の社長である息子も田辺CCのメンバーで、彼も特別なレッスンは受けておりませんが、シングルプレーヤーで70台で回ることがよくありますね。

親子でいらっしゃるので、持って生まれた運動神経の良さも似ておられるのでしょうね(笑)。
ホールインワンのご経験はございますか?

金井 一昨年、田辺CCの17番で初めて出しました。打った瞬間に入ったなと思いました(笑)。ホールインワン保険にずっと入っていて、初めて元が取れましたよ(笑)。

それはおめでとうございます。
現在はどのくらいのペースでラウンドされておられますか?

金井 月に7回くらいのペースです。この年齢になって、やっとウィークデーにも回ることができるようになりました。

現在はどのような方とご一緒されることが多いのでしょうか?

金井 やはり同業者の方が多いですね。田辺CCのメンバーさんには現在も鉄鋼業界の方が多いんです。と申しますのも、田辺CCはもともとは高炉メーカーである大阪製鋼(現在の合同製鐵)の創業者である高石義雄さんが56〜7年前に作られたものです。私どものメインの仕入れ先でもありましたご縁で、ゴルフ場開業時に父もメンバーになったんです。他にも鉄鋼関係の企業の方々が大勢入会され、今に至っているということです。今でも私が入会した当時のメンバーとはよく回ります。皆、70〜75歳くらいになっていますけれど(笑)。

会長は様々なゴルフ場でラウンド経験がおありだと思いますが、今までで印象に残っておられるゴルフ場はございますか?

金井 ジャパンエースゴルフ倶楽部、琵琶湖カントリー倶楽部、枚方カントリー倶楽部、城陽カントリー倶楽部などたくさんありますが、一番と言えばやはり兵庫県のABCゴルフ倶楽部です。今でもよく行きます。

名門ばかりでうらやましい限りです(笑)。

金井 大阪に一般社団法人清交社という会員制の社交クラブがありまして、様々な企業の方々が入会されて親睦を深めており、私も50代の頃からメンバーになっています。そのクラブでゴルフ同好会というのがありまして、廣野ゴルフ倶楽部や西宮ゴルフ倶楽部、鳴尾ゴルフ倶楽部などのメンバーさんもおられるので一緒にラウンドさせていただいているんです。

ABCゴルフ倶楽部にて

田辺カントリー倶楽部にて

そういった機会を生かしてどんどん交友関係を広げておられるのですね。すばらしいことです。やはり、そのあたりがゴルフの魅力にもつながるのでしょうか?

金井 そうですね。やはり交友関係が広がったのがゴルフを始めてよかったことですね。また、一緒にラウンドをさせていただくことによって仕事にも結び付いたという面もあります。

いいことづくめですね(笑)。

金井 魅力という点ではゴルフは奥が深くて飽きることがありませんね。技術だけを磨いてもメンタルの強さがものをいうスポーツなので、心技体すべてが良いコンディションでなければよい成績が残せません。非常に忍耐力も必要ですしね(笑)。

忍耐力ですか・・・耳が痛いです(笑)。
会長は現在田辺CCのメンバーとのことですが、他に所属されているゴルフ場はございますか?

金井 奈良国際ゴルフ倶楽部につい先日入会しました。田辺CCのメンバーさんも多く、自宅からも5〜6分で行けますのでとても便利です。

ますますラウンド回数が増えそうですね(笑)。現在のお立場からご覧になって、ゴルフ全般に対して感じておられることとかご提案などはおありでしょうか?

金井 40〜50代くらいまでの若い方たちのゴルフ離れが気になります。ゴルフ全盛期には1500万人くらいのゴルフ人口があったのですが、それが今や500万人くらいになっているとのことです。私たちの若い頃に比べて友達や仕事関係の方たちとのお付き合いが活発ではないとかプレー代が高いとかいろいろ理由はあると思いますが、ゴルフ場側ももっと間口を広げて集客する必要があると思います。メンバーさんがお客様を連れて来やすいように規制をゆるめてあげるとか、もっと多くのゴルファーに開放するとか、ここのゴルフ場だったら少し高くてもプレーをしたいなという引き付ける力、魅力が必要だと思います。

ゴルフを楽しんでいただける環境づくりですね。

金井 それから、もっと先を見越したジュニアの育成も必要でしょうね。私も10年前から田辺CCのジュニア育成の委員長を仰せつかっているんですが、初めの頃は参加者も多いのですが、中学生くらいになると受験やらサッカーや野球など他のスポーツに時間をとられてしまうのか、だんだん来なくなる。なかなか難しいとは思いますね。でも、まずはメンバーが家族を連れてこられるとかコンペを開催してくれるとかが一番ではあると思いますが・・・。

私どももいかにゴルフの面白さをわかっていただけるか、お手伝いしたいと思います。
会長はたいへんアクティブなご様子ですが、健康維持のために日頃心がけておられることや健康法などがあればお聞かせください。

金井 やはり歩くことです。ラウンドする時もなるべくカートに乗らずに歩くように心がけています。

最後になりましたが、今後の目標や座右の銘がございましたらお聞かせください。

金井 もう年だから駄目だとか思わずに、希望をもって年齢を重ねていきたいですね。ゴルフでは真摯にプレーすること、そしてコンスタントに90〜95くらいの間で回りたいですね。まあ、それは欲張りかもしれないので元気で回れたらいいかな(笑)。
 座右の銘は「不撓不屈」です。これには面白いエピソードがあります。イップスになって苦労をされていた知人がおりまして・・・。まあ、イップスというのはメンタル的な要因が大きいと言われていますもので、彼はそれを克服するために何をしたかというとボールを買ってきて赤文字で「不撓不屈」と書いて自分を奮い立たせてイップスを脱することができたんです。そのボールを私にもくれて、今も記念に手元に置いているんです。私もどんな逆境にもめげないという精神をずっと持ち続けたいと思いますね。

私も肝に銘じたいと思います(笑)。本日はありがとうございました。

株式会社ハンナン
代表取締役会長 金井 寛也 さん

Profile
奈良市在住
1943年(昭和18年)10月19日生まれ 満74歳
●ゴルフ歴  約47年
●所属コース 田辺カントリー倶楽部
       奈良国際ゴルフ倶楽部
●ハンディ  インデックスハンディ18.1(田辺カントリー倶楽部)

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