石原会計事務所 会長・税理士
石原 豊さん
Yutaka Ishihara
今回のゲストは石原会計事務所会長・税理士の石原 豊さんです。会計事務所勤務、公的機関での経営指導員を経て1972年に現事務所を開業。以来45年間、ご本人曰く「税理士〝も〟やっている経営コンサルタント」として、中小企業の経営サポートや公的融資の企業診断などに手腕をふるわれ、その実績を買われて現在も京都商工会議所の融資審査委員長の要職に就いておられます。企業の命運を握る大変責任の重い、緊張感を強いられるお仕事とのことで、奥様と楽しまれる趣味のゴルフが良いストレス解消にもなっておられるようにお見受けしました。
取材日:2017年12月4日/場所:石原会計事務所
お仕事のこと
はじめに業務内容についてお聞かせください。
石原 企業経営全般に関する診断・助言などの経営コンサルタント、融資支援、事業承継、税理士業務、相続税対策及び各申告実務などが主な業務です。
特にお得意な分野というのはございますか?
石原
やはり経営コンサルタント業務でしょうね。私は昭和47年4月にこの会計事務所を設立するまでは中小企業庁の経営指導員として公的融資を前提とした企業診断、審査業務に従事しておりました。その中で、経営コンサルタントとして中小企業をサポートしていきたいという思いが芽生え、業務遂行上必要であった税理士免許を取得して独立致しました。
出身が公的機関ということもあって、その経験を買われてか現在も京都商工会議所の「小規模事業者経営改善資金審査会」審査委員長を務めさせていただいており、つい先日、立石会頭よりもう一期せよとの辞令を頂戴しました。ただ、今回の任期が平成31年で、その頃には私は85歳になりますので「途中ドロップアウトもありでお願いします」とは申し上げています(笑)。
そこで融資の可否が決まるわけでしょうか?
石原 そうですね。いわば企業の生殺与奪の権利を握っていることになりますから、大変責任が重い仕事です。しかも、制度融資というのは国家の税金ですので、厳正な審査が必要です。何十人という委員の意見を取りまとめる立場ですので、本当にしんどいです(笑)。私の場合、そういった国や京都府、商工会議所などから委嘱された公的な職務も多いですね。
先生はご著書も出版されておられるとか。
石原 はい。今年(※2017年)幻冬舎から「どんな不況もチャンスに変える 黒字経営9の鉄則」という本を出版しました。現在、7割の中小企業が赤字状態で景気回復を実感できていません。もちろん、政府も経営難にあえぐ中小企業に向けて様々な支援を行ってはいますが、根本的解決のためにはどうしても経営者の意識を変える必要があります。この本は私の半世紀に及ぶ経験をもとに黒字経営を実現するための方策をわかりやすくまとめたもので、全国からお礼やご相談依頼の手紙もたくさん頂戴しています。
私どももぜひ拝読させていただきます。
「どんな不況もチャンスに変える 黒字経営9の鉄則」(幻冬舎刊)
全国から寄せられたお礼状の数々
ゴルフライフについて
それでは、ここからは石原先生のゴルフライフについてお伺いします。ゴルフを始められたのはいつ頃ですか?
石原 開業してから2年後くらいからですから39歳でしょうか。
きっかけはどのようなことだったのでしょうか?
石原 開業するまではずっと狩猟を趣味としていたのですが、当時、狩猟シーズンは11月1日〜3月15日まででした。開業すると、仕事柄この時期は年末調整やら確定申告やらで多忙を極めるため狩猟を断念してしまったんです。その後、何か年中通してアウトドアで楽しめる趣味はないかと考えていたところ、家内が先に始めていたゴルフがいいんじゃないかと思い、始めました。家内は私が狩猟に凝っている間にゴルフ教室へ通うようになり、その楽しさにはまったようです(笑)。本格的に基礎から習っているので今でもいいショットをしますよ(笑)。
初ラウンドの思い出などはおありでしょうか?
石原 練習もしないでいきなりのラウンドでティーアップのティーもなくて・・・というかそれすら知らなかったんです(笑)。ゴルフを甘く見ていたのかもしれません(笑)。狩猟の場合は動く鳥を撃ち落とすわけですのでとても難しいけれど、ゴルフの場合は置いているボールを打つわけですから、簡単だと思ったんです。ところがこれがなかなか思うように飛ばないんですね(笑)。
そのお気持ちは大変よくわかります(笑)。
石原
ただ、その当時先輩に「とにかく人に迷惑だけは掛けてはいけない」と言われました。最初の内はいくら叩いても仕方がないが、遅れないように必要なクラブを何本か持って走って、走って自分のボールのところへすぐに行けと(笑)。ですから今でもその教えが身についているのか、前でスロープレーをされると少々イライラさせられます(笑)。
現在はどのような方とのラウンドが多いのでしょうか?
石原 今は家内や娘が多いですね。私の場合、仕事柄どうしても土日は急に仕事が入ることが多いもので、友人たちとはスケジュールが合わず計画が立てられません。ですから、思い立ってすぐに行けるとなるとどうしても家族、特に家内と行くことが多くなります。その他は、メンバーコースの定例会などに参加することも多いです。
先生は現在どちらのメンバーでいらっしゃいますか?
石原 センチュリー・シガ・ゴルフクラブ、京都ゴルフ倶楽部、皇子山カントリークラブ、瑞穂ゴルフ倶楽部などです。創業時からのメンバーというところもありますよ(笑)。
よく行かれるのはどちらですか?
