正しい練習の方法

NICE ON 8月号【Vol. 406】

ゴルフ練習場で皆さんは色々な練習をされていますよね。
いきなりドライバーを打ち始める人、アプローチをひたすら行なう人・・・。

効果的な練習とは、いったいどの様な練習を言うのでしょうか。
今回はこの点について書いてみたいと思います。


「運動神経が悪い」こんな表現をよく耳にします。これってどうゆう事なのでしょうか?

私は、あまり正しい意味合いを表していない表現だと思っています。
スポーツバイオメカニズムの第一人者である東京大学の深代千之(ふかしろ・せんし)先生も「筋肉を鍛えても、正しい動きが運動神経に伝わらない限りパフォーマンスは向上しない」と言っています。つまり、むやみやたらに汗をかいて頑張った「つ・も・り」の練習はもうやめましょう。
また、私も指導員として世界に向けて発信しているのが、「骨ストレッチ」です。創始者である松村卓(まつむら・たかし)先生は、「からだの一部を伸ばしたり、太くしたりしてもパフォーマンスは上がらない」とも言っています。つまり「からだ」全体の骨組みをイメージすること、骨の動きを理解することが、実は効率的なエネルギーを生んでいくのです。

これ等の事を踏まえて、どの様に練習をすればよいのかを考えていきましょう。
よく「分かっているつもりなんですが……」という方が多くおられます。これはつまり理解出来てないのでは無く、言葉として「左脳が理解をして運動を司っている右脳と運動神経に対するアプローチが足りていない」だけの事なのです。
例えば、バックスイングで「からだ」の動きはどの様に動くことでエネルギーが効率よくボールに伝わるかを身に付ける場合、先ずしっかりしたコーチに正しい教えを受けて、その内容をしっかり左脳が理解します。次に骨組みの動きをスムーズに動かすことが出来るか、「からだ」と相談します。つまり今から動かしたい部分の運動神経に意識を高めて少しずつ刺激を与えます。これを何度も繰り返すことで正しい動きが小脳に記憶されます。この作業こそが正しい効率の良い練習なのです。

皆さんは、車に乗っている時タイヤが正しく回っているか心配しませんよね。当然自らタイヤを回すことも出来ません。ただアクセルを踏んでいるだけですよね。つまり車が前に進んでいる直接的影響には関与していないのです。それで車は前に進みます。
ゴルフのスイングもクラブを振るのではないのです。骨盤と背骨が連動して鎖骨が動く練習を意識して運動神経を刺激し動きを小脳に記憶する事なのです。そうすればタイヤが回るようにボールは真っすぐ飛んでいきます。
ボールが飛んでいく直接的影響には関与せず、「からだ」の回転に全神経を没頭させる事で結果としてボールは真っすぐ飛んでいくのです。
何事も、見方を変えてみる事が大切です。ボールを打つのだからボールを見るのでは無く、「からだの回転」運動があるからボールが真っすぐ飛んでいくのです。この真実を正しく行なうことが何よりも上達に必要な事なのです。
まだまだ暑いこの季節、「からだも頭も」クールダウンして、楽しいゴルフを行って下さい。

志村 博康プロ(しむら ひろやす)

 志村 博康プロ(しむら ひろやす)

スイングファクトリー代表。高校卒業後アメリカ・サンディエゴに渡米し、USPGAプロのパトリック・E・ショウ氏に師事し、最新のゴルフ理論を学ぶ。カリフォルニアミニツアーにも参戦。京都初のTPI(Titleist Performance Institute)認定プロコーチ。メディカル、フィジカル、テクニカルにおけるゴルフのスペシャリストとして世界基準認定を取得しております。
現在、よしみねゴルフクラブ(京都市西京区)にて完全個人指導にこだわったマンツーマンレッスンを実施。

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