ザ・会員権
人気コースに限定される傾向だが、割安な名門など高額クラスに入会希望が増加
法人の前倒し購入や個人の買い注文増で平均相場も安定成長の展開が続く
待ち望んだプロツアーの開幕とともに、会員権市場も活気を帯びてきた。昨年11月には底値になった平均相場も1~2%と伸びしろは僅かながら、12、1、2、3月と4ヶ月連続で上昇波動を描いている。2月は、株価の乱高下で景気の不透明感が出たため、個人の入会希望に様子見が広がるのではないかとの懸念があったが、意外や買いの注文が先行し、潜在需要の根強さを示した。3月に入っても、法人の前倒し需要から入会希望や買い替えによる問い合わせがより活発化した。
法人および個人の問い合わせは高額クラスが多く見られたが、人気コースや割安感の強いコースにも引き合いが集中しているのが特徴的。老舗や新名門など選択の幅は広いものの、都市近郊に偏る傾向がみられる。入会資格が厳しいところや市場での売買が表面化しにくいコースは敬遠されている。
こういったコースの選別の2極化は、高額コースに限ったことではなく、低額コースや中堅コースでも人気・不人気コースの選別が鮮明となってきている。
相場表の座標軸で最も多いのは横ばいコースだ。ただ、シーズンインでこの中の値上がり予備軍と注目されるコースへの問い合わせが急増している。それはトーナメント開催コースや公式アマチュア競技の開催コースなどで、競技会開催に向けてコースの改造や整備を進めているため、特に人気が高くなっている。
法人や個人に共通しているのは接待需要に合致しているコース。老舗コースなど一級品から割安な名門まで購入対象が広がっていたが、コースが絞られてきたというのが実感だ。いずれにせよ、夏までの市場の動きは法人が鍵を握る展開になりそうだ。
高額クラスの復活が相場動向を支配する局面に
シーズンインで入会希望が加速し相場も上昇気配
単純平均相場は、月単位で1.5~2%のアップ率を保っている。これは、プロツアー開幕やシーズンインでプレー意欲が一気に開花するためだ。この時期は、法人の不要コースの処分や個人では年会費の複数負担を嫌って売りに出る時期でもあり、市場では選択肢も増えている。入会を希望している人にとってはターゲットを絞るチャンスでもあり、市場の動きを注視していると思いがけない好物件に出会える時期でもある。
これまでは、優良中堅クラスの上昇が高額クラスの弱い気配をカバーし、低額クラスの続落傾向に歯止めをかけるといった市場構造だったが、現在は高額クラスの復活が相場の動向を支配する局面に変化している。
優良中堅クラスの買い注文(入会)が一巡したことで、高額クラスに割安感が出始めたことも背景になっている。
名変料の値下げを継続するコースも多い。入会資格の緩和化を急ぐコースも出てきた。会員権購入や入会を検討するには絶好機が到来しているが、選択肢も多く買い手(入会希望者)の迷いを誘う局面でもある。手間を惜しむことなく、相場の動向に目を凝らし、専門業者に問い合わせを頻繁に入れ、相談することをお勧めしたい。