医療法人財団 足立病院 院長
畑山 博さん
今回のゲストは、京都で115年続く産婦人科医院 医療法人財団足立病院院長の畑山博さんです。
院長に就任されて以来、女性とそのご家族を一生涯にわたってサポートする医療の提供を目指して新しい取り組みに挑戦しておられます。50歳でゴルフを本格的に始められ、その魅力にはまってしまい、今では病院の男性職員や医師の皆さんと一緒に楽しんでおられるとのこと。インタビュー中、何度もおっしゃられていた「一生懸命」という言葉が印象的でした。
取材日:2016年6月6日/場所:医療法人財団 足立病院
足立病院のこと
足立病院は非常に長い歴史をお持ちの産婦人科病院ですが、畑山院長で何代目になられるのでしょうか?
畑山 私で6代目になります。足立病院の創設は1902年ですので今年で115年になります。当時、日本では自宅出産が一般的でしたが、母子にトラブルが起こることも多々あったため、時の明治政府が病院での出産に切り替えていくためにドイツに学ぼうということで日本から3名の医師が派遣されました。その中の一人が当院の初代院長 足立健三郎で、帰国後ここに足立病院を創設しました。当院がユニークなのは事業を家族や親族に優先で継がせていくのではなくて、歴代院長が次の院長を指名していることです。私が院長に就任する時も先代から言われたことは、病院をなるべく長く続かせてもらいたいので、次の院長を指名してから辞めてほしいということと初代の足立健三郎先生に敬意を表して足立病院の名前は残してほしいということだけでした。あとは好きにしていいと・・・(笑)。
遠慮なく新しいことにチャレンジできるというわけですね。先生が就任されたのが平成8年ですね。
畑山 当時、私は京都大学から当直医としてアルバイトに来ていて、ある日院長室に呼ばれて「僕、院長をやめるから君に引き継いでほしい」と言われてびっくりしました(笑)。「どうして私なんですか?」と伺うと「君が一番若かったから」と本当に軽い感じで依頼されました(笑)。
病院のHPを拝見すると院長あいさつで「女性の一生を総合的にサポートできるウィメンズホスピタルにしたい」という言葉がありましたが、どのような思いがあるのでしょうか?
畑山
私が就任した当時は、そろそろ少子化が始まっていて当院もこのままでは経営が難しくなるのではないかという懸念がありました。そこで私自身が不妊症専門医だったこともあって不妊クリニックを併設して妊婦さんを増やしていこうと考えました。
治療の結果、妊娠、出産が増えてくると今度は赤ちゃんの病気のケアも必要になってきて小児科を作りました。さらに育児のために必要ということで保育所を作りました。
また、今注目されている乳がんの検診や婦人科疾患や腹腔鏡手術のセンターも作りました。その他、メディカルガーデン「シンフォニア御池」という医療 モールでは内科・眼科・耳鼻科・泌尿器科などの専門医を集結させて、女性ご自身はもちろんご家族の健康もサポートできるような体制を整えています。
総合病院にも劣らない総合的サポート体制ですね。
畑山 ここの場所は近くに大学病院や日赤もありますので、必要な場合はすぐにご紹介できるというのもとても便利ですね。
先生の講演会の資料を拝見すると男性にも更年期があって、それを予防するためにはゴルフがいいとおっしゃっていてとても興味深かったのですが・・・。
畑山
女性に比べて、男性の場合男性ホルモンがゆっくりとしか減らないので気づきにくいのですが、50代を迎えて何だか体調が思わしくないとか、寝つきがよくないというのは男性の更年期だろうと言われています。これを予防するためにはドキドキすることと、筋肉の瞬発力を鍛えることが必要なんです。ドキドキするために一番よいのが恋をすることです(笑)。とは言っても、浮気をしろということではなくて(笑)、憧れの人とか女優さんのファンになるとかでもいいんです。そして筋肉の瞬発力を鍛えるにはゴルフがいい。ゴルフはコンペなどに出るとドキドキもしますので一石二鳥です。
ですから50歳を過ぎた男性の皆さんにはゴルフをお勧めします。
それは心強いお言葉です(笑)。ゴルフはそんなに体力を使わないスポーツですし、よく歩くこともできますからね。
畑山 そう。歩くことは大事で足は第二の心臓とも言われます。歩くことによって血液の流れもよくなるし緊張、興奮することによって脳の活性化にもつながる。クラブを振ることで筋肉も鍛えられます。また、上手くなろうと努力もするので企業のトップがゴルフにはまるのもわかります。会社を大きくするのと同じですからね。
プライベートのゴルフライフについて
先生はいつ頃からゴルフを始められたのでしょうか?また、そのきっかけをお聞かせ下さい。
畑山 本格的にゴルフに取り組むようになったのは50歳の頃でした。それまでもやってはいたのですが、年2〜3回のラウンドで130とか打っては、こんなものかという感じでした。それが、たまたま妻と一緒に入会したゴルフスクールでレッスンを受けているうちにスコアが良くなってきて、おもしろくなってきたんです。それからですね一生懸命取り組むようになったのは。今では、うちの病院の男性職員や医師たちみんなに、レッスン料はこちらで払うからと入会させて、ゴルフ部を作ってみんなで楽しくやっています。
それはいいですね。コンペなどもされますか?
