ナイスオン健康コラム

NICE ON 5月号【Vol. 439】

このコーナーは京都工場保健会様のご協力により掲載しています


いつ、何をどれだけ、どのように食べるのがいいのか?
時間栄養学ってご存知ですか。

今、注目されているのが、いつ、何をどれだけ、どのように食べるのがいいのかという「時間栄養学」です。同じ食事でも、食べる時間や速さ、食べる順番で栄養学的効果が変わってきます。「いつ何を食べるのか」を意識すると、体調やお腹周りがスッキリしてくるといわれています。
「朝食を抜くと5倍太りやすい!」、「朝食を食べるだけで脂肪が燃焼されやすくなる!」と耳にすることも多くなってきました。朝食を食べずに昼食を食べると昼食後の血糖値の上昇幅が大きくなり、食後の高血糖が糖尿病や動脈硬化などのリスクを高めるといわれています。また、朝食を食べないと自分の筋肉をエネルギー源として使うので、筋力が低下して、疲れやすくなったり、代謝が落ちて体重が増加しやすくなったりしてしまいます。
朝食が重要なのは、それだけではありません。それは、体内時計との関係です。私たちの体には、体内時計が備えられています。朝食で、体内時計が1日のスタートに合わせてリセットされます。すると一気に体温が上り、脂肪燃焼モードに変わります。起床後1時間以内に食べることでリセット効果が高まり、その後の通勤や仕事中などのじっとしているときの消費カロリーも増えます。

女子栄養大学の香川靖雄副学長は、マウスの実験では炭水化物だけ、あるいはタンパク質だけを摂取させても抹消時計を正確には調整できず、最も正確にリセットできたのは、栄養バランスのとれたエサの場合だったといいます。
朝は慌ただしい時間帯ですが、身体のことを考えると朝食はバランスを重視すべきです。また、朝にご飯食の方が脂肪の燃焼効果が高いので、手軽にご飯食をお勧めします。ご飯に納豆や卵かけご飯はいかがでしょうか。ご飯にたん白質食品(納豆、卵、豆腐、魚)を組み合わせると体温を上げる効果が倍増するのでお勧めです。さらに朝食に温かいものを食べるとより体温が上がりやすいです。時間のある日は、家にある野菜やきのこ、わかめ、豆腐などで味噌汁を作って召し上がるのもいいですね。目指せ、旅館の朝ごはんです!
朝、時間がないからと菓子パン、ソーセージ、ラーメン、揚げ物など脂質が多いもので朝食を済ませると代謝に時間がかかり、体温が上がりにくくなります。脂っこい物を食べたいときは、昼食で召し上がっていただくことをお勧めします。
時間栄養学では夜遅くに脂っこいものや糖分の多いものを摂取すると体脂肪として蓄積されやすく、血糖値が上がりやすくなると言われています。そのため夕食はなるべく早い時間帯に摂取されるのがお勧めです。夕食、晩酌は20時ごろを目安に終えられて、そのあとは胃腸をゆっくり休めると朝食を美味しく召し上がっていただけます。残業で遅くなる方は、夕方におにぎり+野菜ジュースなどで捕食して、夜遅い夕食はいつもの三分の一くらいの量にして、早めに就寝されることをお勧めします。「いつ何を食べるのか」を意識して、ぜひ、体調の良い変化を感じてみてください。

※秦艶萍、横山久美代、成瀬克子、徳久幸子、「朝食欠食が昼食後の血糖値変動に及ぼす影響」女子栄養大学紀要より

※編者:香川靖雄 著書:香川靖雄、柴田重信、小田裕昭、加藤秀夫、堀江修一、榛葉繁紀、「時間栄養学・・・時計遺伝子と食事のリズム」女子栄養大学出版部より


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