ギャラリースタンド
期待感膨らむ東京五輪ゴルフ競技
カメラ撮影OK?も問われる日本人の観戦マナー
2020年東京五輪では、松山英樹、畑岡奈沙らメダルが期待される日本人選手や世界の一流選手が集結することからゴルフ競技も注目を集めるだろう。男女59選手ずつ118選手が参加する。先頃、その会場となるゴルフコースの説明会が報道関係者を集めて行なわれた。
会場となるのは、埼玉県川越市の霞ヶ関CC東コース。開催に当たっては、484ヤード延長して、全長7466ヤード(パー71)となった。
改修は2016年秋までに行なわれ、グリーンやフェアウェーに起伏が施されたという。説明会では、倉本昌弘強化委員長、小林浩美強化副委員長、中嶋常幸東京企画・準備委員の3氏が10・11・18番の3ホールをプレーした。倉本委員長は「18番(500ヤード、パー4)は、われわれでもセカンドをアイアンで打てる」とスコアの伸ばしあいになるだろうとの競技展開を予想した。
コース説明をしながら委員長が語ったのはギャラリーによるカメラ撮影の是非、現状では他の競技と同様に携帯電話のカメラ機能を使って写真撮影が認められることを明らかにしたが、問題点としてシャッター音などが競技進行に悪影響を及ぼすとの警鐘を鳴らした。
会場は多くのギャラリーで埋まることが予想され、スター選手をカメラに収めようとあちらこちらで撮影することが予測できる。五輪競技で撮影が禁止されている競技はない。ただ、ゴルフに限ってはという声もないではない。と言うのも、われわれ観戦慣れしている者にとっては、選手がアドレスに入った後に、音を出すのはマナー違反と理解しているが、五輪で初めてゴルフを観戦するギャラリーが知らずに撮影し、プレーに影響を及ぼす可能性は大いにある。
余談になるが、あるトーナメントでトップ争いをしていた選手が、パットに入ろうとした瞬間ギャラリーのシャッター音が鳴り響いた。おまけにフラッシュ付だった。選手は仕切り直ししたものの、大事なバーディーパットをはずし、その後スコアを崩したのを観ている。このことが原因かどうかは論議の別れるところではあるが・・・。携帯電話やスマートフォンのカメラ機能でシャッター音が鳴る日本(韓国製も)では、ゴルフの各大会で撮影は原則禁止されている。スタンスに入れば、声を出すのも、憚れる習慣が身についている。ただ、日本男子ゴルフツアー機構では、選手会と協力しプレーの邪魔にならない場所で一部解禁などのギャラリーサービスを行なっている。
ギャラリーは、日本人に限られる訳ではない。欧米などは、シャッター音をオフに切り替えることができるため、海外のゴルフツアーでは音を出さずに撮影するギャラリーが増えているという。
海外からのギャラリーと日本人ギャラリーが混在する五輪ゴルフ。
有名な選手やトップスターが多数出場するとあれば、記念に撮影したくなるのは人情。「カメラが駄目なんて、オリンピックのルールにない」と言う声も聞こえてくるが、プレーに集中する選手に向かって、パシャパシャとお構いなしに撮影するのは如何なものか。五輪では、今のところカメラOKとなる見通しではあるが、日本人のマナーが問題視されないよう心して観戦したいものだ。ゴルフはマナーに始まる競技と言うことを頭に刻んでおきたい。