「得意を見つけて、得意を伸ばす」

NICE ON 4月号【Vol. 414】


ゴルフのシーズンになってきました。
皆さんは、ゴルフ練習場でどんなことを考えながら練習されていますか?
日本人は、とかく何処が欠点かを探し出す傾向がある様に言われます。確かに私がアメリカで生活しているころ「アメリカ人の多くはなんてポジティブなのだろう」と感じることが多かったことを覚えております。
色々な要因はあるようですが、それはさておきどうしたら楽しくポジティブに心地良いスイングが出来るのかを考えてみたいと思います。

①あえて治さない!?

私は、ゴルフのスイングを直すコーチを主な仕事としています。そんな私が、「スイングを治さない」なんていったら怒られそうですが、なぜかレッスンに来て下さる方々は笑顔で帰っていかれます。
それはどうしてか?それは悪いところに意識してスイングを良くするか、良いところを見つけ良いところを伸ばして、結果として悪いところを治すかの違いです。
結果としてスイングが良くなれば良いのですが、ポイントは「人間である」と言うことです。人間は脳があり脳には認知する能力があります。この認知脳が悪いところを探そうとします。スイングを良くしようとしているわけですから悪いところに気付くことはとても重要なのですが、認知脳はこれに「評価」を下してしまいます。
このことによって人間は不機嫌になったり自分で自分を攻撃したりします。その結果、人間は「ノンフロー状態」になります。つまり能力の出しにくい状態になってしまうということです。

②動きの治し方のはコツがある

例えば、腕の無駄な力を抜きたいとします。このとき2通りの方法があります。
それは「腕の力を抜きましょう」と言うか、「脚や骨盤の動きを意識してスイングしてみましょう」と言うかです。後者の場合は腕の動きに一切アクセスしていません。つまり腕に頼ったスイングは腕を振ることに問題が有るのではなく、その動きを引き起こす環境になっている事が問題であるということなのです。したがって下半身が身体の動きをしっかり作り出した結果として、腕の振りを主体とするスイングの必要がなくなるということです。

③良いイメージのみが良いスイングを作る

さて、本題にもなっている良いイメージについてもう少し詳しく書いてみたいと思います。②でも示した通り悪い部分に改善を求めると自分の悪い部分のイメージが脳に残ってしまいます。「どこが駄目か」ではなく「ここの良いところをもっと良くしよう」とか「あの人の様にスイングしよう」など良いイメージの積み重ねを行って行く事は、心地良く結果の出るスイングを形成するに当たってとても有効な手段と言えます。
日本の教育現場の現状を見るとまだまだ平均を重んじる風潮が残っていますが、是非このゴルフ界から個性を重んじる人間形成も視野に入れてほしいと願っております。

さあ!皆さん今年は是非!悪いところ探しをやめて、良いイメージでナイススコアを達成して下さい!

志村 博康プロ(しむら ひろやす)

 志村 博康プロ(しむら ひろやす)

スイングファクトリー代表。高校卒業後アメリカ・サンディエゴに渡米し、USPGAプロのパトリック・E・ショウ氏に師事し、最新のゴルフ理論を学ぶ。カリフォルニアミニツアーにも参戦。京都初のTPI(Titleist Performance Institute)認定プロコーチ。メディカル、フィジカル、テクニカルにおけるゴルフのスペシャリストとして世界基準認定を取得しております。
現在、よしみねゴルフクラブ(京都市西京区)にて完全個人指導にこだわったマンツーマンレッスンを実施。

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