ザ・会員権

NICE ON 1月号【Vol. 435】


相場が緩やかな上昇を描く足場が整ってきた
模様眺めが続く中、明るいムードが漂う市場

昨年のゴルフ会員権相場は、関東エリアを中心に緩やかな回復傾向が現れた。関西エリアにもその波が及び、1年を通して平均相場も安定した推移(年間上昇率1~2%)を示した。会員権市場では、ここ数年、閑散期、不需要期といった言葉は聞かれなくなり、年間を通してバランスのいい需給関係を保つようになっている。
現状では、動きこそ鈍いものの、実需は多くみられ、潜在需要も顕在化してきている。下値不安(相場が下落傾向になる)の解消、株価安定など経済環境が好調、新規ゴルファーの台頭という材料に後押しされ相場の緩やかな回復も視野に入ってきている。しばらくは、もみ合い、模様眺めの推移といった静かな商況が続くと思われるが、潜在需要の強さから市場に活気が戻ってくるのも時間の問題といえそうだ。

専門業者の多くは、相場回復には法人需要の復活と低額クラスの入会希望の復活が鍵を握るとみている。昨年末までで、法人の処分売りはほぼ一巡したとみられることから今年は、法人の買い替えやランクアップに伴う再入会が期待できる。老舗コースや準名門コースへの問い合わせも多くなっていることもその傾向を物語るものだ。
低額クラスは、名義書換料とのアンバランス感から入会希望が減少傾向にあったが、プレー権の確保からグループ買い(入会希望)が復活、都市近郊コースを中心に問い合わせが増えてきている。また中堅や準名門クラスは個人オーナーやエグゼクティブ層、リタイア組みの入会希望が増加、高額コースには、入会希望数が依然として売り希望数を上回る状況が続いている。

1~3月は年末に問い合わせのあった案件の成約や見直しでの調整期、シーズンを迎える4~5月は成約期になると思われる。これは昨年の実績で、4月中旬から6月中旬の2ヶ月間に平均2~3%の上昇が見られたことによる予測からだ。
したがって、ここでの調整局面はコース内容の再評価を改めて見極める絶好機といえ、コースによっては相場面で再評価の動きを強めてくることも予測される。また、今後の相場の流れを読む上で、ポイントとなるのは決算期以降に伴う人事異動に絡んだ法人筋の動きだ。新役員は新コースのメンバーになる必要性も出てくるため、接待需要に合う高額クラスに対しての新規需要が発生する。ターゲットが高額クラスだけに、市場や周辺相場に及ぼす影響も大きいといえよう。

もうひとつ、現状のムードの中で特徴的な動きを示しているのは「買い替え」需要の多さ。準中堅、中堅、準名門クラス間では、上のクラスとの差が縮小してきている。加えて、売買ともバランスがとれ、売りやすく、買いやすい状況となっていることがその背景となっている。
相場全体は、実需主体の緩やかな上昇基調。名義書換料減額、入会資格条件の緩和化、ゴルフ場再編に伴う経営基盤の確立(グループ経営の強化と経営刷新)など、市場正常化への道も着実に見えてきている。加えて、潜在需要の強さをみせる問い合わせ件数の増加は、相場復活劇に相応しいシナリオだ。若手の台頭と中堅の頑張りで人気復活をみせるプロトーナメントの人気化も新規ゴルファーの誕生を誘っている。プレー権の見直しから、会員権がゴルファーのより身近な存在となってきた。市場の活発化に対する期待感も高まるところだ。

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