ギャラリースタンド

NICE ON 11月号【Vol. 433】


女子プロゴルフ界を覆う光と影。急がれる協会の体質強化!!
放映権を巡る問題はツアー人気を下げ、試合数減少にも影響する

プロツアーも後半戦に入った。男女とも若手や中堅選手が熱戦を展開、ますます興味が深まっている。とりわけ女子プロは、黄金世代といわれるプロ1年生の19~20歳の選手の活躍が目立ち、ツアーを盛り上げている。そんな中、女子プロゴルフ協会とテレビ局が放映権を巡り紛糾しているとのニュースが報道された。
考えるに、女子プロゴルフ協会(LPGA)が、放映権を持つこと自体なんら不思議ではない。プロ野球でも例えば、阪神VS巨人戦などでは開催地でそれぞれの球団が放映権を持っている。したがって、LPGAが主催権を持つのは当たり前だし、自然の流れ、むしろそうすべきとの意見も多い。

ただ、女子ツアーは、これまでテレビ局が中心でスポンサーを集め発展してきた経緯があり、現在でもテレビ局が主催または共催する試合が14ある。一方、協会が主催するものは3試合のみだ。テレビ局は、スポンサーを探し、開催に必要な費用も負担してトーナメントを育ててきたという自負がある。いわば、協会は開催に当たっては、広告代理店、運営会社、テレビ局に丸投げの状態であったことも否定できない。
こういった歴史がある中で、女子プロゴルフ協会が放映権の帰属にこだわるのは、なぜか。その背景に見えるものは何なのかというのがファンの知りたいところだろう。
消息通によれば、女子プロゴルフ協会の狙いは、ネット配信。ライブ配信で収益を得て組織の安定化を図りたいのではと指摘する。ところが、トーナメント開催に詳しい人の意見によれば、協会は、主催者として企画、運営交渉、営業面でのノウハウが不足していると指摘する。さらに、長期戦略におけるロードマップが不明瞭。戦略、戦術が不明瞭だともいう。これでは、各選手もついてこない。女子プロ界のさらなる発展を目指すのは理解できるが、その視点が定まってないし、説明が不足している感が強いと厳しい。

来期から新たに資生堂がスポンサーに名乗りを上げ、3月から始まる開幕戦から11月まで39週が全て埋まるという公算が高まっている。ただ、テレビ局を中心とした主催者と協会の話し合いは依然平行線のまま。(9月中旬時点)。このままだと、今年の38試合が19年には減少の危機も。女子ツアー隆盛の今こそ双方の大人の対応が求められよう。
華やかで妍を競う女子プロトーナメント。その眩しい光の中で、別件の女性の厳しい戦いが繰り広げられている。

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