マイナビABCチャンピオンシップ 観戦記

NICE ON 12月号【Vol. 434】


マイナビABCチャンピオンシップ 観戦記

このコーナーの7月号で「ゴルフツアーの観戦について!」の原稿を書いたのですが、気になる選手について回るなど観戦の楽しみ方は幾通りもあります。  
10月25日に開催されたマイナビABCチャンピオンシップを見に行ってきました。㈱マイナビは高校生の進学情報サイトや学生の就職情報サイトなど、人生のチャレンジを応援する企業として今大会も特別協賛をしています。
若い人の応援企業と言うことですので、こういった大会を通じて若い人がよりゴルフに興味を持ってもらえるようになればうれしいですね。
石川遼選手はマイナビのイメージキャラクターですので、活躍が期待されていましたが今ひとつ上位に顔を出すことができませんでした。

さて、観戦ですが私は初日に会場のABCゴルフ倶楽部に行ってきました。いろんなホールを渡り歩いて、名の知らない選手のプレーも沢山見てきました。まだ初日と言うことで選手もリラックスしているのか、パターが終わると知り合いのギャラリーに声をかけている光景も見られました。いつも思うのですが、他のスポーツと比べて試合中に選手とこんなに接近できるスポーツは他にありません。なのに大きな声で応援できないのは不思議です。決勝ラウンドともなれば選手の緊張感も伝わってくることがありますが、プロなのだからもっとリラックスしてギャラリーサービスにも徹して欲しいですね。
素晴らしい球を打っているのに、「小さな声でナイスショット」、バーディーを獲れば大きな拍手もありますが、選手が次のホールに向かうときに、これも「小さな声でナイスバーディー!」、選手を奮い立たせるような大きな応援は慎むべきなのでしょうか?いつも疑問に思います。

先日の大会でも、藤田寛之選手がバーディーを取ったので勇気をふりしぼって少し大きな声でナイスバーディー!と声をかけたのですが、はにかんだように帽子のつばに手を添えるだけです。また石川遼選手もバーディーの後、近くにいた女性ギャラリーが声をかけたようですが、大きなアクションはありませんでした。
昨今男子の大会の入場者数が減ってきています。試合数も伸び悩んでいますが年間の総ギャラリー数は30万人に満たないことが報告されています(2017年度)。プロ野球やサッカーのように応援の形態を変えることで入場者数を増やすアイデアを考えることはしないのでしょうか?選手も協会も、静寂の中でプレーをするのでなく、ギャラリーと共々試合を楽しめるシステムを考える時代に来ているような気がします。
パナソニックオープンでは、新しいゴルフ観戦の楽しみ方として「ザ・ギャラリーホール」を設営しましたが、こんな応援形態がどんどん増えてくれば、もっと楽しいゴルフツアーになるのではないでしょうか。

マイナビチャンピオンが開催されたABCゴルフ倶楽部の18番は名物ホールです、第2打地点から右側はグリーンまで池がつながっており、毎年ドラマを生みだすシチュエーションが繰り広げられる525ヤードのパー5。2008年に優勝した石川遼選手が池の淵からショットしたのは今も語り草になっていますが、今年も3日目に今平周吾選手がウォーターショットを披露しました。大変な拍手があったと思いますが、グリーンを囲むギャラリーからウェーブが起こるような応援があってもいいのではないでしょうか。
選手も極限の中からのショット、そしてギャラリーも巻き込むパフォーマンスがあれば、会場まで足を運んだ喜びや、価値あるシーンを共有した感動が生まれてくると思います。
18番ホールの中間点にとても高いクレーンが設置されており、そのてっぺんにはカメラクルーの人が待機しています。上からのティーショットや、ツーオン狙いの打球を高い位置から撮らえるのはテレビ画像としては面白いのですが、会場では生の迫力を見てゴルフツアーの良さを体験して欲しいです。

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