ザ・会員権

NICE ON 6月号【Vol. 416】


市場全体に躍動感が蘇える、低額コースを中心に購入希望が増加傾向に。優良中堅・老舗名門は相変わらず根強い人気に支えられ、相場も堅調。

大型連休で、ゴルフデビューを果たした人も多い。プレーには最適のシーズンであり、プロツアーの熱戦がゴルファーのプレー志向、意欲をいやがうえにも盛り上げている。
単純平均相場も緩やかながら上昇指標を示し、80万円台半ばから、さらに上値を見据える展開となってきた。

会員権価格の割安感に対する認識は、ゴルファーの間に着実に浸透しているものの、これまでの、問い合わせレベルから脱せず、入会に結びつく注文が目に見えて増えているということは見られなかった。これは、会員権市場を取り巻く経済環境の行方が不透明であったことや会員権相場が株価に連動しないことは認識しつつも、それらの混迷が購入側のマインドを冷やしたのがその背景にあったといえる。中でも法人は、依然として処分に向かうところが多く、個人の入会希望も今一つ伸びきれなかったのが実際のところだ。ただ、潜在需要の強さを物語る問い合わせ件数は減少しなかった。

5月に入って、これまで低調だった低額クラスの購入・問い合わせがにわかに活気づいてきた。このクラスは、これまで、同じコースに入会したいというグループ買いが多かったが、ここにきて個人での単独入会の人も増加している。
売りに偏っていた法人も業績好調の企業を中心に準名門(300~400万円)への見直し買いが広がりつつある。老舗・名門は法人・個人を問わず相変わらずの人気を保っているが、会員権価格が上向くにつれ退会希望する人は減少し、相場が独り歩きしているコースも現れてきた。予算を増やしてまでも購入したいという上値追いはやや一服感が出ている。
半面、優良中堅クラスには買い注文が売り注文を上回るコースも出てきた。
エリア、価格帯に限定せず、市場全体に活気が高まってきたといえるだろう。

名変料の改定や継続値下げは入会には絶好機!
準名門の補充募集にも多くの応募が集まる状況。

相場価格が低迷する中で、どうしてもアンバランス感がぬぐえなかった高値のままの名義書換料や入会預託金。ここにきて、相場回復と入会促進を目的に名変料などの値下げを継続するコースや期間限定で新たに値下げに踏み切るコースが増えてきた。
こうした環境は、会員権を購入するうえで、また会員権購入の予算化を図る上でも絶好機と言える。

さらに、高齢化会員が増加するコースなどでは親族が入会する場合には名変料の特例や新たな登録会員制を敷くところも多く、コースの会員権情報には目を凝らしたい。また、既設相場に加え、市場で目に付くのが補充募集の件数の多さ。この中でビッグトーナメントやアマチュアの公式戦の舞台となったコースは、総じて人気が高い。既設相場が回復傾向にあるのも好調さを後押ししている要因だ。
市場環境が好転したことで、弱い夏相場をまたいで秋口の主需要期に突入するかもしれない。購入希望者が着実に増加傾向にあるのが、専門業者の間での実感だ。

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