ザ・会員権

NICE ON 11月号【Vol. 445】


入会希望人気の中心は中堅コースと準名門コースに移行。
停滞感が拭えない市況も法人、個人とも入会には意欲示す。

10月からの消費税率10%への値上げで、増税前の前倒し入会の増加が予想されたが、意外に少なかった。
経済環境の不透明感から法人の動きが慎重だったことも影響した。個人では中堅コースを中心に、直近になって前倒し入会が増加したものの、駆け込み需要は全体的には低調だった。

増税後の動きを見ると、個人では、年会費については新年度から新税率が適用されるため年会費負担を避けるため不要コースの処分が加速されるだろう。半面、処分で滞留したコースの底値(売り希望が先行して入会希望が少ないタイミング)を狙っての入会希望(買い注文)の増加が一時的に見られるだろう。ただ、市場を活性化するまでのエネルギーには乏しく、会員権相場は当面弱含みで推移するだろう。

ただ、個人の会員志向の潜在需要は依然、強いものが窺える。エグゼクティブ層、リタイア組に加えて婦人層の問い合わせが増えている。購入の人気の中心は入会総費用を含め150~200万円の中堅コース。エントリーが取りやすく、経営に安定感のあるコースだ。それにアクセスの良いコース、女性施設が充実しているコースなど自分のゴルフライフに適したコースに入会する傾向も強い。また、法人は、経営陣の社交や接待に適したコースをという観点から名門・老舗コースへの回帰が鮮明になっている。このため、都市近郊のアクセスの良いコースが人気だが、旧来からの名門・老舗コースだけでなく準名門コースにまで対象を広げている。同一法人内の名義変更の手軽さ、入会のし易さ、予約の取りやすさ、ホスピタリティーの充実に加え、資産性に目を向けているのが特徴的。

関西エリアでの動きを見てみると入会希望(買い注文)が多いコースは、滋賀県では、タラオCC、比良GC。京都府では、京都GC、亀岡CC、城陽CC、日清都CC。奈良県では、奈良国際GC、KOMACC,飛鳥CC、ディアパークGC。大阪府では、アートレイクGC、天野山(ロイヤル)CC、太子CC、阪奈CC、枚方CC、伏尾GC。兵庫県では、芦屋CC、有馬ロイヤルGC、小野グランドCC、オリムピックGC、関西GC、キングスロードGC、宝塚高原GC、富士小野GC。和歌山県は大きな動きはないが、募集中コースを中心に入会が進んでいる。

今後は、相場のけん引役は、優良中堅コースから名門・老舗コースに移行する可能性が強い。そうなれば、長きにわたる停滞感から脱して市場にも活気が戻ってくるだろう。
例年、関東相場の動きが関西以西へ波及するのは1~2ヶ月のタイムラグがあるが今年はほぼ同時進行。関東相場が回復傾向をみせているため、関西でもシーズン直前には、停滞から活況へ転換するものと思われる。
現在は、多くの選択肢が滞留する(売り希望が先行)市場であるが、入会の絶好機は、対象コースが底値と思われる局面を見逃さないことだろう。そのためには、相場の推移を週単位で分析し、専門業者やそのコースのメンバーにゴルフ場の動きを聞くことだ。楽しいゴルフライフを送るためにも納得のいく入会をして頂きたい。

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