ギャラリースタンド
バーディー、イーグル、アルバトロスetc
鳥の名前が付いた由来は?
ゴルフはルールを守り、他のプレーヤーに心を配り、自己に偽りを持たないマナーのスポーツである。また、いかに少ない打数でラウンドできるかを競うスポーツでもある。
パー3、パー4、パー5はそれぞれの打数でカップに入れる基準数。
ゴルフをしない人でも、興味のない人でも耳にしたことのあるのが、バーディーやボギーという言葉。そのくらいポピュラーな言葉にも意外なルーツがあるのだ。
では、基準打数より多く打ってしまったり、少ない打数で回ったりしたときに用いられる呼び方をみてみよう。
基準打数(0)はパー、プラス1打がボギー、プラス2打がダブルボギー、プラス3打がトリプルボギー、ここまではよく知られているが、プラス4打はクォードループルボギー、プラス5打はクィンテュープルボギーという。
基準打数より1打少ないのはバーディー、2打少ないのがイーグル、そして3打少ないのはアルバトロス(またはダブルイーグル)、4打少ないのはコンドル(ダブルアルバトロス、トリプルイーグル)という名でよばれている。
そうお気づきの通り、これらは鳥の名前に由来しているのだ。ゴルフをする人ならここまではよく知っている呼び名。しかし意外やルーツまで知っている人は少ないはずだ。
ゴルフの歴史に関する本を調べて見ると、時は1903年、A・H・スミスというゴルファーが1打少なくホールを終えた後、「flew like a bird(鳥のごとく飛んだショット)」と叫んだのが始まりとしている。「bird」はアメリカでは「素晴らしい、優れた」という意味があるとか。それに愛称語の「ie」を付け「birdie(バーディー)」と呼ぶようになったと記している。
イーグルは、バーディー(小鳥というイメージ)よりも1打優れているわけだから、より大きな鳥ということで鷲(eagle・イーグル)と名づけられた。因みにイーグルはアメリカ合衆国の国章である。アルバトロスやコンドルは、この方式に従ってより大きな鳥ということになるが、実は諸説があり定かではないらしい。海外ではダブルイーグル、トリプルイーグルというのが一般的だ。
そして、3万年に1回の軌跡は起きた!
さてアルバトロスの確率はというと、パー3でのホールインワンよりも難易度は高い。そんな奇跡を1つの大会で同時に成し遂げた日本人選手を知っているだろうか。
2011年7月15日、静岡県裾野市の東名カントリークラブ(スタンレーレディスゴルフトーナメント)でのこと。初日に8番でアルバトロス、16番でホールインワン、このミラクルショットを達成したのが、アメリカツアーから日本ツアー復帰を決断した有村智恵選手。ちなみにこの大会で有村選手は初日に65をマークし優勝を飾っている。この記録はもちろん日本プロツアーで初の快挙。日本女子プロゴルフ協会のデータによると(2011年時点)、過去10年間のホールインワンは148回。アルバトロスは5回。ホールインワンは604ラウンドに1回。アルバトロスは、1万7896ラウンドに1回の計算。同一ラウンドで両方が出るのはなんと、1080万9184ラウンドに1回。毎日1ラウンドしたとしても約2万9600年かかる計算になるという。
ゴルフは奥深いといわれるが、悠久の時を経てオリンピック種目に帰り咲いた。歴史を知り、ルーツを探るにはもってこいのスポーツだ。そんなおおらかさで、日頃のプレーも楽しみたいものだ。