ヒモトレをゴルフに活用してみよう!

NICE ON 3月号【Vol. 425】


ヒモトレをゴルフに活用してみよう!

3月に入りいよいよゴルフシーズンに突入してきましたね。
そんな中、皆さんの身体はいかがでしょうか。動き易い身体になっているでしょうか?
アスリートファーストという言葉がアメリカでは盛んに言われています。まず動ける身体を造る、その後に動きを覚えていく事がとても大切であるという考え方です。当たり前といえば当たり前の話なのですが、とかくゴルファーはこの当たり前がなかなか実行されて来なかったのが、日本のゴルフ界の低迷に繋がった一つの要因であると考えております。
そこで、今回は自分の體(からだ)をしっかりと動かして行くための方法として「ヒモトレ」を紹介したいと思います。
私が、「ヒモトレ」を知ったのは、古武術の先生である甲野善紀先生の講習会でした。古武術の第一人者である甲野先生が腑に落ちた方法であれば何か良い効果があるはずと私なりにゴルフのスイングに取り入れたり、レッスンで生徒さんに紹介して行ったところ、色々と良い効果がありました。今までも、骨ストレッチや古武術的動きをゴルフに取り入れる事などを提案させて頂いて来ましたが今回紹介する「ヒモトレ」もとても効果のあるトレーニングですので是非取り入れてみて下さい。

◯ヒモトレの注意点

・ヒモトレは使うヒモが大切です。使うヒモは「丸ヒモ」をお使いください。平ヒモは良くありません
・少し弾力があるヒモが理想的です。
・ヒモを體に巻いたり、かけたりして体操をするのですがその際、體をヒモで強く巻いてしまうと逆効果となります。體が自ら心地よく感じる程度の巻き具合で十分です。
以前に骨ストレッチでもお伝えしたことがありますが、大切なことは體で感じることです。そして、ヒモを巻いてスイングした時の動きの良さを感じ取り、ヒモを取ってスイングしても同じ感覚でスイング出来るようになるまでスイングして下さい。

◯上半身のヒモトレ

・タスキ掛け
昔からあるこのタスキ掛けは背中や肩甲骨の力が抜けて動き易くなります

左は前からの写真、真ん中は後ろから見た写真

たすき掛けをしてスイングしてみる。※服の下に紐を巻いても大丈夫です。
たすき掛けをしてスイングする事で肩甲骨まわりの可動域が広がりスイングが楽になります。

・腕に紐をかける
肩関節の可動域が飛躍的に変わります。

左は普通に腕を上げた場合、右は紐を腕にかけて腕を上げた場合

紐のかけ方は紐をクロスにして軽く張る様に腕にかけます。
こうする事で、末端の運動が制御されて中心部の関節が反応し易くなると考えられます。
つまり、この様に紐を腕にかけてエクササイズすることによって本来持っている可動域をより効果的に動かすことが出来るのです。

◯下半身のヒモトレ

・膝の下に巻く
ゴルフスイングは重心が下がることがとても大切です。このことにより地面を足の裏で押し込むことが出来て地面反力を有効活用することが出来ます。実際、紐を巻いてからスイングをすると地面を踏み込めていることがよくわかります。      

膝の下に軽く紐を巻くことで脚の動きが軽くなったり、重心が下に感じ易くなったりします。

◯最後に・・・・

今日、ゴルフ界はスイング分析や見える化することに驀進しています。私もレッスンではカメラを使いスイング解析したり、TPI(タイトリスト・パフォーマンス研究所)の一員としてスイングのグラフ化・データ化は指導者の知識向上にはとても良いし、プレーヤーサイドからも現状を把握する上で必要だとは思います。しかし、人間の能力を伸ばして行くこと、人間の可能性に挑戦していこうとした時に必ず必要なことは己を信じ自らの體(からだ)が伝えようとしていることに敏感に反応することがとても大切です。理論書も多く出ていますが頭でっかちになりすぎずこの「ヒモトレ」も活用して、體に聴く癖を付けて行くことが求められている様に思います。
これからのゴルフシーズンに向けて、今一度體の声に耳を傾けてみては如何でしょうか。

志村 博康プロ(しむら ひろやす)

 志村 博康プロ(しむら ひろやす)

スイングファクトリー代表。高校卒業後アメリカ・サンディエゴに渡米し、USPGAプロのパトリック・E・ショウ氏に師事し、最新のゴルフ理論を学ぶ。カリフォルニアミニツアーにも参戦。京都初のTPI(Titleist Performance Institute)認定プロコーチ。メディカル、フィジカル、テクニカルにおけるゴルフのスペシャリストとして世界基準認定を取得しております。
現在、よしみねゴルフクラブ(京都市西京区)にて完全個人指導にこだわったマンツーマンレッスンを実施。

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