ゴルフショップ ウィザード 代表
谷口 和馬さん
Kazuma Taniguchi

NICE ON 7月号【Vol. 429】

今回のゲストはゴルフショップ ウィザード代表 谷口和馬さんです。ゴルフ用品の量販店を経てゴルフショップ ウィザードを立ち上げられたのが17年前。当初は品揃えもままならない状態で大変ご苦労されたとのことですが、座右の銘である「Do My Best」の言葉を胸に着実にここまで歩んでこられました。今では、他店にはない品揃えとお客様に合ったクラブをとことん追求する姿勢が評価され、お店のファンも増えてきたとのことで、インタビュー中も「一人でも多くの方にゴルフを好きになっていただきたい」という熱い思いがひしひしと伝わってきました。

取材日:2018年5月29日 / 場所:ゴルフショップ ウィザード


ゴルフショップ ウィザードのこと

ゴルフショップ ウィザードを始められた経緯からお聞かせください。

ゴルフショップ ウィザード(京都市西京区上桂東ノ口町 桂川街道沿い西側)

谷口 僕はもともと某量販店に約12年間勤めた後、独立してゴルフショップ ウィザードを立ち上げて今年で17年になります。現在の店舗の隣にあるマンションの地下倉庫から始めましたが、当初資金がほとんどなくて100万円の借金からのスタートでした。最初は本当に資金的に苦しくて(笑)、内装工事も安く上げるために、知り合いの方に北山杉の余ったものをいただいて什器は全部手づくりし、壁紙もすべて自分で貼りました(笑)。

商品はどのように調達されていたのですか?

谷口 量販店ではバイヤーをしていたので、いろいろなメーカーさんとのお付き合いがあって、その伝手で商品を仕入れていましたが、全くお話にならないくらいの品揃えしかできなかったので商品を借りて売っていました。

借り物というのはどのようなかたちでしょうか?

谷口 委託販売ということです。知り合いの中古屋さんから商品を借りてきて、売れた分だけ支払うというかたちです。

軌道に乗るまではなかなかご苦労されたんですね。

谷口 皆さんに本当に助けていただきました。最初の5年間くらいは全くの一人でやっていて途中でもうやめようかと思ったこともありました。でもそのうちに、お客様のひとりが従業員として働いてくれたり、量販店時代のお客様に買っていただいたりと本当にまあ、我ながら奇跡的だったなと思います(笑)。

そのような紆余曲折を経てこのような立派な店舗を構えるまでになられた・・・。こちらのお店はオープンされてどのくらいになりますか?

谷口 2年ちょっとになります。

どのようなコンセプトでショップを経営されておられるのでしょうか。ここがゴルフショップ ウィザードの強みというようなことなどお聞かせください。

谷口 豊富な知識を持った専門スタッフが、お客様に合ったクラブや用品をご提案させていただけるということが一番の強みだと思います。スコアを伸ばそうと思うとレッスンを受けるということも一つの方法ですが、やはり道具選びというのはとても大切なことだと思います。皆さんが思っておられる以上に今は様々なクラブがあって、フィッティングをきちんとして的確なクラブを選ぶと、ショットがこんなに違ってくるのかと実感できるものがいっぱいあるんです。特に当店の場合は、お客様のご要望に合わせてカスタマイズも可能で、ドライバーからパターまでのヘッドとシャフトの組み立てはもちろん、お客様のスイングの特徴を分析してベストマッチするお客様だけのクラブをご提案することができます。

クラブのカスタマイズにも対応

お店側としては、なかなか根気が必要な作業ですね(笑)。

谷口 そうかもしれませんが、お客様に納得していただけるまで、じっくりとお付き合いするのが当店のいいところかなと思います。
また、もう一つ大きな特徴としてはパタークラブには力を入れていて、フィッテングのために1階のショップのど真ん中に大きなグリーンを設置しているくらいです(笑)。実はパターというのはスコア全体の4割も占めることをご存知でしたか?

そんなに高い割合なんですか?

谷口 パターの精度を高めていくだけで一気にスコアが上がるんです。それなのに皆さんドライバーやアイアンに比べて、パター選びには結構無頓着だと思います。パターの構造をちゃんとわかった上でのクラブ選びが必要なんです。その方のテイクバックの角度とか打点の位置とかテンポやリズムなどによって、きちんと芯に当たるパターが絞られてくるんです。本当にストレスのないパターを使うとテイクバックをまっすぐに引かないといけないとか何も考えなくていいんです。最終的に距離感だけに集中すればいいので入れやすくなるんです。通常、皆さん1ラウンドあたり36パット以上の方が多いと思いますがそういう方でも一気に5〜6くらいは縮まる場合もあります。

それはありがたいです(笑)!

谷口 当店ならパッティングを細かくチェックしてお客様に合ったパターをご提案することができます。パターのことだったらウィザードに行けというくらいに言われたら嬉しいなと思います。

それは他店にはない強みになりますね。他にもここは違う、ということはおありでしょうか?

谷口 いわゆる量販店にはないレアものアイテムの品揃えが充実しています。例えばパターでいえばスコッティ・キャメロンだとか地元京都で大人気のべノックだとか・・・。特にスコッティ・キャメロン関連商品はいろいろなルートから入手できますので、レア商品も他店に比べて比較的手に入りやすいと思いますよ。もちろん、人気商品も取り扱っておりますので、初心者からこだわりのクラブをお探しの方までトータルにサポートさせていただいています。

ネット通販もされているとか・・・。

谷口 はい。楽天とかYahooなどにも出店しています。東南アジアを中心にアメリカ、ヨーロッパなどからもご注文をいただいています。

ショップの横には試打コーナーもありますね。

谷口 フィッティングのためでもありますが週4回、プロによるインドアレッスンも行っているんです。他とちょっと違うのは、本格的なパターレッスンができること。こちらの店をオープンした時から始めました。

いろいろとユニークな取り組みをされておられますね。

谷口 とにかくお一人でも多くの方にゴルフを楽しく続けていただけるように、トータル的にサポートさせていただける店づくりを目指しています。

最新のシュミレーターでスイング、球筋、飛距離をチェック

店内にあるグリーンでパターのフィッティングもOK

ゴルフライフについて

それではここからは谷口さんご自身のゴルフライフについて伺いたいと思います。初ラウンドはいつ頃でしたのでしょうか?

