ザ・会員権

NICE ON 1月号【Vol. 411】


購入の好機、買い易い環境が持続する会員権相場
2017年の市場は個人のランクアップで動く展開に

会員権相場の習性の一つとして、11月から年末にかけて相場金額が落ち込み、春のシーズン前に高値に移行するというものがある。昨年末も優良企業の中堅社員からボーナス需要と思われる入会相談が多く入った。それらに共通しているのは、現在保有しているコースよりもワンランクアップの良質なコースに買い替えたいというもの。
また、エグゼクティブ層からは、法人会員になっているコースを個人で買い直したいというものだ。いずれも長期にわたり、あるいは生涯コースの保有という目的が買い替えの動機となっている。
では、2017年の会員権相場はどう動くのだろうか。2016年の相場推移を参考に予測してみたい。相場が動き出したのは4月以降。2015年末の下げ分を取り戻した格好で6月末まで緩やかな回復基調をみせた。7~9月は不需要期の夏相場を引きずって年初比で5~6%の値下がりとなった。これほど大きく値を下げたのは、法人が買い替えに慎重さを見せた事や見直し処分に回り、加えて個人では高額コースの入会希望が伸び悩んだため、売り値を下げたためだ。
個人での売り注文を分析してみると、年会費の値上げを負担に感じる高齢者や、複数コースを保有している人たちがスリーピング会員化しているコースの処分に回ったことが特徴的。市場全体に割安感が鮮明になった。
10月になると、相場の推移を様子見していた潜在需要者が単なる問合せレベルから積極的な入会希望へとスタンスを変えた。相場の回復が見えたが、買い注文は優良コースに集まり、他のコースは年末まで失速感がぬぐえなかった。

高値は秋前に、4月以降の相場に注目したい
全般的に割安感は続くが買いの好機は夏頃か

米大統領選でのトランプショックで経済環境が大きく動き、そのことが購入者の心理的ハザードとなり入会希望にも慎重さが現れた。それでも、大きく値を下げた会員権相場には魅力があり、割安感を一層色濃くした優良中堅や老舗・名門コースに手堅い買い注文が入り、停滞した市場もすぐに動き出すだろう。
2月以降、トランプの取る政策・施策によっては会員権市場も同様の動きが予測されるが、その影響が明確に出てくると思われる4月以降の相場に注目したい。安倍首相のゴルフ外交と言われるそのカラーにゴルフ界にも追い風が吹いてくるかも。5~6月は上昇、例年夏枯れが見られる7~9月が購入の好機になるだろう。
既設相場が低い価格帯で行進していれば、入会総費用と購入予算を比較すれば、補充募集を行っているコースも視野に入ってくる。募集を行なっているコースの中には内容に比して割安感が大きいコースも多くあるからだ。経営母体がしっかりしていて、会員重視の運営を行っているコースが狙い目というのは会員権選びの鉄則だが、プレー本位に徹した選択も可能な時代。そんなセカンドコースの購入も、低金利ローン活用でという人が増えている。

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