ゴルフにおける目標と意義
あけまして、おめでとうございます。
昨年は、松山英樹選手の目覚しい活躍が目立った年となりました。世界のランキングもトップクラスとなり名実共に世界のトップランカーと言えるでしょう。
しかし、松山選手のコメントをいつも聞いていて皆さんは、違和感を覚えませんか?
決して、前向きとは思えない発言が多い様に思います。これは現在のスポーツ心理学的には疑問が残るところです。
ではなぜ、マイナスとも取れる発言を繰り返す松山選手が世界トップランカーとしてプレーできるのか?そして、アマチュアゴルファーはどの様にゴルフに向き合えばよいのか、考えてみたいと思います。
ゴルフを行なう意義
私の好きな本の中にこんな文章があります。
皆様に私の尊敬するゴルフコーチの一人フレッド・シューメーカーの言葉を紹介しましょう。
「ある人のゴルフのプレーを見れば、その人の生き方がわかる」
多くの人が、「ゴルフの目的は心の平安と緊張感、そして気の知れた仲間との時間が手に入るのがたまらないのだ」とシューメーカーに言うそうです。
しかし、彼がゴルフのレッスンで何を期待してレッスンに来られましたか?と尋ねると「ショートゲームの腕前を上げたい!」「スコアを伸ばしたい」「パワーを強化したい」とおよそプロゴルファーが望むことを並べ立てて来るそうです。
最初の答えでは、楽しむことだという。2番目になるともっぱら自分のゴルフの欠点ばかり並べ立てる。
さて、皆さんはいかがでしょうか。ゴルフも人生も目標の整合性が取れなくなると問題が起こってきます。ゴルフ、人生、ビジネスでは、将来のある時点で、あらゆることがやっと上手くいったというときに、満足感が得られることを待ち望んでいる人があまりにも多い。皮肉なことに「楽しみが無ければ、自分が追い求めているものを達成するスタミナも情熱も手に入る見込みは無いだろう」とシューメーカーは言います。
目標は、それに着手した瞬間からある程度の満足感を得るようにすべきです。それこそが、自分にとって意義があるかどうかを知らせるリトマス試験紙の一部なのです。
この文章を読んだとき松山英樹選手のことを思い浮かべました。彼は、ゴルフに着手した段階からかなりの満足感を実は持っていて、満足感や意義をしっかりと感じ取りながらゴルフと言うスポーツに向き合っているのだと。だからこそ、自分に対し厳しい様な、マイナスにも取れる発言に耐えうるのだと。ゴルフに取り組んでいることそのものが彼にとって意義あることであり、しあわせなのです。
それに対し多くのアマチュアゴルファーはとかく、結果に対してしあわせを求めようとしてしまいます。つまり結果のでないゴルフはストレスを生んでしまう恐れがあるのです。結果のみに囚われてしまう評価はゴルフの本質を軽視したものと言わざるを得ません。
つまり、目標の整合性が取れないままに練習に明け暮れることで起こる問題に向き合うことでかなりの問題は間違いなく解決されます。
例えば、「今日は、トップの位置を直そう!」という目的の下、練習場に向かったとします。数発練習していると芯に当たらないボールが出始めました。すると「しっかり当てないと!」と言い出して、気付いてみれば芯に当てる練習をし始めます。当然ですがその時にはトップの位置など完全に記憶から抹消されて、そんなこんなしている内に飛距離が・・・・なんてややこしい話まで出てきてしまい帰る頃には何がなんだか分からないということになってしまうのです。
とんかつを食べに行った人が、途中でお寿司が食べたくなって方向転換し、お寿司屋さんに向かう途中カレーの匂いに気を取られ迷い始めて気付いてみれば時間だけがたって何もおなかには入っていない。決してこんなことにはならない様にしたいものです。
今年は、ぜひ目標をしっかりと立ててみませんか?
今年の12月何を達成していたいか!9月までにどうなっていたいか?6月まで何を練習するのか?3月まで・・・しっかりとした目標設定をして自分は何の為にゴルフと向き合っているのか?ご自身なりの意義を持って今年一年を過ごしてみてはいかがでしょうか。
志村 博康プロ(しむら ひろやす)
スイングファクトリー代表。高校卒業後アメリカ・サンディエゴに渡米し、USPGAプロのパトリック・E・ショウ氏に師事し、最新のゴルフ理論を学ぶ。カリフォルニアミニツアーにも参戦。京都初のTPI(Titleist Performance Institute)認定プロコーチ。メディカル、フィジカル、テクニカルにおけるゴルフのスペシャリストとして世界基準認定を取得しております。
現在、よしみねゴルフクラブ(京都市西京区)にて完全個人指導にこだわったマンツーマンレッスンを実施。