ナイスオン健康コラム
このコーナーは京都工場保健会様のご協力により掲載しています
5月31日、世界禁煙デー
世界禁煙デーはWHO(世界保健機構)が制定した禁煙を推進するための記念日です。
1987年の決議により、1988年4月7日を「第1回世界禁煙デー」としました。
同年に毎年5月31日とすることが定められ、1989年以降毎年5月31日が世界禁煙デーとなりました。
日本では1992年より、5月31日から6月6日までの1週間を禁煙週間と定めています。
受動喫煙による健康への悪影響から人々を守ることを目的として、「2020年、受動喫煙のない社会を目指して~たばこの煙から子ども達を守ろう~」を禁煙週間のテーマとし、禁煙と受動喫煙防止の普及活動が行われています。
2012年に受動喫煙防止対策の徹底について通知が出され、「受動喫煙」という言葉はいろいろなところで見聞きするようになり、浸透してきました。しかし、受動喫煙がまだ完全に無くなっていないのが現状です。
2016年の禁煙デーに厚労省は、受動喫煙が原因で亡くなる人数を、年間約15,000人と発表しました。受動喫煙が原因の死因として主に、肺がん、心筋梗塞などの虚血性心疾患、脳卒中、乳幼児突然死症候群などがあります。また、年間に亡くなる15,000人の内わけは、職場での受動喫煙で亡くなる方が約8,000人、家庭では約7,000人となっています。年間に交通事故で亡くなる人数、4~5,000人と比べても、その多さに驚きます。
2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。オリンピック委員会は、「たばこのない五輪」を推進していて、30年前より競技会場内での喫煙は禁止としてきました。最近の開催地、リオデジャネイロでは敷地内禁煙、ロンドンでは罰則付きの建物内禁煙が実施されました。
日本でもこれまで以上に対策が求められる時です。厚労省の当初の案では、「医療機関や学校などは敷地内禁煙とし、運動施設や官公庁などは建物内の禁煙を義務付ける。飲食店やホテルなどは原則として建物内の禁煙とし、煙が外に流出しない喫煙室の設置を認める」というものだ。しかし、小規模な飲食店に喫煙室を設置することは、コスト面で難しいと反発があったことから、一部のバーなどでは喫煙可とする変更案が出されました。ですが、それでも厳しいという意見がでており、当初の案どおりにはいかないようです。
日本のたばこ対策が、世界レベルに届くのかどうか、タバコを吸う人も吸わない人も今後の動きに注目です。