石原 現在、フェローシップ委員長と理事をつとめさせていただいております、センチュリー・シガGCが多いですね。かつては毎週日曜日ずっと通っていた時期もありました(笑)。
センチュリー・シガGCにて
それだけ行かれると腕前もぐんぐん上がられたのではないですか?
石原 随分前になりますが、50代の頃、家内と一緒に京都GCで2か月で60ラウンドしたこともあります。そのおかげか、向かうところ敵なしの状態で様々な大会で優勝させていただきました。400人くらいの大会で12アンダーで優勝したこともあります。練習があまり好きではなくて実践あるのみのタイプなもので、とにかくよく回りました。でも、今はもうダメです(笑)。70歳くらいからセスナで下降し始めて、75歳を超えたらヘリコプター、80歳を超えたらオスプレイで墜落寸前です(笑)。
いえいえご謙遜を・・・。
今までのベストスコアもさぞかしすごいのでしょうね。
石原
よくは覚えていませんが、アウト・インとも30台というのが1回だけあります。
石原
川奈ホテルゴルフコース 大島コースです。あそこはもともと昭和3年に開設された名門中の名門で、大島コースは18ホールのすべてにニックネームがつけられていて、「グッドバイ(4番ホール)」などは印象に残っています。3階建ての屋根くらいまでの深さのバンカーがある18番ホールなど名物ホールがたくさんあって、あそこにはよく行きました。友人夫婦と私たち夫婦4人で行って、2日間で大島コースと富士コース合わせて3ラウンドしたこともありました。バブル経済がはじける少し前の時代で、全部で100万円くらいしたかな(笑)。
それはすごいですね。
先生は様々なコースを経験されておられると思いますが、今までで印象に残っておられるゴルフ場があればお聞かせください。
その友人というのは私とほぼ同時期にゴルフを始めた方ですが「一年でハンデを15にする」と宣言して、なんと365日のうち304回くらいラウンドしたとかで、本当に一年でハンデを12にしました(笑)。もう亡くなってしまいましたが・・・。
とても楽しいゴルフライフをお過ごしのことと思いますが、先生にとってゴルフの魅力はどのあたりにあるとお考えですか?
石原 今は苦しみになっていますが(笑)、ゴルフはやはり自分との闘いという部分がありますよね。
自分に勝たなければならないという意味合いでしょうか?
石原 先ほども申しましたが、私は前の組にスロープレーをされたりすると、冷静さを欠いてスコアを落としてしまうことがよくあったんです(笑)。ですから昔は「石原殺しに刃物はいらぬ、前でちょろちょろすればええ」と、からかわれていたこともありました(笑)。
まさに、自分との闘いですね(笑)。
先生は様々なコースのメンバーでいらっしゃいますが、そのご経験を踏まえてゴルフ場へのご要望であるとかご提言などは何かございますか?
石原 ゴルフ場と申しますか、昨今の若いゴルファーの方たちに申し上げたいことは、ゴルフをなさるのなら、メンバーコースを持っていただきたいということです。やはり人間にはよりどころが必要です。家でも車でも自分だけのものを所有されますでしょう。ゴルフも同じでメンバーコースを持ち、オフィシャルハンデを獲得し、メンバーボードに自分の名前を掲げることで初めて、励む心や向上心が芽生えるものです。会員権も一時に比べて手の届きやすい価格になってきましたので、ぜひマイコースは持っていただきたいなと思います。
マイホーム、マイカー、マイコースですね。心強いお言葉ありがとうございます(笑)。
先生はたいへんお元気そうですが、健康維持のために日頃心がけておられることや健康法などがあればお聞かせください。
石原
怠け者なので(笑)、特別なことはしておりませんが、毎朝ベッドの横で柔軟体操のようなものを30分間、20年以上続けています。最初の内は体が硬くて前屈しても床に手が届かなかったんですが、今では届くようになりました。
石原
82歳ですよこれで(笑)。健康診断では体の柔らかさは20代、瞬発力は40代〜50代をキープしていると言われました(笑)。
すごいですね!私などはとてもできません。
それからもうひとつの健康法は苦手な冬を短くすること。元来私は夏が大好きなんですが、京都の夏は短くて、せいぜい7〜9月くらいです。私からすると11月〜5月頃までは、ほとんど冬のように感じます(笑)。ですから冬の期間を1か月半くらい短縮させるために毎年、暖かい場所へ移動するんです。毎年、12月下旬からオーストラリアのゴールドコーストへ行きます。あちらには現在、娘や孫たちも住んでおりますので・・・。私は50年間日本の正月を知らないんですよ(笑)。
それは結構なことですね(笑)。最後になりましたが今後の目標をお聞かせください。
石原
82歳にもなったらもうありませんよ(笑)。ただ、最近考えることは最後のその日まで、自分は自分であり続けたいということです。身体的にも精神的にも。自分の口で食べられる、自分の足で歩ける、自分の手で物を持てる、自分の頭で考えられる・・・それが今の願いです。
石原会計事務所
https://www.imc.jp/
会長・税理士 石原 豊 さん
Profile
京都市右京区在住
1935年(昭和10年)4月14日生まれ 満82歳
●ゴルフ歴 約43年
●所属コース センチュリー・シガ・ゴルフクラブ
京都ゴルフ倶楽部
皇子山カントリークラブ
瑞穂ゴルフ倶楽部 など