奈良国際ゴルフ倶楽部(奈良県)
60年の星霜に磨かれた歴史と伝統が息づく関西屈指の名門コース
名匠・上田 冶氏の設計哲学と真骨頂が見事に開花した戦略の妙
開場は昭和32年(1957年)11月3日。国際文化都市奈良に大阪南部の財界人を中心にホーム指定に相応しい社交的なゴルフ場をということで建設された。
アウトコースからは古都奈良の市街や東大寺大仏殿、興福寺五重塔が一望できる。
インコースからは生駒山系を背景に若草山を望めるなど文化の香りが漂う関西屈指の名コースだ。設計は日本を代表する耽美派の巨匠・上田 冶氏。
9番ホール
各ホールは、四季折々の変化を見せる樹木により完全にセパレートされている。独特ともいえるレイアウトはインとアウトを分ける第二阪奈道路の存在だろう。全体に大きなうねりを持ちフェアウエイも広い雄大なアウトでのプレーの印象を携え、テクニックが要求される戦略的なインへの誘導は心象風景に残る醍醐味だ。特に17番ミドルホールは名物ホールで、池と通称“大仏の足跡”と呼ばれる2つのクロスバンカーがエキサイティングなゴルフを演出してくれる。
18番ホール
ブラインドホールも第2打からはグリーンが視認できる構成は氏の設計哲学・秘術をうかがわせるものだろう。ビッグトーナメントの舞台ともなったが、その折、トッププロをも唸らせた戦略の妙はエピソードとして記憶に残るものだ。
厳格にそして脈々と守られてきたメンバーシップ制の系譜
こだわりこそが名門としての評価を今もなお堅持する原点
堅牢な経営基盤を持ち合わせているからこそ可能な会員本位の運営。18ホールで1200名に満たない少数会員制がメンバーシップ制を堅持できる原点だ。プレースタイルも乗用カートを使用しない全組歩きのキャディー付き。時代に流されないスタイルは、ゴルフプレーの醍醐味を堪能させてくれる。会員の資質も高く、交流も盛んでクラブライフはクラッシックな中にも独特の活気が満ちている。レストランも落ち着いた雰囲気でグルメ派の評価も高い。寛ぎと安らぎ、風格と伝統というメンバーシップ制に求められる本物の空気が流れる数少ない倶楽部といえる。
玄関
ロビー
レストラン
コンペルーム
コースデータ
- コース規模=18ホール、7.055ヤード、パー72
- 設計者=上田 冶
- コースレート=74.9(アウト・イン)
- 練習場=300ヤード・16打席
- 交通アクセス=第二阪奈有料道路・中町ランプより2km
- 電車利用=近鉄奈良線。学園前駅からタクシーで5分。クラブバスは学園前駅北口バス乗車場から運行。