ザ・会員権
市場はゴルフ人気に支えられ入会希望が増加、相場は上昇トレンド続く。200万円以上の中堅上位クラス、法人が今後の相場動向を支配しそう!
2020東京オリンピック開幕まであと400数十日となり、各種スポーツへの関心が高まっている。とりわけゴルフ競技は、国内外での若手プロの活躍で沸いておりゴルフ競技への関心、期待感も膨らんでいる。5月中旬は真夏を思わせる暑さで、プレーヤーを驚かせたが、それでも大型連休を過ぎても、ゴルフ場は元気なプレーヤーで賑わった。
市場は、入会希望(買い注文)が先行、退会希望(売り注文)を若干上回る展開。高額・名門コースは相変わらず潜在需要が強いが、上昇トレンドを観てか売却を控える人が多く、人気コースは入会待ちの逆転傾向も見られるところがある。入会希望の多い価格帯は、名義書換料を含めて100万円クラス。このクラスは、名義書換料の値下げを延長するコースが多く初入会や買い替え需要者に手ごろな価格帯と映っているといえる。メンバー志向の高まりでしばらくこの傾向は続くだろう。ゴルフ場が名義書換料の値下げを延長する背景には、この期間に入会希望者が増加していることがある。動きが少ないのは、200万~300万円の中堅上位クラス。名義書換料が高止まりしているコースが多く、買い替え、買い増しには今一歩踏み出せない人が多い。夏相場を過ぎ、消費税率値上げ直前まで様子見が続くだろうが、このクラスが動きを強めると平均相場はさらに上向くだろう。このクラスの動きが令和相場の動向を支配しそうだ。
法人会員権は4月までに買い替え、売却処分を済ませた企業が多く、静かな動きとなっている。
5月号でも取り上げているがエリア別の入会希望(買い注文)が多いコースは次の通り。
京都府では、京都GC、城陽CC、日清都CC。滋賀県では、比良GC、蒲生GC。大阪府では、枚方CC、天野山CC、茨木国際GC、太子CC、関西空港GCなど。兵庫県では、花屋敷GC、宝塚高原GC。和歌山県では、サンリゾートCCが人気化している。
関西地区の平均相場は、低額クラスを中心に全体的に上昇基調を示しているものの、高額クラスや法人の動きが鈍く、大きく流れを変えるという状況ではない。
例年、4月は調整、5月中旬から上昇に向かうというパターンだが、昨年の同期実績を見ても5月中旬から6月末にかけて3~5%の上昇となっている。
こうした動きから、今年も同じような流れが予測できるが、消費税率アップが控えているだけに入会希望者がいつ動き出すかが鍵となる。消費税率2パーセントアップは今の価格水準からすると大きなハザードとなる。
ただ、こういった時期は、コース内容の再検討を含め、コースによっては相場の再評価の動きを強めてくることから、売買には絶好機ともいえる。
今後の傾向としては、中堅上位クラスと企業決算期移行に伴う人事異動にからむ法人筋の動きがポイントとなるかもしれない。