ザ・会員権

NICE ON 10月号【Vol. 432】


様子見で中だるみの夏相場も、秋口は買い注文先行で市場も活発に・・・。プレー環境が回復すれば入場者も増え、入会希望者も動く気配が濃厚。

例年、夏相場(7~8月)は、季節柄入会希望者が様子見に転じるため、平均相場も弱含みになるのが通例だが、今年は直接成約には繋がらなかったものの、問い合わせが多く気配値はむしろ上昇した。
8月末の関西エリアの単純平均相場は83万円で、前月比1.22%アップとなった。
KGU(関西ゴルフ連盟)が発表した今年上半期の入場者累計は、前年比96.6%、7月に限れば前年比80%だった。これは、7月の西日本豪雨や連日の猛暑がゴルファーの足を鈍らせたとともにコースの被害も出てプレー環境による影響がモロに出た格好だ。熱中症の風評被害もゴルファーの足を止めた要因にもなっている。台風21号の影響は少なからずあったが、9月後半には入場者は回復傾向をみせ始め、入会に関する問い合わせも増加した。

プロツアーも後半戦に入り、ギャラリー数も回復、ゴルフへの関心が戻ってきている。特に女子プロではニューヒロインが台頭、世代交代が若年ゴルファーのゴルフ参画を刺激している。さらに、企業の業績の上昇と株価の高位安定、接待ゴルフの復活風潮が、入会希望増の心理的な後押しとなっている。夏の不需要期を過ぎ、快適なプレー環境が戻ってくれば、早晩、秋口からの成約が伸びて平均相場のプラス幅が広がると思われる。

価格帯別では、200~300万円の優良中堅クラスや50~100万円クラスの問い合わせが多い。エリア的にも偏りは見られず、満遍なくコースが選択されているのが特徴的だ。
相場に夏枯れが見られなかったのは、株主総会を終えた法人が新役員の接待用にと買い替えやランクアップに転じたこと、個人のリタイアを前にしたホームコース探しが活発になったことが下支えしたためと思われる。

入会希望の多いコースの傾向を見てみると、法人、個人とも入会条件の厳しいところを避け、比較的入会の容易な準名門や老舗、名変料の負担の少ない優良中堅や低額クラスなど、入会のし易さなど負担の少ないコースという共通項がみられる。また、都市近郊が条件であった入会希望者も、高速道の延伸開通やアクセスの良化でコースの選択範囲を広げている。そのほか、経営に安定感のあるコース、会員数の適正なコース、コース改修など勢いが感じられるコースなどのチェック項目も度合いを高めてきた。

秋口の相場は横ばいコースを含め大きくは上昇しないものの、夏枯れの反動から全面高の色彩も見えてくる。コース選択に迷いが生じた場合、専門業者からさらに詳しい情報を収集したり、コースラウンドを重ねて、そのコースのメンバーから直に情報を得るなど情報を積極的に入手することを奨めたい。相場が上向きに転じる局面が、入会の好機であるというのが専門筋の大方の見方ということも知っておきたい。

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