スイングの基本
動かないスイングは、スイングじゃない!
スイングに「壁」も「軸」もいらないのだ!
今日、様々なゴルフレッスン書が出版され多くの雑誌が毎週のように書店に並んでいますが、私が日々練習場でレッスンしていて感じることは、多くの方が行おうとしているスイングはほとんど昔と変わっていません。それは私がゴルフを始めた25年前からずっと・・・、と言うことはそれ以前からずっとと言うことになりますよね。
頭は動かさない! ボールをよく見て! 膝は動かすな! 軸をぶらさない! 脇を締めて!などなど。
日本のスイングは動きでは無く、動かないことを教えて来てしまったようなのです。
アメリカと日本のプロゴルフ協会が設立された年数は同じだということを以前聞いたことがありますが、アメリカのゴルフ界は体の研究が進み多くのパーソナルトレーナーが当たり前のようにプロ達をサポートしています。片や日本と言えば、自分勝手にウエイトトレーニングをしている始末、トレーナーが付いているにも関わらず胸筋や腹直筋を鍛えているプロもよく見かけます。本来の人間のパフォーマンスが失われてしまうようなトレーニングはしない方が良いこともあるのです。
そこで、今回はスイングの基本的「動き」を簡単にお伝えしようと思います。と言っても昔から日本で言い伝えられて来たスイング理論とはだいぶ違いますのでご注意ください!
アドレス
左右の体重配分と重心位置
人間の体は、見た目は左右対称ですが、内臓のバランスは左右対称には出来ていません。内臓の中で一番重い臓器は肝臓でおおよそ2kgが平均的重さと言われていて、その肝臓は右側に位置しています。と言うことは重心位置が真ん中にあると人間の動きは右に傾いていく事になります。これを防ぐために人間は自然と左重心になっていると言われています。ゴルフのアドレスも左重心を心がけましょう。
左はボールを打ち上げようとして右重心になっている悪い例
右は体の本来の形である左重心を心がけた良いアドレス
足の裏の重心位置
アドレス時からかなりの割合でスイング中も足裏の重心は、土踏まずの一番後方側に置くのが理想的です。
ややかかと側になりますが、ここで地面を押す事が地面反力を得る事になるのです。
右図:土踏まずの後方部で地面を踏む良いアドレス
バックスイング
とても大切な股関節の動き
アドレス時からかなりの割合でスイング中も足裏の重心は、土踏まずの一番後方側に置くのが理想的です。
ややかかと側になりますが、ここで地面を押す事が地面反力を得る事になるのです。
右図:バックスイングは右股関節の動きが最も大切
多くの方がかなり間違っている上半身の動き
よく、「肩を回す」と言われますが肩を回す事はほとんどありません
肩の動きは縦の動きをします。上下動を意識しましょう。
左は肩を回そうとして横回転している悪い動き
右は縦の動きがある良いバックスイング
トップ
重心位置と地面への圧力のかかる配分
トップでは、右体重になるように練習されている方がおられますが、あまり体重移動をしないようにしましょう。重心は左に意識したままで、右足は踵で地面を押すようにする事が大切です。
決して体重を乗せる事と一緒にしないようにしましょう。
左は右に体重移動した悪いトップ
右は左重心の良いトップ
ダウンスイング
地面への圧力と反力の利用
トップの時点で右踵で踏んでいる地面を再度踏むようにしましょう。
親指で押すのは禁物です。
左は右踵がしっかり地面を押した良いダウンスイング
右は右の指で地面を押してアーリーエクステンションの原因を生んでいる悪いダウンスイング
フォロースイング
左足の動き
フォロースイングでは左足踵で地面をしっかり踏み込む事がとても大切です。
左脚の外旋運動を行いながら左へバンプ(体全体で移動する事)して行きましょう。
左は左脚を外旋運動して地面を押せている良い使い方
右は左脚が止まり手打ちの方の典型的な足の悪い動き
最後に・・・
スイングのポイントを書き出してみましたが、これらのポイントを誤解しないようにまずは練習して下さい。間違った練習は脳に間違った運動学習をさせてしまいます。
ゴルフシーズンの始まりでこれから練習を始める方々も多いと思いますが、正しい練習を身につけて頑張りましょう!
志村 博康プロ(しむら ひろやす)
スイングファクトリー代表。高校卒業後アメリカ・サンディエゴに渡米し、USPGAプロのパトリック・E・ショウ氏に師事し、最新のゴルフ理論を学ぶ。カリフォルニアミニツアーにも参戦。京都初のTPI(Titleist Performance Institute)認定プロコーチ。メディカル、フィジカル、テクニカルにおけるゴルフのスペシャリストとして世界基準認定を取得しております。
現在、よしみねゴルフクラブ(京都市西京区)にて完全個人指導にこだわったマンツーマンレッスンを実施。