ザ・会員権

NICE ON 7月号【Vol. 405】


相場に割安感が出て購入意欲が高まる
法人の見直し買い増加を背景に上昇気運

ゴルフ会員権市場を取り巻く景気動向や周辺環境は決して芳しいとは言えないが、ここにきて平均相場は安定推移からゆるやかに上昇傾向が見え始めている。これは、割安感を背景にこれまで様子見していた入会希望者が、秋のシーズンに備え、値上がりする前に手当てしておこうとの思惑から購入の動きが強まっているためだ。関西エリアの単純平均相場は88万円で5パーセントアップの回復を見せている。
購入希望のボリュームゾーンは名変料を含んで150~250万円の価格帯で、コース内容も良く経営的にも問題のない中堅の優良コースだ。分布は都市近郊に集中しているが、電車で行けるコースや自宅から近いコースを軸に問い合わせが多い。プレー後に仲間とお酒を飲んでゴルフ談義を楽しみたい、帰路は渋滞を避けてゆっくりと時間を気にしないでプレーを楽しみたいなど、がその理由だ。また滞在型のリゾートコースをホームコースに買い替える動きも増えてきた。アマチュア競技やプロトーナメントの開催コースにも注文の問い合わせが多い。こういったように、コース選びは自分のゴルフスタイルに合わせたもの、ライフスタイルに有ったものなど、プレー環境だけでなく何を目的にゴルフコースを選定するかが明確になってきたのも最近の特徴といえる。

50万円以下の低額クラスも人気が出始めた
法人の買い換えが目立ち全体相場を後押し

ゴルフ競技がオリンピックの正式種目として返り咲いたのを機に、ゴルフをもう一度見直そうとの機運も高まっている。好業績を上げる法人では接待用として位置づけ、より良いコースへの買い換え、グレードアップを目的とした乗り換えが盛んだ。個人でも団塊世代は健康づくり、団塊ジュニアは仲間づくりのコミュニケーション手段として見直しが進んでいる。さらにゴルフをゆっくり楽しむため、プレーだけでなく、クラブライフを楽しみたいとする風潮も強まっている。
団塊ジュニアのメンバー志向はそうしたことが背景となっているが、初入会の対象コースとして、またセカンドコースとして比較的入会し易い50万円以下の低額クラスや内容の良い補充募集を行っているコースも購入希望の対象になってきている。
最安値と言われた2012年の年末から数えて6年、約4割近いコースが値をもどしつつある。回復相場はこうしたゴルファーのメンバー志向の高まりによって生まれたものだ。
例年7~8月は季節柄、会員権の不需要期と言われ相場が低迷する時であるが、今年は様子が少し異なる。ここにきて課題であった法人の購入注文が増加しており、併せて個人の優良中堅コースの引き合いが戻ってきたことから、夏相場を一気に通り越して秋相場に突入ということもありうるからだ。

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