筋肉よりも関節を使え

NICE ON 10月号【Vol. 420】


スイングを形成するにあたって、以前から筋肉よりも骨に着目して色々とお伝えして来ましたが、今回はその「骨」の中でも関節に少し意識を向けて考えて行きたいと思います。

① スイングに必要な主な関節

関節には、可動性関節と安定性関節が存在します。
主な可動性関節は、足首・股関節・胸椎・肩関節群・手首などがあります。
これらは文字のとおり、可動性のある関節ですのでぐるぐると回すことが出来ます。
反対に安定性関節には、膝・腰椎・肩甲骨・肘などがあります。
これらの関節は一方向への動きのみが出来る関節です。

② ゴルフのスイングにおいてなぜカラダを痛めるのか

日本のゴルファーに多く見られる痛みの症状として、腰痛・膝の痛み・肘の痛みなどが上げられます。皆さんお気づきでしょうか?
そうです。痛めているところはたいがい、安定性関節を痛めることが多いのです。
ではなぜ、安定性関節を痛めることが多いのでしょうか。それは、安定性関節と可動性関節の配置にあります。上記にもあります様に安定性関節と可動性関節は交互に配置されています。その為可動性関節の動きが止まってしまうと動けない形状の安定性関節に負担が行ってしまうのです。
例えば、足首の柔軟性に制限がある状態の方(足首が硬い状態)の場合、足首の上にある安定性関節、つまり膝に動きを求められてしまいます。しかし膝は回転や横の動きに適した動きが出来ないので負担が掛かり続け、痛みを生むことがあるのです。よく腰を痛める方は、足首や股関節の柔軟性をあげて行く必要があると考えます。そして、スイング的な話になりますが、下半身の安定と下半身を固定することを誤解してしまっている方を今までも多くレッスンさせて頂いて来ました。ここを決して誤解なさら無い様にスイング作りをして頂きたいと思います。

③ カラダを痛めないスイングこそ方向性と距離を生む

②でお伝えした様に体を痛めない動きは、実はエネルギーを効率よく生み出し伝えて行く事にもなります。つまり方向がよく、飛距離の出るスイングと言えるのです。
では、そのポイントとコツをお伝えしましょう。
ポイントは、動かすという事です。よくある「頭を残す」や「脇を締める」「膝を動かさない」などは間違っても行ってはいけません。

①トップでは右股関節が外旋している
②左の股関節と足首の外旋運動で切り返す
③右足は残したまま左足を切り返すと右足が地面を押してエネルギーが生まれる

ではどの様に動かすかと言いますと、今回の大きなテーマである「関節」を動かすのです。前にも記した様に可動性関節はある程度の回転運動も可能な関節ですのでこれらを下から順番に動かして行きます。これがコツなんです。
バックスイングは、右足の足首を外側に外旋します。その次に右の股関節を外旋させる事で骨盤が回転運動を行うのです。フォロー側はこの反対でトップオブスイングから左の足首の外旋、そして左股関節の外旋運動を意識してみましょう。よく関節に乗る様に意識している方が見受けられますが、これは関節の締まりを生み出しますので注意しましょう。
少し難しい内容ですが、練習してみると少しずつ解ってくると思いますのでトライしてこの秋もうワンランク上を目指しましょう!!

志村 博康プロ(しむら ひろやす)

 志村 博康プロ(しむら ひろやす)

スイングファクトリー代表。高校卒業後アメリカ・サンディエゴに渡米し、USPGAプロのパトリック・E・ショウ氏に師事し、最新のゴルフ理論を学ぶ。カリフォルニアミニツアーにも参戦。京都初のTPI(Titleist Performance Institute)認定プロコーチ。メディカル、フィジカル、テクニカルにおけるゴルフのスペシャリストとして世界基準認定を取得しております。
現在、よしみねゴルフクラブ(京都市西京区)にて完全個人指導にこだわったマンツーマンレッスンを実施。

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