谷口 30年くらい前です。量販店に入社してすぐに九州へ転勤になり、店の隣にあった家電店の方に誘われたのが初ラウンドです。歩きでワンハーフ回りましたが、クラブも靴もすべて借り物だったために、靴づれができてしまって最後はとにかく帰りたいの一心でした(笑)。

スコアはいかがでしたか?

谷口 ワンラウンドして147。忘れもしない(笑)。せっかく量販店に勤めているのだからやはり道具は自分で揃えないといけないなと思いました。それからはいろいろと自分なりに勉強して結構詳しくなりました。

その頃から道具へのこだわりがおありになったわけですね。現在はどのくらいのペースでラウンドされていますか?

谷口 プライベートでは全然行けていませんね(笑)。

お客様に誘われることはありますか?

谷口 レッスンを受けていただいている方で、ちょっと行き詰まっておられる方とか初心者の方とご一緒させていただくことはあります。スイングを拝見して、ちょっとアドバイスをさせていただくだけでショットが良くなって、「すごい、こんな球打ったことない!」と喜んでいただけると、本当に嬉しいです。僕としては少しでも多くの方にゴルフを好きになって続けていただけたらいいなと考えていますので。

そうやってゴルファーのすそ野を広げておられるのは素晴らしいことです。
谷口さんのベストスコアをお聞かせください。

谷口 大きな声では言えませんが(笑)、77です。ただ、昔ほどスコアにはこだわっていなくて、とにかく内容が楽しければいいかなと思っています。

今までラウンドされて印象に残っておられるとか、お気に入りのゴルフ場はおありですか?

谷口 廣野ゴルフ倶楽部は印象的でした。何がすごいって町中にあるのに、街並みが見えない。完全に木々に囲まれた異空間でゴルフに集中できます。もちろんコースもすごくて、特に廣野GCの設計者であるC・H・アリソンの名が冠されたアリソンバンカーには泣かされました(笑)。壁みたいに立ちはだかって(笑)、自分が持っていたバンスのあるウェッジでは7、8打と打っても出てこなかった(笑)。あらためて道具選びは大切だなと気づかされました。
それから最近いいなと思っているのが瀬田ゴルフコースです。コースの種類も豊富だしアクセスもいい。僕のお客様がたまたま西コースのメンテナンスをやっておられて、3年かけてトーナメントが開催できるコースにまで整備された。松の葉っぱを1本ずつ拭くことから始められたそうです。

谷口さんにとってゴルフの魅力はどのようなことでしょうか?

谷口 人生と同じだということでしょうか。僕が商売を始めた頃のお師匠さんから言われた「あんたは今、ティーオフもしていないな」というひとことが今でも印象に残っています。まだスタートラインにも立っていないという意味で、早くティーオフできる状態になりなさいという励ましの言葉だと感じました。その方には今、人生の何番ホールにいるのか常に意識しなさいとも言われました。3ホールずつ区切ってその3ホールを1日と思って目標を立てる。例えば3オーバーという目標を立てても5オーバーになるかもしれない。でも、たとえ目標をクリアできなかったとしても、すぱっと忘れて次の3ホールは目標に近づけるように努力をする。そうやっていけば18ホールに到達する頃にはもう、大叩きをしなくなるだろう。18番できれいに終われるようなストーリーを自分なりに作れと言われました。

素晴らしい方との出会いがあったのですね。

谷口 やはり人との出会いはゴルフの魅力のひとつですね。経済界のトップの方とか著名人の方とか、普通に生活していたら会えない方と知り合えてフランクにお話ができたのもゴルフのおかげだと思います。

谷口さんにはご商売柄様々なゴルフ場の情報も入るのでしょうか?

谷口 そうですね。お客様からもよくあそこのゴルフ場のメンバーになりたいんだがどう思う?とか相談を受けることがあります。時々聞くのがゴルフ場の格をキープすることにこだわりすぎて厳しすぎる入会条件を課すとか、排他的なゴルフ場も結構あって、もう少し門戸を広げてもいいのかなと思う部分もあります。

時代の流れに合わせる必要がありそうですね。
ところで、会社を経営していくために健康には十分気を付けておられると思いますが、健康法などはおありですか?

谷口 水泳にはできるだけ毎週通うようにしています。やはり全身運動ですので、無理のないかたちで筋肉が使えるということがいいんじゃないかと思います。気持ちもいいですし、肺活量とか持久力もアップするように思います。

最後になりましたが、今後の目標とか座右の銘がございましたらお聞かせください。

谷口 座右の銘は「Do My Best」、最善を尽くすということです。その時々の最善ということで、無理をせず一歩ずつ足元を確かめながら、これからも歩いて行きたいと思います。

本日はありがとうございました。

ゴルフショップ ウィザード
http://www.golf-wizard.jp
代表 谷口 和馬 さん

Profile
京都市西京区在住
1966年10月23日 満51歳
●ゴルフ歴  約30年

■ 登録・解除フォーム

ご登録されたいE-mailアドレスを入力し、ご希望の項目ボタンを押してください。