コックは骨盤、鎖骨と肩甲骨で作る!?

NICE ON 7月号【Vol. 405】


コックと聞くと皆さんは手首の動きと思われていませんか?
始めに少し骨組みの仕組みを簡単に説明したいと思います。

鎖骨、昔は「巨骨」と言ってとても偉大な骨とされていました。戦後この呼び名は変えられてしまいましたが、今も大切な役割を果している事に変わりはありません。

鎖骨とその周りの骨の仕組み

それではなぜ大切なのか?それは腕全体の動きに大きく関わる構造になっているからです。
腕はどこからですか?と聞かれると多くの人は肩からと答えます。確かに肩から先が上腕骨でその先が前腕となるわけですから間違いではないのですが、問題は機能的観点から見た場合、肩関節群はあばら骨に接していないので体感部との繋がりは鎖骨へ繋がり、最終的に胸鎖関節一点で繋がっている事が分かります。つまり鎖骨回りの筋肉がかたくなってしまう事で胸鎖関節の動きは阻害され鎖骨から肩甲骨や腕への連鎖運動が上手く機能しなくなるのです。いくら背骨を柔らかく使えてもエネルギーが骨盤から背骨、鎖骨に連鎖されてこなければ肩関節から先の腕の動きが単体で機能してしまい手打ちを生んでしまうのです。

鎖骨によって腕と肩甲骨は胸骨に繋がっている

さて本題のコックがどの様に作られるのかについてですが、上記にある様に鎖骨は胸鎖関節を支点に上下に動きます。この鎖骨と肩甲骨の上下動により腕も上下動します。すると「梃子の原理」によりクラブヘッドは上がり手首でコッキングしたかの様に見えるのです。

写真①が鎖骨の位置を示しています。この鎖骨を写真②の様に上下にずらしますと掌も上下にずれます。この動きを写真③から写真④にかけての動きのように上下動させることで、骨の連動によるコッキングが完成するのです。コックと言うと手首の動きのように考えがちですが写真によって違いがわかると思います。
つまりコック一つ取ってみても骨盤からの動きがいかに大切かを理解して頂きたいと思います。

左右の鎖骨の上下によってコックが作られていきます

志村 博康プロ(しむら ひろやす)

 志村 博康プロ(しむら ひろやす)

スイングファクトリー代表。高校卒業後アメリカ・サンディエゴに渡米し、USPGAプロのパトリック・E・ショウ氏に師事し、最新のゴルフ理論を学ぶ。カリフォルニアミニツアーにも参戦。京都初のTPI(Titleist Performance Institute)認定プロコーチ。メディカル、フィジカル、テクニカルにおけるゴルフのスペシャリストとして世界基準認定を取得しております。
現在、よしみねゴルフクラブ(京都市西京区)にて完全個人指導にこだわったマンツーマンレッスンを実施。

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