畑山 知り合いの水巻善典プロが中心となって出入りの業者さんたちにも参加していただいて、足立病院カップというコンペをもう、3回開催しています。水巻善典プロとその後輩の、川岸良兼プロ、手嶋多一プロ、小林正則プロ、佐藤信人プロなどの一流のプロ達が毎年参加してくれています。本物のプロたちとラウンドするチャンスってなかなかありませんからね。彼らは教える時もプレーする時も常に一生懸命で、お話を伺うのも勉強になります。
第3回足立病院カップ(2015年12月琵琶湖CCにて)
日頃はどのような方たちとよくラウンドされますか?
畑山
KBS京都のアナウンサー竹内弘一さんがダントツに多いですね。彼は私のライバルなんです(笑)。
彼のおかげで一生懸命ゴルフをやっているようなものです。
竹内アナには以前このコーナーにご登場いただきました。
畑山 そうですか。彼がキャスターをつとめている番組で知り合い、「一度ラウンドしませんか」とお誘いをいただいてからずっと月一回のペースで二人だけでまわっています。二人ともよくしゃべるので、キャディさんからも「ようしゃべりますね」と言われてしまい「そりゃあアナウンサーと産婦人科医なんだからしゃべるのが仕事やで」と返しました(笑)。
竹内アナ・水巻プロ・ルーツゴルフ平野社長と
ラウンドは月1回くらいのペースですか?
畑山 自分では週1回は行こうと思っています。コースを歩いているといつもと違う発想も出てくるので、私がメンバーになっている琵琶湖カントリー倶楽部では、一人でラウンドすることもあります。
奥様と一緒にラウンドされることもおありですか?
畑山 あります。ただ、ゴルフについてのコメントは控えています。あれこれと教えたくなりますけれどあまり言うと喧嘩になるので(笑)。
おっしゃる通りです(笑)。先生は様々なコースをまわられていると思いますが、印象に残っているコースはおありですか?
畑山 水巻プロが鳴尾ゴルフ倶楽部の所属なので、時々連れて行ってもらいます。あそこは自然の地形を生かしたコースなのでなかなか手強くていつも打ちひしがれて帰って来ますが、また行きたくなる(笑)。あとはザ・サイプレスゴルフクラブ。日本のゴルフ場かと思うような景色が広がっていてすばらしいです。左右にこんもりと高い木々が迫ってコースが狭くなっているところもあり、ちょっと横にはずれてしまうと二度と出てこられないんじゃないかと思ってしまう(笑)。
チャレンジしがいがありますね。ところで、先生の今までのベストスコアをお聞かせ下さい。
畑山 78です。アートレイクゴルフ倶楽部で行われた近畿オープンゴルフ選手権の二次予選会で出しました。
それはすごいですね!ホールインワンのご経験は?
