ザ・会員権

NICE ON 12月号【Vol. 434】


準中堅クラスやプライスリーダーのコースが相場の動向を支配、
200~300万円の価格帯や人気コースは入会希望者が増加傾向に。

今期の国内プロツアーは、男女とも多くの話題を提供してくれた。とりわけ女子は若手の台頭で世代交代が鮮明となり、若年層のファッションアイコンとしてもゴルフに注目が集まった。中でも、女子ゴルフツアーTOTOジャパンクラシックでは、畑岡奈沙選手が6月の米ツアー初優勝に続く2勝目を挙げ、米ツアー2勝の最年少記録(19歳10ヶ月)を更新した。
ゴルフ会員権市場は、ひところ景気の動向や株価に連動する金融商品的な要素がクローズアップされていたが、現在は純粋な需給のバランスによって相場が形成される正常な市場を形成しているため大きく相場が変化することは少なく、相場価格がそのままそのコースの人気のバロメーターとなっているともいえる。しかし今回の畑岡選手の優勝というプロゴルフ界の熱気が相乗効果として顕れることに期待したい。

11月の市場は、入会希望数はやや減少したものの根強い潜在需要で買いたしの注文が売りたしの注文に先行する週も見られ、比較的安定した推移を示した。購入希望のボリュームゾーンは名変料込みで150~200万円の価格帯。エリア別では、大阪、兵庫などの都市近郊コースに注文数が多く、京都、奈良、滋賀は、老舗や準名門コースに入会希望が集まった。そのエリアのプライスリーダーといわれるコースが順調に買われたため全体相場の安定したバランスを保った。
法人も個人も共通しているのは「近場志向」。法人は接待需要で、個人も中堅、低額クラスで都市近郊、高速のインターから至近のコースを選択のキーワードとする傾向が強かった。また、法人では不要会員権の処分売りはほぼ一巡し、売りに出ているコースなどから判断して、整理の最終段階に入っている印象を強くした。

ボーナスで予算アップし、ランクアップのコースへ買い替え。
コース内容や運営重視など選択基準もよりシビアなものに。

会員権価格100万円以下の低額コースでは、ボーナス需要を思わせる問い合わせや入会希望も見られ、年明けの成約や入会を目標にした人が多い。また、ボーナスで入会の総予算を上積みし、ワンランクアップや、より内容のいいコースへの買い替えにまわす人も多い。
ここ数年、入会諸費用を軽減化する動きが目立ち、さらに、入会資格を緩和するところも多くなってきた。手の届かなかった名門コースがより身近になったことで、様子見していた入会希望者が動き出した感がある。

バブル期に開場し、豪華なクラブハウスや施設を擁し、世界基準を満たすコースレイアウトを持つコースで法的整理を受けたコースが新スポンサーの下で再生したケースも多い。そういったコースに人気が集まる傾向も新しい動きといえる。また、個人では数コース保有による年会費負担を嫌って処分売りに出る人も多く、選択肢は増える傾向にある。年会費納入時期の前後の頃がコースを探すチャンスになるかも。今後は、相場のけん引役は優良中堅クラス。長きにわたる停滞感から脱して上向きに転じる局面が訪れる気配が濃くなっている。安定から上昇へ。年末の市場は活気を予感させる問い合わせが増えてきた。

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