株式会社山田製油 代表取締役

山田 康一さん
Koichi Yamada

NICE ON 6月号【Vol. 416】

今回のゲストは、三代に渡り添加物を一切使用しない手作り、できたてのごま油とごま製品の製造販売をはじめ、ごまの魅力が引き立つイタリアンレストラン、食と健康のイベントスペース等幅広い業態を展開する株式会社山田製油代表取締役 山田康一さんです。おじい様のポリシーであった「世のため人のため」をしっかりと受け継ぎ、そのこだわりは本業だけにとどまらず趣味のゴルフにまで広がって、何と2009年「京都オープンゴルフ選手権」を立ち上げられました。自ら名乗っておられる通り、いい意味での「へんこ」とお見受けしました。

取材日:2017年5月17日/場所:株式会社山田製油本社


お仕事のこと

はじめに山田製油のことについてお聞かせ下さい。

山田製油本社

山田 弊社は昭和9年に祖父が創業した会社です。祖父が亡くなった後は父が継ぎ、私も高校生の頃から家業を手伝っていました。ただ、父は他に個人タクシーの運転手をやっていて、そちらのほうが本業のような感じでしたし、私も大学卒業後、食品関係の会社に就職しましたので、それと同時に会社を一旦閉めてしまいました。しかし、サラリーマン生活を送るうちに、自分が今やっていることは祖父がしていたこととまるっきり逆だな、と思い始めたんです。
 祖父は体がとても弱い人で体質改善のために健康指導を受けていました。そのうち体調も持ち直してご指導いただいた方に御礼を言おうと伺ったところ、その方に「山田君も世のため人のために食品を作ってみなさい」とアドバイスをいただいたそうです。それで作り始めたのがごま油でした。添加物を一切使わない身体によいものを作っている祖父のような商売がしたいと思って勤めている会社を辞めて平成元年から弊社を再開したんです。

おじい様の思いを継がれたわけですね。

山田 はじめの頃は苦労しました。最初の一年は売り上げが37万円で、2年目が144万円(笑)。ただ、一生懸命できる限りのことを地道に続けていくうちに世の中の食への関心の高まりとともに取り扱っていただける取引先や購入して下さるお客様が増えていき今に至っています。

こちらのショップ以外にも様々な事業を展開しておられるそうですがそのあたりのことについてお聞かせ下さい。

山田 このショップの隣にあるイタリアンレストラン「ピッコロモンド・ヤマダ」はごま油やごまの新しい食べ方を提案してみようと思って始めました。また、御池新町にある「ゴマクロサロン」というイベントスペースでは料理教室や食と身体をテーマとしたワークショップなどの開催やカフェ、アンテナショップ等を展開しています。「ゴマクロサロン」開設には2011年東日本大震災が関係していて、原発事故による住民の方、とりわけ子供たちへの影響をとても心配していて微力ながら私たちレベルで何かできないかと考え、子供とお母さんたちに食の安全や子育て、健康のことについて学んでもらおうと立ち上げたんです。

左:山田製油の取り扱い商品(一部)右上:ピッコロモンド・ヤマダ(本社隣)右下:ゴマクロサロン

HPを拝見していると「へんこ山田」という言葉が印象的でしたが・・・。

山田 今申し上げたことがまさに「へんこ」ですよね(笑)。私は世の中に対しておかしいと思ったことはちゃんと言いたいし、常識と言われることに対しても「それ本当にええんか?」と感じる部分を大切にしたい。まあ、偏屈者でいた方が面白いことができるんじゃないかなと思います(笑)。

だからこそ、ユニークな取り組みができるんでしょうね。

ゴルフライフのこと

それではここからは社長ご自身のゴルフライフについてお伺いします。ゴルフを始められたのはいつ頃からでしょうか?

山田 40歳の頃です。父親がとてもゴルフ好きで、個人タクシーの組合の会長をしていた関係もあって各方面からのお誘いはひっきりなしにありました。最盛期には365日中360日くらい行くほどでした(笑)。おかげで母は泣かされていましたが。私自身は体育会系で嵌まるのはわかっていましたが、母の姿を見ていて「ゴルフは絶対にやらない」と決めていたんです。

それだけ強い決心をされたのになぜ始められたのですか?

山田 会社の方もだんだん順調になってきたもので工場を開設しようと、京都府内で土地を探していてふと思いついたのがJR山陰線の「胡麻駅」でした。しゃれてて面白いでしょ(笑)。それがきっかけで南丹市日吉町胡麻に工場を建てました。ただ現地で私は新参者なので地域の方に受け入れていただくためにはどうすればいいかと考えていたところ、よく利用していたガソリンスタンドのオーナーご夫妻に「この地域で皆さんと仲良くするためにはゴルフが一番ですよ」とアドバイスをいただいて始めたんです。

お父様も喜ばれたでしょうね(笑)。

山田 はい。ゴルフを始めるならすぐ会員権を買えと言われてクラウンヒルズ京都ゴルフ倶楽部のメンバーになりました。すると今度は「月例に出ろ」と。でも私は月例の事など全く分からなかったのでそう言うと「一緒に廻っている人に何もわからないので教えて下さい、と頭を下げろ」と言われました(笑)。でもその通りにしていると、メンバーの方や地域の方、南丹市の役所の方、町長、助役の方たちにとても仲良くしていただけるようになりました。

交友関係が広がるのもゴルフの魅力の一つですね。
お話しは変わりますが社長は2009年に京都オープンゴルフ選手権を立ち上げられましたが、それまでの経緯をお聞かせ下さい。

