ザ・会員権
長い停滞から抜け出せるか!会員権を取り巻く環境が徐々に良化。けん引役が名門・老舗コースや中堅上位クラスに移行する可能性も・・・。
天候不順によるものなのか、酷暑が断続的に続くためかゴルフ場の入場者数が今ひとつ伸び悩んでいる。それでも、プロツアー人気は旺盛、若年層のゴルフ参加希望率も上昇している。ゴルフ会員権相場は、株価など経済状況には左右されない自律相場を形成する商品となったが、ゴルフ場入場者数には微妙に反応する。したがって、シーズンイン、オフシーズンと需要期、不需要期が比例するようになった。安値安定が続いているが、取引状況の停滞感が拭えない。ただ、強い潜在需要は健在だ。法人、個人のエグゼクティブ層、一般個人の良質なコースへのシフトなどで入会希望は、安定している。これらの層の積極的な問い合わせが増えて来た。
1月から6月までの単純平均相場の推移を見ると関東エリアは、0.4%の値上がり、関西エリアは1.0%の値下がりとなっている。
直近では、関西は優良銘柄(48コース)では、0.55%の下げ、単純平均相場(175コース)でも、80万円で1.23%の下げとなっている。
大手の専門業者では、消費税増税による前倒し入会、東京五輪のゴルフ種目での活躍期待効果によるゴルフ人気の復活。名門コースの入会緩和策の浸透、名義書換料の値下げ傾向の持続など、会員権を取り巻く環境が改善されつつあることから、早晩、相場の底上げは近いと見る意見が多くを占めている。
関西エリアの県別による入会希望や問い合わせの多いコースは次の通り。
京都府では、城陽CC、京都GC、日清都CC(新規募集分)。滋賀県では、蒲生GC(名変料減額)、比良GC。大阪府では枚方CC、茨木国際GC、伏尾GC、アートレイクGC。兵庫県では、芦屋CC、六甲国際GC、小野グランドCC、キングスロードGC。奈良県では、奈良国際GC、KOMACC、飛鳥CC、ディアーパークGCなどが人気化している。和歌山県下は、際立った人気化はなく、満遍なく動き地域性を表す動きとなっている。
人気化が著しいのは名門・老舗コースの他には、都市近郊のアクセスの比較的良いコースだ。個人でもメンバー志向が高まっており、低額コースでもレイアウトに定評のあるコースやメンバーシップ制が堅持されているコースなどが選ばれて購入(入会希望)が増えている。
今後、名門コースの入会緩和策が進み、同一法人内の高額な名義書換料の是正、中堅クラスや人気コースの入会諸費用の値下げが進めば、平均相場の底上げは実現するだろう。当面、名門コースや老舗コースの入会緩和策が喫緊の課題と言えそうだ。