ザ・会員権

NICE ON 11月号【Vol. 421】


横ばいコースが6割、値上がり予備軍も多く、会員権購入には絶好機が到来。
相場上昇の一服感は一時的で相場は再び安定ラインを保つ気配が濃い色彩に。

景気の減速、政局不安の中、ゴルフはトップシーズンを迎えた。女子プロでは18歳の畑岡奈紗が日本女子オープンで40年ぶりに2連覇の快挙を果たし、ニューヒロインの台頭を含め世代交代を鮮明にした。男子も海外での活躍を含め、中堅選手が人気を牽引、ゴルフ熱を盛り上げている。ゴルフ業界の風が変わったと言うのが実感だが、会員権市場でも流れに少し変化が見られる。
平均相場は、7月はほぼ全面高を示し、8~9月は横ばい高原状態が続いた。10月に入り、法人の入会が一巡したことや個人でも割安感の強い中堅の成約が減少し、単純平均相場は7ヶ月ぶりに前月比マイナスとなった。これは、今年3月時点の水準だ。ただ、この下げ現象は悲観的なものではない。長い横ばい高原状態が続くと必ず訪れる会員権相場の持つ習性といえる範囲のものだからだ。

関西エリアの平均相場は10月半ば時点で81万円。前月比2~3%のマイナスは想定内の水準で今後低価格帯の注文や、法人のより割安感が増した名門や準名門コースへの購入が進めば会員権相場としては安定してくる。今後はシーズンイン中に取得を間に合わせようとする入会希望者が、上昇一服で人気コースや出遅れ感のあったコースへの注文・購入を誘発するはずだ。大量処分に回っていた法人も接待需要の高まりから、割安になった老舗名門や準名門コースの購入を再び活発化させている。個人も低価格帯コースへの物色を緩めていない。11月後半から12月のボーナス需要を期待すれば平均相場の早晩回復は達成できよう。

関西エリアの相場の座標軸を見ると横ばい推移を見せるコースは70%近い分布である。相場を下げるコースは週単位や月単位でも散見される程度で、むしろ値上がり予備軍が増えている。入会条件の緩和に踏み切った名門コースや名変料を値下げしたコースも人気を集めている。
購入の動機となる人気エリアや購入価格帯の偏りも見られない。京都・滋賀の名門や老舗、兵庫・大阪の中堅コースは相変わらず人気が高く入会希望が先行、経営の安定性や会員制の堅持、コースレイアウトの良さが選ばれる理由のようだ。

年齢層を問わず女性ゴルファーのメンバー志向が目立つ
総予算は名変料を含め200万円前後が人気の価格帯に

女子ゴルフの過熱振りが後押ししているのか、俄かに女性ゴルファーのメンバー志向が目立ってきている。日米両ツアーで活躍し、ゴルフブームを牽引した宮里藍が今期で現役を引退したが、世代交代が期待される中で、新鋭が多く出現した。このエネルギーは当時のそれよりも大きいという声も上がるほどで、女性ゴルファーの増加が期待されている。
メンバー志向の人の大半は、ゴルフを長く楽しみたいからという理由や、若年層でも友人や家族とのコミュニケーションに最適という理由が多い。

予算は会員権の価格が100~150万円台が最も多く、名変料や諸費用を含めて200万円前後が最もボリュームが高い。コースの選別理由も女性らしさがうかがえ、自宅から近い、コースが広くレイアウトが易しい、コースが美しい、グルメが楽しめる、女性施設が充実している、などをポイントにおいている。昨今は、女性の施設を拡充したり、改修や充実させるコースが増えている。これは、こういったニーズに対応しての施策といえるが、ゴルフ界の風向きの変化でもある。正会員だけでなく婦人会員権の動きが全体相場に少なからず好影響を与えるだろう。今後の動きに注視したい。

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