畑山 あります。琵琶湖CCで出しました。研修会に入会する前に一度会長さんと顔合わせのためにラウンドしようということになって、会長さんの目の前で(笑)。当日は土佐高の後輩も一緒だったんですが、彼が「入れ!」と言うと本当にポンと入ってしまった。自分でもびっくりしました。この時のエピソードがちょっと面白くて・・・。ホールインワン保険に入っておいた方がいいかなとラウンドする20日くらい前に入ったばかりだったんです。保険料を入金する前に出してしまったために保険会社も慌てていました(笑)。結果、保険金はちゃんといただきました(笑)。
それは助かりましたね(笑)。
畑山 その話を聞いてうちの病院のスタッフたちはみんな保険に入りました(笑)。
お得意のクラブはございますか?
畑山
私は寄せが好きなので、ピッチングウェッジの56度とかでしょうか。
あまり距離が出なくて2オンしなくなってきていますので、寄せてパーを取るというスタイルに徹しようかなと思っています。
ゴルフをやられてよかったことはどのようなことでしょうか?
畑山 一つは医療関係者以外の方たちと知り合えたこと。交際範囲が広がったのは本当によかった。もう一つは病院スタッフ同士のコミュニケーションを図るためにゴルフがとても役立っていることです。仕事の場では見られないその人の意外な性格を発見することもあってなかなか面白いです(笑)。
ゴルフをすると性格がよくわかりますね(笑)。お話しは変わりますが、会員権のこととかゴルフ場へのご要望などお気づきの点はございますか?
畑山
最近はゴルフ場の整備も行き届いていますし、スタッフも皆さん優しいので申し分ありません。
ただ、できればもう少し友人や家族も気軽にラウンドさせていただきたいということと、若い世代が入会しやすいように費用や入会条件を緩和してほしいなとは思います。
病院のスタッフの皆さんは入会されていますか?
畑山 うちはみんな京都ゴルフ倶楽部の会員です。強制的に入れと言っています。院長命令です(笑)。
それは結構なことです(笑)。先生はお仕事もゴルフも全力投球といった感じがしますが、お医者様に伺うのも変ですが日頃、健康のために心がけておられることとか健康法などはございますか?
畑山
ゴルフ場ではカートに乗らずに歩くことでしょうか。それからラウンドの前は一生懸命練習することです。
以前は仕事ばかりでしたが、ゴルフを始めてから、ここ5〜6年は体調も随分よくなってきました。
先生にとってゴルフの魅力はどのようなことでしょうか?
畑山 今日は調子いいなと思っても次の日にはもう全く思い通りにいかないことがある。でもそこがおもしろくてはまってしまいます。
よくゴルフは人生の縮図とも言われますが。
畑山 そうですね。結局あがってみないとわからないのは人生もゴルフも一緒ですね。だから少しでもよくなろうと努力をするわけです。結果も大事ですがその過程で努力をしていくことも私は好きです。
最後になりましたが、仕事やゴルフについて、今後の目標をお聞かせ下さい。
畑山
仕事では少しでも多くの女性たちに子供を産んで育ててみたいと思っていただけるような医療を提供していきたいと思います。京都は東京に次いで出生率が低いんです。それを少しでも改善していきたいです。私は保育園の園長もしていますが、子供たちと触れ合うと自然にニコニコしてしまう。子供ってやっぱりいいなと思います。
ゴルフでの目標はできるだけ長く続けていきたいということです。70代くらいの方たちが3〜4人でゆっくりとラウンドしている様子を見ると「俺たちも20年後にはああなりたいな」とよく仲間と話します。年をとってもみんなで集まって「どうや、生きてるか」みたいな感じで(笑)、ゴルフを楽しみたいですね。生きている限りゴルフができるような精神状態であり、肉体であり、友人関係を保っていたいですね。
本日はありがとうございました。
医療法人財団 足立病院 院長
畑山 博さん
Profile
京都市中京区在住
1960年(昭和35年)4月25日生まれ 満56歳
●ゴルフ歴 約10年
●所属コース 琵琶湖カントリー倶楽部
京都ゴルフ倶楽部
信楽カントリー倶楽部
●ハンディ 11(琵琶湖カントリー倶楽部)