タケ小山さん(右)と

山田 当時、私がメンバーになっている北海道クラシックゴルフクラブのある安平町で1カ月ほど民家を貸してくれるというプログラムがあり、それを利用して京都と行き来していました。その時に家内がファンだったプロゴルファーでゴルフ解説者のタケ小山さんが出場されている試合を家内と見にいったんです。そこで彼から声をかけていただいて、話をしていく中で「日本の男子プロゴルファーの中には稼げていない人も多い。そういったプロたちに試合の場を作ってあげたいが、京都で大会を立ち上げてもらえないか」と頼まれたんです。彼はアメリカのフロリダでゴルフチャンネルの解説者をしておられたのですが、もう一度日本の試合に出たいとアメリカを引き払って帰国しておられました。また帰国後に早稲田の大学院でプロスポーツ選手の引退後の人生についての研究をされていく中で日本の特に男子プロゴルファーの実情を再認識したそうです。

社長を見込んでご相談されたのですね。

山田 その当時私はグランベール京都ゴルフ倶楽部のメンバーだったので親しくしていたキャプテンやクラチャンの方たち、役所の方たちにも声をかけて選手権実現へ向けて進んでいきました。ただ素人ばかりで実行委員会を立ち上げたので、どうやって参加者を集め運営していけばいいのかわからず、とりあえず選手権の趣旨となる3本の柱を作りました。1つ目は試合の少ないプロ選手に戦いの場を提供すること。2つ目はジュニアゴルファーの育成をめざす。3つ目はゴルフ場周辺の地域振興でした。

京都オープンゴルフ選手権スタートアップイベントのひとこま(2016年11月)

プロとアマチュアが一緒に試合をするというスタイルは最初からだったのでしょうか?

山田 そうです。アマチュアの方は予選会があるんですが、最初予選参加資格をハンデ10以下とか、バーを設けようという意見もあったのですが、私がそれを阻止しました。参加資格はゴルフのルールとマナーを理解、実行できる人それだけを条件にしよう・・・と。それだけは絶対譲りませんでした。大会名に「オープン」とつけているからには、老若男女どなたでも参加できて多くの方にゴルフの楽しさを知ってもらいたいという思いがありましたので。また、京都オープンの大きな特徴は大手のスポンサーに頼ることなく大会趣旨に賛同していただける方にサポーターになっていただき、協力金を集めて賞金や大会運営費にあてたことです。協力金は個人は一口1万円から、法人は一口3万円からです。そういうかたちで2009年から2015年までやってきましたが、昨年は諸般の理由で休止となりました。ただ、御社の社長をはじめ多くの方の再開してほしいという声に押されて今年、新生京都オープンゴルフ選手権を開催します。

日程をお聞かせ下さい。

山田 8月29日(火)・30日(水)の2日間、宇治カントリークラブで開催します。プロ2名とアマチュア2名が1組になって行なう試合をはじめ様々なイベントを予定しています。また、サポーターになっていただけると本選当日だけではなく一年間を通してジュニアレッスン教室や女子プロとのプロアマ競技会への優先参加や優待チケットの進呈など様々な特典があります。京都オープンをきっかけとしてゴルフに関心を持つ人が増えていってほしいなと思います。尚、詳しくは京都オープンゴルフ選手権のホームページをご覧ください。(ホームページ: http://kyotoopengolf.com/

社長は大変なアイディアマンでゴルフ業界を盛り上げようとご尽力されておられますが、ゴルフ場やゴルフ業界全体へのご要望やご提言がありましたらお聞かせ下さい。

山田 ゴルフ場をもっと楽しめる場所にしてほしいなと思います。例えばメンバーの結婚式や披露宴、各種記念式典、誕生日パーティーなどが開催できるとか・・・。奥様方がゴルフをされないなら、ご主人がラウンド中に奥様向けにコンペルームでお花やお料理の教室をされるなどいくらでも利用方法があります。もし夕方からも営業されるのなら、バーベキューやお子様向けに天体観測なども面白いですよね。
 また、プロのトーナメントの時などはロープを張っていますよね。あれもギャラリーの自己責任のもと取り払ったらどうかと思います。プレーの邪魔になるからと声を出したり写真を撮ったりしても注意されますがあれもどうかと思います。もちろんマナーは大切ですがギャラリーにもっと楽しんでもらったらいいのになと思います。まあ、すぐに実現することは難しいとは思いますが(笑)。京都オープンは既存のトーナメントにはないワイワイガヤガヤとギャラリーも楽しめるお祭りムードいっぱいの大会にしたいと考えています。

新しいスタイルの大会でとても楽しみです。
社長は現在数か所のゴルフ場のメンバーですが、よかったなと思われることはおありですか?

山田 私はメンバーになって本当によかったと思っています。ゴルフのマナーやルールはもとより人間として大切にしなければいけないことを学べる機会が多いので、社員にもメンバーになれと勧めているほどです。また、友人も増えましたし、人を見る目も養われると思います。コースを一日一緒に廻ると大体どのような人間かわかりますからね、お互いに(笑)。

最後になりましたが社長の今後の目標をお聞かせ下さい。

山田 たくさんあり過ぎてどれを申し上げればいいかわからないので(笑)、毎日面白く過ごせればそれでいいかな(笑)。ただ、直近の目標としては京都オープンのサポーターが一人でも増えるように募集活動を頑張りたいと思います。ご協力よろしくお願い致します(笑)。

承知いたしました(笑)。本日はありがとうございました。

株式会社山田製油
http://www.henko.co.jp
代表取締役 山田 康一 さん

Profile
京都市西京区在住
1961年(昭和36年)11月23日生まれ 満55歳
●ゴルフ歴  約15年
●所属コース ザ・サイプレスゴルフクラブ
       北海道クラシックゴルフクラブ
       グランベール京都ゴルフ倶楽部
●ハンディ  12

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