ギャラリースタンド

NICE ON 5月号【Vol. 451】


ツアーキャディーが待遇改善と人材育成を視野に協会を設立。
将来的にはキャディーとプロとのマッチングサイト実現目指す。

新型コロナウイルスの感染拡大(パンデミック)で、多くのスポーツや各種イベントの中止が余儀なくされる中、ゴルフ界でもツアーの中止や延期が次々と発表され、自粛ドミノはプロゴルフ界にも及びゴルフファンをがっかりさせた。
春を告げる序盤の国内女子ゴルフツアーにも中止が相次いだ。一日も早くコロナウイルスの感染の終息が宣言され、安心して観戦できる環境が戻って欲しいものである。

ツアーの中止で、稼ぎどころを失ったのはプロ選手たちだけではない。バッグを担ぎ、選手の相談相手となる大きな役割を担う帯同のプロキャディーたちも同じ状況にある。収入の補填を慣れないアルバイトで賄う人も多い。ただ、いつツアーが開催されるか判断がつかず、いつでも対応できる職業選択も迫られているという。
昨年末に「プロキャディーの社会的地位の確立、環境改善を目指す」を旗印に発足した「日本プロキャディー協会」だが、コロナウイルス感染の影響でいきなり厳しい船出を強いられた。男子・女子プロツアーの同週開催時期には、キャディーは200人以上必要になる売り手市場なのだが、今は閑散とした状況。もちろんツアーが再開されれば需要があり、活躍の場も出て職業として成立するはずだ。

立ち上げの発端となった理由の一つは、プロキャディーのトーナメントでの処遇や環境が意外にお粗末なため、改善を望むというものだ。
ツアーにプロキャディーが登場するようになって20年以上も経つが、トーナメント主催者やゴルフ場の待遇は旧態依然のものがあるという。職業的地位の向上は悲願なのである。最近のトーナメントでのキャディー不足は深刻な問題。セルフプレーの普及やプレー料金の低廉化の影響でハウスキャディーが激減している。学連のアルバイトも少なくなっている。
こういった状況は、日本プロゴルフ協会、日本女子プロゴルフ協会、日本ゴルフツアー機構も把握しており、協会の活動にエールを送っている。
まずは会員を募り、環境を整えるとともに若手のプロキャディーを育成したいという。組織が整えば、将来的にはプロ選手とプロキャディーのマッチングサイトも構築したいと豊富を語る。
コロナウイルスの感染拡大は、意外なところでゴルフ界が内包する問題点を浮き彫りにした格好となった。

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