関西ゴルフ会員権取引業協同組合 理事長
花木 義正さん
Yoshimasa Hanaki
今回のゲストは関西ゴルフ会員権取引業協同組合理事長 花木義正さんです。前職を定年退職されてからご縁があって組合理事長にご就任されたのが平成9年。それから約20年という長きにわたって、一貫してゴルフ業界発展のために力を尽くしておられます。83歳という年齢を全く感じさせないお話しぶりで業界発展のために何が必要かを熱く語っていただきました。「ゴルフ会員権はメンバーになったゴルフ場を優先的に利用できる権利だから、とてもたいせつなものだ。それを扱うものとしての責任は重い」という言葉に、理事長としての矜持が感じられました。
取材日:2018年11月19日/場所:関西ゴルフ会員権取引業協同組合 事務局
関西ゴルフ会員権取引業協同組合について
理事長にご就任されたのはいつでしょうか?
花木 平成9年2月28日です。以前勤めておりました会社を定年退職後にこちらにまいりました。ですからこの職に就いて約20年になりますね。
組合の歴史を簡単にご説明ください。
花木 関西で初めてのゴルフ会員権取引業者が生まれたのが昭和38年です。その後、ゴルフ会員権の売買専門業者は急速に増え、昭和46年に17社が集まって情報交換と親睦を目的に現在の組合の前身である協会を設立しました。その後、昭和51年に42社によって関西ゴルフ会員権取引業協同組合が設立されました。以降、組合員の数は増減を繰り返し、現在は47社が加盟しています。
組合の主な役割についてお聞かせください。
花木 ゴルファーとゴルフ場の間に立って正確な情報をより早く公開し、ゴルファーに対してはゴルフライフを満喫していただくこと、ゴルフ場に対してはクラブにマッチしたお客様をご紹介できるよう努めるとともに、充実したクラブ運営を行っていただくために、安全で安心できる会員権流通市場の形成を心がけています。
組合の目的はどのようなことになりますでしょうか。
花木 まず、ゴルフ会員権市場を運営・管理することです。お客様の大事な財産であるゴルフ会員権が公正な価格で流通し、安心してお取引していただけるように努めております。次に組合員相互扶助の精神で共同事業を行ない業界の健全な発展を促進し、経済的・社会的地位の向上を図ること。さらにお客様の良きアドバイザーとして見識のある優良業者を輩出することです。私どもの組合員は業界内の知識、信頼と実績において厳しい資格審査を経て組合員の地位を得ておりますので、安心しておまかせいただけると思います。以上が主な目的となります。
ゴルフ会員権とはどのようなものか、質問を受けることもありますが、簡単にご説明ください。
花木 ゴルフ会員権もいくつかの種類があるのですが、基本的には預託金制と株主制のものがあります。簡単に言うと会員になればゴルフ場施設の継続的優先利用の権利が発生しますので、ゴルフプレーが有利にできることになります。また、社団法人制というものもあり社団法人の社員としての地位が生まれます。いずれにしても、メンバーになったゴルフ場を優先的に利用できる権利なのですから、会員権というものはとても大事なものだと思います。
ゴルフ場とお客様、双方にとっての橋渡し役として我々の役割は今後もますます重要になっていくと申しますか、なっていかないといけないと思いますね。
関西・関東・中部・四国会員権業者コンペ (伏尾ゴルフ倶楽部にて)
ゴルフライフのこと
それでは、ここからは花木理事長のゴルフライフについてお伺いします。ゴルフを始められたのはいつ頃でしょうか?
花木 以前勤めていた会社では、大体課長くらいになると皆ゴルフを始めるのが通例で、私も32、3歳頃先輩に勧められて・・・と言いますか強引に連れて行かれました(笑)。ですから、私のゴルフ歴はもう50年になりますね。
当時はコンペなども盛んに行われていたのでしょうか?
花木 ぼちぼち始まった頃で、全員参加ではなくて部課長クラスが集まってのコンペでした。それからしばらくしてお得意先のディーラーさんの研修会などがあって、それに必ずゴルフが付きものだったために私も参加しておりました。
ゴルフというものがだんだん世の中に浸透していった時代ですね。
花木 ただ、ルールなども全く知らなかったし、打ち方もわからない(笑)。ですから、先輩方には手取り足取り教えていただきました(笑)。始めのうちは、打ったらとにかくボールの近くまで小走りに走って行けとか、クラブを2〜3本持って走れとか(笑)。
良い時代でしたね(笑)。当時はどのくらいのペースでラウンドされていましたか?
花木
年間30回くらいは行っていました。
現在はいかがですか?
花木 昨年から体調を崩しておりますもので、最近は全然行っていませんが、それ以前は組合のチャリティコンペなどにもよく参加しておりました。おかげさまで体調も徐々に回復してきておりますので、そろそろ再開しようかなと思っているところです。
初ラウンドの思い出はおありですか?
花木 どこのゴルフ場だったかは全く覚えていませんが、前日にゴルフクラブをあわてて買ってラウンドしました。最初5番アイアンで打つように言われて、打ってみたのですが石ころを叩くばかりで(笑)、さっぱり前に進まない。でも、スコアは67・64・61でした。
最初からそのスコアはすごいです(笑)。
今までのゴルフ人生で印象深いエピソードがありましたらお聞かせください。
花木 会社勤務の頃、仲間と一緒に泊りがけでよく行っていましたが、その当時のことです。12月の初旬でしたか茨木高原カンツリー倶楽部へ行った時に、あそこは山の上にあるもので、寒いとは思っていたのですが3ホール目くらいから雪が本格的に降り始め、前に進めない。プレーを中止して風呂でも入って一杯飲もうかということになったんですが、風呂に入ってみたらまだ水で(笑)。風邪でも引いては大変、もう帰ろうと車で細道を下るとアイスバーンになりかけてとても怖い思いをしました(笑)。それからこれも12月のことですが年末休みに入って仲間と和歌山のほうへゴルフ旅行へ行った時に、シューズを置き忘れて帰ってしまったんです。友人に海外で買ってきてもらったもので、ほぼ新品だったので悔しかったのですが(笑)、仕方ないと諦めていました。ところが翌年同じゴルフ場へ行ってみるとなんと取っておいてくれていたんです。それもきれいに拭いて・・・。嬉しいのと同時にゴルフ場のサービスは素晴らしいなと思いました。
それがその後のリピーター獲得へとつながるのですね。
理事長は日本全国のゴルフ場でラウンドされておられると思いますが、印象に残っておられるところはおありですか?
