ザ・会員権

NICE ON 12月号【Vol. 422】


相場は安定推移も、上昇の兆しを感じさせる市場環境が整いつつある
名変料の値下げ等入会総費用の軽減化傾向が続き購入し易い水準に

2017年は政界に新しい風が吹き局面の転換を期待させたが不発に終わった。景況感は意外にもしっかりとした足取りを示し、株価もバブル崩壊以降の最高値を更新するなどの場面も見られ比較的順調だ。プロゴルフ界にも新しい風が吹いた。とりわけ女子プロはニューヒロインが続々台頭し、世代交代の様相を鮮明にした。男子プロも海外での活躍や国内でも中堅どころが熱戦を展開、最後まで賞金王争いやシード権獲得でゴルフ人気復活にエネルギーを注入した。こういった環境下、会員権はどう動いたかといえば、年初から多少の上下動は見られたものの、総じて安定推移を示したといえる。ゴルフ場の会員も高齢化が進んでいるがコア層は団塊世代、これに続く団塊ジュニア世代の入会が徐々に高まってきた。法人も接待需要の高まりから会員権の見直しを行うところが増え買い替えやランクアップ需要が見られるようになっている。

こうした動きの背景にあるのが、ゴルフ場の入会諸費用(名変料や入会預託金)の軽減化や入会資格の緩和策が進んでいることだ。入会に必要な総予算が少なくなり、準名門クラスにも入会し易くなったことで会員権の購入が増えている。また、この種の動きはゴルフ界全体に好循環の効果をもたらしている。ゴルフ場も利用頻度の高い会員が増え、名変件数の増加による収入増で経営が健全化、また、相場の安定や回復で徐々に安心感を醸成させている。ゴルフ場も積極的に改修などを行いプレー環境も改善されてきた。現在、入会諸費用が会員権価格(相場)を上回るコースは全国で70%を越えている。このアンバランスさが会員権購入意欲のハザードとなっているといえるが、軽減化が進行、浸透すれば購入機会はさらに高まるだろう。さらなる広がりを期待したい。

市場でも問い合わせレベルから成約を目指した引き合いが増加
価格帯に限定なく、都市近郊コースを軸に買いが先行する商況に

11月前半は購入希望がやや減少したものの、後半にはボーナス需要を思わせる入会問い合わせが入り、買いが先行するカタチで推移した。関西の単純平均相場は81万円。今年3月の水準に戻った格好だ。法人の継続的な退会の動きはほぼ終わったと見られるため、年末まで大きな崩れはなく安定した動きを見せるだろう。購入注文の傾向を見ると、価格帯に限定されず、都市近郊コースが多く購入されている。法人は接待需要から都市近郊の名門コースを、個人でも中堅・低価格帯のアクセスの良いコースを選んでいる。購入希望のボリュームゾーンは名変料を含めた150~200万円までの価格帯で、問い合わせ件数でも割安感のある近場志向が鮮明、エリアも京都、滋賀、奈良県下のコースにも選択肢が広がっている。老舗・名門、優良中堅クラスでも購入価格がわずかながらも回復しており相場は改善の方向にあるといえる。

補充募集も応募は近場志向が濃く、この流れは当面続くとみて良いだろう。また、トーナメント開催コースなどレイアウトが良いコースなども選ばれて購入されている。女性ゴルファーが増加傾向にあるため、女性施設の改善に余念がない。女性ゴルファーのメンバー志向の高まりで施設改善や改修を行うコースも多く、入会件数が増加し、相場が上がるなど相乗効果を生んでいるところも狙い目だ。相場は、高原状態からやや下がり、再び上昇の波動が見えてきた。冬はプレーには辛いが、コースの状態の見学や雰囲気を掴むには最適とされるため、積極的にコースに出かけることをお勧めしたい。

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