ギャラリースタンド

NICE ON 6月号【Vol. 404】


ゴルフ場はなぜ18ホールなの?
諸説あるが、親しみやすいのはスコッチ・ウイスキー説

ギャラリースタンドを楽しみにしているという読者から辛口なコメントを頂いた。その多くが、堅すぎる、もっとホッ!とできる話題があってもいいのでは・・・というものだ。おっしゃるとおりなので、今後は休憩室的な話題も取り混ぜていきたいと思う。

日頃なんとなくプレーしているゴルフ、18ホールが1ラウンドというのは当たり前。何故18ホールなのかとあまり考えたことはないはず。ゴルフの起源説にしても中国起源説、オランダ起源説、スコットランド説等々、それは500年という長い歴史のいたずらなのかも知れない。今回は18ホールに絞ってそのいわれを紐解いてみたい。

いろんな諸説があるが、寒風吹きすさぶリンクスでのプレー、寒さをしのぐためにウイスキーをホールごとに1杯(ショット)飲むと、ボトルは18ホールでちょうど空になった。それが18ホールのルーツだとするジョークもあながち笑い飛ばせないものがある。

最も有力とされるのが、ゴルフの聖地「セントアンドリュース」に由来するものだ。18世紀半ばの頃のコースは5ホール~25ホールまでとまちまちだった。もともと22ホールあったセントアンドリュースがコース内の一部を市に返還することになり現在の18ホールになった。そこで聖地とされるセントアンドリュースを見習い、18ホールのゴルフ場が誕生したという説がゴルフ史として載せられている。

また、最終的に18ホールになったのはどのような経緯があったのか。1872年から全英オープンは3つのコースで開催されるようになった。この大会はプレストウィックでの開催時は3ラウンド、セントアンドリュースでは2ラウンド、マッセルバーフでは4ラウンドで行なわれ、3つのコースが毎年交代で開催しており、試合は36ホール以上で行われていた。このうちセントアンドリュースが最も評判が良かったとされたことから、1882年~1886年にプレストウィックも当初の12ホールから18ホールに改造された。その後開催コースの変動もあったが、この結果当時全英オープン開催の3コースのすべてが18ホール構成のコースとなった。

かつてゴルフはマッチプレーが主流、1ホールごとの勝敗で競い合っていたため、ホール数にはこだわりはなかったのである。ところが、ストロークプレーが主流になって18ホール×4日、合計パー288というのがトーナメントの基礎となった。そして1933年に18ホールがゴルフ競技のスタンダードとなり、なんと正式なルールとなったのは1950年になってからだとゴルフ史誌には記されている。また、1892年にゴルフルールの総本山であるR&A(ロイヤル・アンド・エンシェント・ゴルフクラブ)が全英オープンは、72ホールの競技とする旨の決定を出した。このことが、事実上チャンピオンシップは18ホールのコースでしか開催できない事につながったという説もある。

ゴルフはロマンに満ちた競技。夢のあるノスタルジックな時間をウイスキーを片手にゴルフ談義に花を咲かせたいものだ。

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