ギャラリースタンド

NICE ON 10月号【Vol. 444】


日本のゴルフ界に新たな可能性を広げてくれた渋野日向子のメジャー制覇。東京五輪への期待感も高まり、男子プロゴルフ界への強烈な刺激剤になろう!

女子プロゴルフ界が「黄金世代」を中心に人気を集める中、男子の御三家、石川遼、松山英樹、小平智は精彩を欠く。ただ、渋野の全英女子オープンの優勝は、奇しくも男子プロゴルフ界の低迷に雲間から太陽を覗かせる間接的効果をも引き出そうとしている。

男子ツアーは、人気向上に日本ゴルフツアー機構(JGTO)が本腰を入れ始めている。そのひとつに大会期間中に選手の練習風景や試合後のインタビューをヤフーのスポーツナビにアップ、アジアパシフィックを開催した週の動画再生総回数は、週約800万回を記録した。動画の再生回数がそのままギャラリー動員数に反映されるのはまだまだ先のように思われるが、ツアーに活気が出てきたことは見て取れる。
このほか、石川遼率いる若手プロ達が積極的にテレビのスポーツバラエティー番組に出演したり、女子のファンを対象としたレッスン会やプロアマ戦のイベントを開くなど積極的な動きを強めている。人気回復には、ギャラリー数を増やすことが先決だが、この地道な努力はいずれ低迷からの脱却に繋がっていくはずだ。

今月には、米男子ツアー(PGA)との共同開催でZOZOチャンピオンシップが習志野カントリークラブで開かれるが、賞金総額約11億円、優勝賞金約2億円、タイガーウッズや松山英樹の参戦という豪華さだけでなく、そこで、渋野選手がギャラリーの心を掴んだように、各選手のパフォーマンス効果がみられれば、人気回復の起爆剤となろう。もちろん宿願の日本勢のメジャー制覇という夢はつないで欲しいが・・・。主催者推薦枠で石川遼の出場も決まっており、日本選手の活躍で、新しい時代を築いてほしいものだ。

また、渋野選手の全英Vは、東京五輪に3人の出場枠ということも現実味を帯びてきたし、日本勢のメダル獲得の可能性を上げたといえる。9月中旬の日本代表候補ランキングは、1番手は9位の畑岡奈沙、2番手は13位の渋野日向子、3番手は25位の鈴木愛。まだ10ヶ月があるが、鈴木以下の選手が大きく順位を上げ、畑岡と渋野が現状維持をキープできれば3人出場も見えてくる。60名出場のゴルフ競技にこの1枠は非常に大きい。前回のリオデジャネイロ五輪で3人以上出場したのは、韓国、アメリカの2カ国だけ。
畑岡、渋野2人に続く選手が15位以内に入るのは非常に難しいかもしれないし、2人が15位以内をキープするのも容易ではないが、夢は大きく膨らむ。
渋野の42年ぶりの快挙がもたらした効果は大きい。思い切りの良い強気のパットと微笑が大きくゴルフの風を変えた事は確かだろう。

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