ザ・会員権

NICE ON 7月号【Vol. 429】


新名神の延伸・ジャンクションの開設がゴルファーの流れを変え、周辺コースが人気化。関西エリアの平均相場は年初来5ヶ月続伸で安定推移。個人の需要が巻き返しに転じる。

関西の会員権市場は、閉塞感から抜け出し、徐々に会員権相場も持ち直してきている。単純平均相場は、月単位で1~2%のアップが2ヶ月続いている。これは、新名神高速道の延伸、新ジャンクションの開設でゴルファーの流れが変わり、京都方面や北摂、北大阪方面のゴルファーが再び山陽道や中国道沿線のコースに目を向け始めたためと、交通渋滞の緩和がもたらした変化といえる。
また、電車利用ができるコースも再び見直されてきている。ゴルフプレーの参加率の推移を見てみると、男性が大きく巻き返している。10代、20代、30代と若年層も伸びてはいるが、もっとも伸びているのは70代という統計がある。これは、団塊世代が再び「健康寿命」というキーワードにゴルフを選んでいるからだ。女性でも、30代、40代の次に70代の伸びが著しい。

個人の需要が定着してきたこと、名門、老舗、優良コースの法人記名者の個人会員への転換もその表れだろう。リタイア層の入会意欲は堅調、若年層のゴルフへの参加希望率の高まりが会員権市場の流れを変えつつある。
法人および個人の富裕層は名門、老舗、準名門コースに目を向け始めている。市場で最も流通しているボリュームゾーンは名変料込みで100万~150万円以下(会員権価格50~70万円)のコースで、個人の実需で支えられている感がある。相場は高額コースがけん引し、低価格帯の下支えで例年弱いとされる「夏相場」を飛び越えて、秋のシーズンまで順調に上昇波動を見せそうだ。入会にはこういった相場が上向いている局面が最適といわれる。少し動きが鈍くなる夏場の入り口あたりが絶好の入会時かも知れない。

名変料の値下げや減額傾向が続く中、年会費値上げの動きは会員権購入や入会意欲を減退させる要因にもなるのでは・・・?

名変料の値下げや期間限定での減額は、入会総予算を圧縮できるため入会希望者の欲求を支えながら会員権市場を構成してきた。名門コースもこういった風潮に値下げを断行するコースが右へ倣えの姿勢をとったため、潜在需要が一気に動き出して市場が活発化し、退会希望を上回る入会希望が増えたコースも出てきた。

それに反して年会費を値上げするコースもあり、会員権を複数所有する人は、年会費の負担増からコースの処分を余儀なくされるケースも出ている。さらに、入会を希望するコースが年会費を値上げすることにより、入会意欲が減退、入会を敬遠する人も出ている。これは、名変料の値下げや減額で流通が加速・改善された市場に水を差す動きといえる。名変料、会員権価格、年会費と総合的に判断するゴルファーが増えていることを忘れてはならないだろう。また、価値あるクラブライフを送るには、年会費は大きなファクターである。
入会を希望するコースの情報を的確に掴んでおきたい。会員権はプレー権であると同時に、今も大切な財産であるからだ。

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