現代ゴルファーにお伝えしたいスイング
〜もう間違ったスイングで苦労するのはやめよう〜

NICE ON 12月号【Vol. 434】


①キネマティック・シークウェンス

皆さんは、キネマティック・シークウェンスをご存知ですか?このコーナーでも紹介していますが、日本語に訳せば「運動学的連鎖運動」となります。つまり、関節を連動させていく運動を行うことで、連鎖運動から生み出されるエネルギーを得ようとすることが目的です。この運動エネルギーをボールに伝えることが良いスイングと言えます。そして、この運動連鎖を身に付けることが良いインパクトを生み最大限の飛距離を生み出すのです。
世界では、TPI(タイトリスト・パフォーマンス・インシチィチュウート)を始めトップのスイング研究機関やトッププロたちには当たり前の常識となっています。
インパクトで、ボールをよく見るとか、下半身を止めて肩を回すとか、感覚を言葉にした指導方法や練習はそろそろ終わりにしませんか?

②重心と体重の違い

スイング作りで間違って理解していると、スイングのイメージが描きづらいのが「重心」と「体重」の違いです。重心はつまり質量の中心であり、体重は体の質量全体をさしますから、回転運動を作り出していくスイングには重心を意識することがとても大切です。
そして、人間の重心は基本的に左にあることを認識しましょう。見た目はほぼ左右対称ですが、内臓のバランスは決して左右対称ではありません。人間の内臓は右側にある肝臓が最も重く、従って人間は重心を左寄りにしなければバランスの良い動きはできません。
世界共通のトラック競技も左重心で走り易い反時計回りです。
フィギアスケートの選手もトリプルアクセルを跳ぶ時は全員左足で飛んでいます。
皆さんも是非左重心を意識したスイング作りを心がけてみてはいかがでしょうか!

③足裏の重心位置

以前、名古屋のある練習場の企画で「ゴルファーの為の体の使い方セミナー」を開催させて頂きました。10数名の参加者は、ほとんどの方がプロゴルファーかプロを目指す方たちでした。私はまず皆さんに「足の裏のどの部分で立っていますか?」と質問しました。予想通りではありましたが見事に一人の方を除いて「母子球です」という答えでした。その一人に、では「あなたはどの辺りで立っていますか?」と尋ねると、「私は、土踏まずの一番後ろ側で、くるぶしの下付近です」と答えられました。この方はなんと賞金女王2回、全てのメジャータイトルを獲得している塩谷育代プロでした。
日本には「母子球神話」というべき理論に気付かない母子球理論がはびこっています。
母子級に圧がかかる様に立ってしまうと、内転筋が働いて足首や股関節のスイングにとって生命線とも言える動きに制限がかかってしまいます。一度足の裏のどの部分でスイングすれば、足首と股関節が動き易くなるのか試しながら練習して下さい。
きっと正しい答えを体が教えてくれるはずです。

「WTの立ち方」縦のラインに足の中指を、横のラインに両くるぶしを合わせて立ちます。
横から軽く押してもらうと普通の立ち方とバランスの違いが良く分かります。

④足首と股関節

前の章でも伝えましたが、足首と股関節のスイングに置ける重要性は大きいと考えます。なぜかと言いますと、よく「腰を回しましょう」と言いますが、では腰を回すってどういう事なのか?この問いに正確に答えられる人が少ないのです。生徒さんに聞くと骨盤のことを腰という表現で理解している方が多いようです。ここで試して頂きたいのは、膝を動かさ無いで骨盤は回旋するでしょうか?おそらく動か無いと思います。膝は安定性関節に属し、膝の上と下にある可動性関節によって回旋運動を行います。つまり、足首と股関節の回旋運動が無いと膝は回旋しません。となると、足首と股関節の回旋運動が無いと骨盤の回旋動作は出来無いということになります。人間の構造において最も回旋するのは骨盤ですが、この骨盤を動かしているのは、足首と股関節の連鎖運動なのです。
日本的「動かさないゴルフ」から本来の体の動きである「動くゴルフ」を練習して下さい。

⑤体に止める場所は存在し無い!

☆軸をぶらさない。 ☆頭を動かさない。 ☆脇を緩めない。 ☆膝を動かさない。
この「ないない」だらけの日本のスイング理論から抜け出しましょう!
体を動かす、つまり各関節が持っている可動性の方向に動かしていく事がスイングです。これらの関節を下から順番に動かす事で地面反力からもたらされるエネルギーをボールに伝える事が出来るのです。つまりスイングとは地面反力を関節の連鎖運動を介する事でエネルギーを大きくしてボールに伝える動作という事がいえます。
近年、勘違いの筋力トレーニングで多くのプレーヤーが怪我をしたり、本来の能力を発揮できないでいます。筋肉はパワーを生み出すのではなく、地面反力を伝えていくのが役割なのです。付け加えておきますが、トレーニングは必要です!是非、本当に必要なトレーニングとは何かをよく考えてトレーニングして下さい。
無駄なトレーニングや間違ったスイング理論。どうかこの現状から皆さん抜け出して本来の体が喜ぶスイングをして生涯ゴルフを楽しんで頂くことを心から願います。

志村 博康プロ(しむら ひろやす)

 志村 博康プロ(しむら ひろやす)

スイングファクトリー代表。高校卒業後アメリカ・サンディエゴに渡米し、USPGAプロのパトリック・E・ショウ氏に師事し、最新のゴルフ理論を学ぶ。カリフォルニアミニツアーにも参戦。京都初のTPI(Titleist Performance Institute)認定プロコーチ。メディカル、フィジカル、テクニカルにおけるゴルフのスペシャリストとして世界基準認定を取得しております。
現在、よしみねゴルフクラブ(京都市西京区)にて完全個人指導にこだわったマンツーマンレッスンを実施。

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