花木 私も会社勤務の頃は全国の主要なゴルフ場へは大体行かせていただきましたが、中でも宮崎のフェニックスカントリークラブはよかった。理由は2つあって、一つは芝が粘っこいこと。もう一つはうっかり中に入れてしまうと出すのに苦労する黒松林です。進行を早めるためとか風通しをよくするためとかだと思いますが、伐採してしまわれるゴルフ場も増えているなかで、逆に面白かった。
チャレンジ精神旺盛ですね(笑)。ところでホールインワンやこれは良いスコアだったというご経験はございますか?
花木 あわやホールインワンということは1回ありました。ピンからわずか10㎝というところで止まって、これは危ないと思い(笑)、保険に入りましたがそれからはホールインワンどころか近づきもしなかった(笑)。スコアがよかったのはるり渓ゴルフクラブ。ハーフですが30台を出しました。また組合に入ってからですが、枚方国際ゴルフ倶楽部でアンダーで回って、ベスグロで優勝した思い出があります。
理事長のお話を伺っていると、気の合ったお仲間とのゴルフを楽しまれているご様子ですが、やはりそのあたりにゴルフの魅力があるとお考えですか?
花木
仲間とのゴルフはやめられません(笑)。ゴルフは交友関係が広がるのがとても魅力ですね。また、一日5時間くらいは一緒にいるわけですから、お互いを理解するのにもとても役立ちます。
現在はどちらかのメンバーになっておられるのでしょうか?
花木 以前は滋賀ゴルフ倶楽部などの会員権を持っていましたが、すべて息子へ譲りました。滋賀GCは息子の妻もメンバーで、孫まで一緒にラウンドしています(笑)。
気に入られたゴルフ場の会員権を代々受け継いでいかれる・・・とてもいいお話ですね。
理事長にご就任されて約20年ですが、現在のお立場でゴルフ場やゴルファーの皆さんへのご提言がございましたらお聞かせください。
花木
全般的にゴルフ場がビジダーの獲得を目指すためか、比較的優しいコースづくりをされている印象があります。もちろん初心者の方用に優しいコースはあった方がいいとは思いますが、一方でメンバーさん向けの上級者用コースも必要です。その解決策として例えばティーの位置を複数設定してみてはどうでしょうか。コースというものはティーの位置でガラッと違うロケーションになります。女性向けのレディースティーは定着していますが、ジュニア用・初級者用・レフティー用なども作ってみてはどうでしょうか。そうなったら7つも8つもティーグランドが必要ですが(笑)、ゴルフ場さんの工夫次第ではやれないことはないと思います。もっと極端に言うとグリーンのピンポジションも1個だけではなくて何個か作ってみてもいいかもしれません。あの旗は女性用ですとか(笑)。そういった遊び心のあるゴルフ場が出てくれば、初心者もメンバーさんもどちらも満足させられると思います。
それからこれは個人的な希望ですが、年齢を重ねると車の運転が困難になる場合もありますので、クラブバスが充実しているゴルフ場はありがたいですね。
近年ゴルフ人口が伸び悩んでいるということを聞きますが、お客様にゴルフを楽しんでいただく環境づくりが必要ですね。
花木 もちろん、ゴルファーもルールとマナーを守ってお互い気持ちよくプレーしたいものですね。やはりゴルフというものはその人の人生がうかがわれる、という部分もありますので礼儀正しさは大切だと思います。
貴重なご意見をありがとうございます。お話は変わりますが先ほど、体調を崩されたとおっしゃっていましたが、健康維持のために日頃心がけておられることはありますか?
花木 ゴルフをすることが健康法だと思っています(笑)。1ラウンドは距離にして大体7㎞ということですので、その間歩き回りますからまずそれがいいですね。体調を崩してからあらためて歩けることに感謝するようになりました。また暴飲暴食もしないようになりました。
最後になりましたが仕事やご自身の今後の目標や座右の銘などございましたらお聞かせください。
花木
組合については、まだ会員ではない方とゴルフ場の双方にもっと認知していただけるように努力したいと考えています。ゴルフに関することは組合に任せれば安心だと思っていただけるようになりたいですね。私個人の目標としては毎日を丁寧に真剣にまじめに生きたいと思います。
また、座右の銘は「日日是好日」という言葉です。中国の雲門というお坊さんの言葉ですが、「好」という文字が入っているため、毎日いい日が続いて結構なことだ、といった意味にとらえられがちですが実は違います。善悪とか好き嫌いとか損得ということに一切とらわれず、今の一瞬に集中すべしということです。話し出したら1時間でも2時間でも話してしまうほど好きな言葉のひとつです(笑)。
お身体に気をつけてこれからも組合のためにご尽力いただければと思います。
本日はありがとうございました。
関西ゴルフ会員権取引業協同組合
http://www.k-golf.jp/
理事長 花木 義正さん
Profile
京都市北区在住
1935年12月5日生まれ(満83歳)
●ゴルフ歴 約50年